「口コミのお願いは、お会計のときに口頭で伝えるのが精一杯。LINEやメールで送れば楽なはずだけれど、どんな文面にすればいいのか分からない」。
そんなご相談を、店舗オーナーの方からよくいただきます。
実際、来店してくださったお客様とLINEやメールでつながっているなら、口コミの依頼はとても自然に行えます。一方で、文面や送るタイミングを間違えると、かえって煙たがられたり、Googleの規約に触れたりするおそれもあります。
この記事では、LINE・メールで口コミを依頼するときの考え方、送るタイミング、そのまま使える文面例、返信してもらいやすくする工夫、避けたい依頼の仕方を順に解説します。
執筆は、全日本SEO協会認定のSEOコンサルタントで、Web制作やSEO・MEO支援に携わってきた三田健司です。口コミ依頼の全体像は嫌味なく口コミを集める現実的な方法の記事で扱っているため、こちらは「LINE・メールという既存のお客様への連絡手段」に絞ってお伝えします。
LINE・メールで口コミを依頼する前に知っておきたい基本ルール

Googleは「依頼すること」自体を禁止していない
Googleのクチコミに関するポリシーでは、実体験に基づく投稿を募ったり促したりすること自体は認められています。禁止されているのは、報酬を条件にする、良い口コミだけを選んで集める、その場で書くよう強要する、といった行為です。
つまり、LINEやメールで「ご利用いただいた感想をお聞かせください」と丁寧にお願いすること自体は、問題のある行為ではありません。
リンクを共有する方法がヘルプに示されている
Googleビジネスプロフィールのヘルプでは、クチコミのリンクやQRコードを作成して、お客様にクチコミを依頼する方法が案内されています。感謝メールに含める、チャットのやりとりの最後に添える、といった使い方も例として挙げられています。
リンクやQRコードの作り方は、PCのブラウザからビジネスプロフィールを開き、「クチコミを読む」から「クチコミを増やす」を選ぶ流れです。なお、QRコードはモバイル端末では生成できずPCのブラウザのみとされているため、QRコードの作り方と設置術もあわせてご覧ください。
特典と引き換えの依頼はNG
Googleは、クチコミの投稿と引き換えに割引・無料の商品やサービスなどを提供することを禁じています。「書いてくれたら次回10%オフ」といった一言を、LINEやメールの文面に入れてはいけません。
また、満足したお客様にだけ依頼するような選び方も、肯定的なクチコミを選択的に募る行為に当たるとされています。詳しくはGoogle口コミ依頼で特典はOK?規約と景表法の注意点で整理しています。
メール配信では法律面の配慮も必要
営利目的の事業者が広告や宣伝の手段として送る電子メールは、特定電子メール法の対象になり得ます。総務省の資料では、原則として事前の同意が必要とされ、取引関係にある人などには例外がある一方で、送信者の名称や配信停止の連絡先などの表示が求められると説明されています。
口コミ依頼のメールがどこまで広告・宣伝に当たるかは、内容によって判断が分かれる部分です。
迷うときは、販促や新商品の案内を同じメールに混ぜない、送信者名と問い合わせ先を明記する、配信停止の希望に必ず応じる、という運用にしておくと安心です。法的な判断が必要な場合は、弁護士などの専門家にご相談ください。
LINE・メールを送る相手とタイミングの考え方

送る相手は「来店・利用が確認できたお客様」
口コミは実際に利用した人の体験が前提です。予約情報や会員情報、LINEの友だち登録などで、来店や利用が確認できるお客様に限って送るようにしましょう。
利用していない人や、名簿だけで把握している人に一斉に送ると、実体験に基づかない投稿を促すことになりかねません。
送るのは「満足度が高い当日〜翌日」が目安
私が中小の店舗さまを支援してきた実感として、来店の記憶が新しい当日の夜から翌日までが、返信や投稿につながりやすいタイミングです。時間が経つほど、お客様は何を書けばよいか思い出しにくくなります。
飲食店なら食事の翌日の昼前、美容室や整体なら施術の当日夜といった具合に、業種のリズムに合わせて決めておくと運用しやすくなります。これは公式な数値ではなく、現場で見てきた傾向としてお読みください。
送ってはいけないタイミングも決めておく
クレームやトラブルがあった直後、お支払いの揉め事があった直後、深夜や早朝などは避けるべきタイミングです。気持ちが整理できていない時の依頼は、お客様の不満を強めてしまうこともあります。
また、「その場で書いてほしい」と求めたり、書くまで帰さないような雰囲気を作ったりするのは、Googleの規約で禁止されているその場での要求や強要に近づきます。あくまで後日、本人の都合の良い時に書いてもらう形に整えましょう。
LINEで口コミを依頼する文面と例

LINEは短く、1通に1つのお願いだけにする
LINEは日常のメッセージと同じ画面で読まれるため、長い文章は読み飛ばされがちです。お礼、お願い、リンクの3点を、スマートフォンの1画面に収まる長さにまとめるのが基本です。
お願いは「感想を教えてください」の一つに絞り、アンケートや予約案内、クーポンの話は別の機会にします。
そのまま使える文面例(来店のお礼+お願い)
以下は、飲食店や美容室など個人客向けのお店を想定した一例です。店名やスタッフ名、リンクの部分だけを自店用に置き換えてお使いください。
〇〇さん、本日はご来店ありがとうございました!
スタッフの△△です。
もしお時間のある時で構いませんので、今日のご感想をGoogleのクチコミに書いていただけたら、とても励みになります。
▼こちらから投稿できます(1〜2分ほどです)
【クチコミのリンク】
ご都合が合わなければ、このメッセージはそのままで大丈夫です。
またのご来店をお待ちしています。
この文面のポイントは、「お時間のある時で構いません」「そのままで大丈夫です」と断る余地を残していることです。書くかどうかをお客様が自由に決められる形にすることが、強要にならない文面の条件になります。
「星5でお願いします」「良い感想をお願いします」といった内容の指定は入れず、感じたままを書いてもらう前提にしてください。
常連客・既存客向けの言い方
すでに何度も来てくださっている常連のお客様には、これまでのご縁に触れた一言を添えると、押しつけがましさが減ります。
たとえば「いつもご利用ありがとうございます。初めて来る方が安心できるよう、率直なご感想をお聞かせいただけませんか」といった言い方です。
お客様の名前や前回の利用内容に少し触れるだけで、一斉配信ではなく個別のお願いに見えます。ただし、個人情報の扱いには気を配り、不要に詳しい内容は書かないようにしましょう。
LINE公式アカウントで運用する場合の注意
LINE公式アカウントなら、友だち追加してくれたお客様に対して配信できます。ただし、全員に同じ日時で一斉に送ると、実際に利用した人としていない人が混ざってしまいます。
来店や利用が確認できた人に絞る、配信は1回で終わらせて何度も催促しない、といったルールを決めておきましょう。口コミ導線をほかの場面とそろえたい場合は、レシート・領収書を口コミ導線に生かす方法も参考になります。
メールで口コミを依頼する文面と例

件名は「お礼」を先に、依頼は本文で
メールの件名で「口コミのお願い」と前面に出すと、販促メールと見られて開封されにくくなります。「ご来店ありがとうございました(〇〇店)」のように、お礼と店名がわかる件名が無難です。
送信者名は、店名や担当者名がひと目でわかる形にしておきます。迷惑メールに分類されにくくなり、特定電子メール法の表示事項の面でも役立ちます。
メール本文の文面例
メールはLINEより長く書けるため、お礼の気持ちと、口コミがお店にとって何に役立つのかを一言添えると伝わりやすくなります。以下は文面の一例です。
件名:ご来店ありがとうございました(〇〇店)
〇〇様
先日は〇〇店にお越しいただき、誠にありがとうございました。
店長の△△です。
お客様のご感想は、これから当店を探している方の参考になるほか、私たちのサービス改善にも大切に活用しております。
もしよろしければ、下のリンクからGoogleにご感想をお寄せいただけないでしょうか。
【クチコミのリンク】
ご負担でしたら、本メールへのご返信やご投稿は不要です。
〇〇店(住所・電話番号・メールアドレス)
今後のご連絡が不要な場合は、お手数ですがこちらまでお知らせください:【連絡先】
末尾に店舗情報と連絡不要の申し出先を入れているのは、送信者の明示と、受信を断る手段を用意するためです。メールで依頼する場合は、この2点を省略しないようにしましょう。
また、同じメールに新商品やクーポンの案内を混ぜないことで、「お礼と感想のお願い」という性格が保たれます。
予約システム・会員メールを使う場合
予約システムや会員管理ツールの多くは、利用後に自動でお礼メールを送る機能を備えています。そこにクチコミのリンクを差し込む設定にしておけば、手作業なしで安定して依頼を続けられます。
ただし、自動送信にするほど「全員に同じ文面を同じタイミングで送る」状態になりやすいため、利用が確認できた人だけに送る設定になっているかを必ず点検してください。窓口のメールアドレスの整え方はビジネスプロフィールのメール・連絡先導線の記事で解説しています。
BtoB・法人のお客様に送る場合
法人のお客様や取引先に依頼する場合は、個人客向けの砕けた文面より、丁寧で簡潔な文面が適しています。相手の立場によっては、会社として投稿しにくい事情もあるため、「差し支えのない範囲で」と添えると配慮が伝わります。
契約や守秘の関係で投稿できない取引先もあるため、無理にお願いしない姿勢が信頼を守ることにもつながります。
返信・投稿してもらいやすくする5つの工夫

リンクはタップ1回で投稿画面に進める形にする
お客様が「どこから書けばいいのか分からない」と迷った時点で、投稿の確率は大きく下がります。ビジネスプロフィールで作成したクチコミのリンクをそのまま貼り、タップするだけで投稿画面に進めるようにしておきましょう。
リンクが長い場合は、ご自身で管理できる範囲で短縮しても構いませんが、お客様が不審に思わないよう、飾りのない文面にとどめるのが基本です。
書く内容に迷わないよう、きっかけだけ添える
「どんなことを書けばいいですか」という質問は、実は多くの店舗で起きています。「注文した料理」「担当してもらったスタッフの対応」「お店の雰囲気」など、書き出しの切り口をいくつか例示するだけで、投稿のハードルは下がります。
ただし、「おいしかったと書いてください」のように内容を指定してはいけません。きっかけを示すのは良いが、結論や評価を誘導しないという線引きを守りましょう。
お願いは1回きりにする
反応がなかったからといって、数日おきに何度も催促するのは逆効果です。お客様にとっては、ご自身の都合で書けていないだけなのに、責められているような印象を持たれます。
送るのは基本的に1回、それも負担にならない文面にとどめ、その後は他の接点(来店時の声かけやレシート・QRコード)に任せると、関係を壊さずに続けられます。
スタッフ全員が同じ手順で送れるようにする
担当者によって文面や送り方がバラバラだと、品質が安定せず、規約に反する依頼が紛れ込むリスクもあります。送る人、送る時刻、文面のひな形、使ってはいけない表現を、紙1枚にまとめて共有しておくと運用が安定します。
声かけの教育面は、口コミ声かけ台本の作り方|スタッフ全員が自然に依頼できる教育法も参考になります。なお、Googleは「一定数のクチコミを募るよう店がスタッフに要求すること」も禁じているため、スタッフにノルマを課す運用は避けてください。
LINE・メール以外の接点とも組み合わせる
LINEやメールだけで口コミが集まるとは限りません。レジ横のQRコード、レシート、店内のPOPなど、複数の接点を組み合わせることで、お客様が選びやすい形になります。
お客様の中には、メッセージで依頼されるより、来店時に自分のペースでQRコードを読み取る方が気楽だという人もいます。選択肢を用意しておくことが、押しつけにならない依頼のコツです。
やってはいけない依頼と、送った後の運用

NGになりやすい依頼の4パターン
Googleの規約や実務の観点から、LINE・メールでの依頼で特に避けたいのは次のような行為です。割引や景品を条件にすること、満足した人にだけ送って不満を持っていそうな人を外すこと、星の数や内容を指定すること、スタッフに代わりに書かせたり、お客様の代筆をしたりすることです。
これらは口コミの信頼性を損なうだけでなく、違反と判断された場合に口コミが削除されたり、プロフィールに影響が出たりするおそれもあります。
「満足した人にだけ送る」がなぜ問題になるのか
良い体験をしたお客様だけに依頼したくなる気持ちは自然ですが、Googleは肯定的な口コミを選択的に募る行為を禁止しています。結果的に不満を持つ人の声が届かず、実態より良く見せることになるためです。
利用が確認できた人には同じ基準で送る、という運用にしておけば、星の数が極端に偏ることも防げます。星の見方については、良い口コミ・悪い口コミへの返信のコツもあわせて確認してください。
投稿された口コミには必ず返信する
依頼して口コミが投稿されたら、できるだけ早く、丁寧に返信しましょう。返信は、書いてくれた本人だけでなく、これから見る人にも店の姿勢を伝える場になります。
返信の目安や運用ルールは、Google口コミの返信はいつまでに?速さの目安と運用ルールで詳しく整理しています。
効果の見方と改善のしかた
一定期間(たとえば1か月)で、送った件数と実際に増えた口コミの件数をメモしておくと、依頼の効果が見えてきます。反応が少ない場合は、送るタイミング、文面の長さ、リンクの置き位置を1つずつ見直します。
一度に複数の要素を変えると原因が分からなくなるため、1回に変えるのは1か所にとどめ、その結果を記録しておくのがおすすめです。口コミの数や星の平均は、検索順位に直接影響すると断定できるものではないため、まずは「お客様に選ばれやすい状態を作る」ことを目的にしてください。
よくある質問(FAQ)

Q. LINEやメールで口コミをお願いしても規約違反になりませんか?
Googleのポリシーでは、実体験に基づく投稿を募ったり促したりすること自体は認められています。ただし、割引や景品などの対価を示すこと、肯定的な口コミだけを選んで募ること、その場で書くよう強要することは禁止されています。
文面には特典を入れず、利用が確認できたお客様に同じ基準で、お願いとして丁寧に送ることが基本です。
Q. 口コミを依頼するメールは、特定電子メール法の対象になりますか?
営利事業者が広告・宣伝の手段として送るメールは対象になり得ますが、口コミ依頼のメールが具体的にどう扱われるかは内容によります。迷う場合は、販促を混ぜない、送信者名と連絡先を明記する、受信拒否に応じる、という運用にしたうえで、弁護士などの専門家へご相談ください。
Q. 送るタイミングはいつが一番良いですか?
私の支援現場での感覚では、来店の記憶が新しい当日の夜から翌日が目安です。ただし、クレームやトラブルの直後は避け、お客様の都合に合わせて余裕のあるタイミングを選んでください。
Q. 何度も送ると逆効果になりますか?
はい、催促を繰り返すと、お客様に負担を感じさせてしまいます。基本は1回きりとし、その後は店頭のQRコードやレシートなど、別の接点でそっと案内するのがよいでしょう。
Q. 割引やプレゼントと引き換えに書いてもらえばもっと集まりますか?
一時的に増える可能性はあっても、Googleは対価と引き換えの投稿を禁止しています。違反が認められると口コミの削除などにつながるおそれがあるため、おすすめできません。
Q. ネガティブな口コミが付いたらどうすればいいですか?
感情的に反論せず、事実と改善の姿勢を落ち着いて伝える返信を心がけてください。不当な口コミと判断できる場合は、Googleの報告機能を使う方法もあります。
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LINE・メールの文面づくりから、スタッフ運用、規約に沿った導線の設計まで、店舗ごとに最適な形は異なります。三田健司が、これまでの中小企業のMEO支援の経験をもとに、無理のない口コミ運用をご提案します。
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