「MEOの順位計測ツールを入れたいけれど、どれも同じに見える」。ツールの導入を考えている店舗オーナーから、よくこうしたご相談をいただきます。
じつは順位計測ツールには、大きく分けて「1地点で測る方式」と「お店の周りを格子(グリッド)に区切って面で測る方式」の2つがあります。同じお店・同じキーワードでも、どちらの方式で測るかによって、出てくる数字の意味がまったく変わります。
この記事では、2つの計測方式のしくみと得意・不得意、数字の読み方、グリッド計測の設定で見るべき条件、計測で起きる「ずれ」との付き合い方、店舗タイプ別の選び方までを順番に解説します。ツールの料金や機能を比べる前に、まず「何をどう測っているのか」を理解しておくと、自分のお店に合わないツールを選ぶ失敗を防げます。
執筆は、全日本SEO協会認定SEOコンサルタントとして中小企業のWeb制作やSEO・MEOの支援に携わり、Googleマップの順位を地図で可視化するツール「access-meo」を開発・運営している三田健司です。ツールを作る側として計測のしくみに日々向き合っている立場から、2026年10月時点の情報をもとにお伝えします。
順位計測ツールは「どこから検索したか」を決めて測る

最初に、順位計測ツールが何をしているのかを整理しておきましょう。方式の違いを理解するための土台になります。
Googleマップの順位は検索する場所で変わる
Googleのヘルプでは、ローカル検索の結果は主に「関連性」「距離」「知名度」の3つの要素で決まると説明されています。このうち距離は、検索しているユーザーから各ビジネスまでの距離のことです。
つまり、同じ「渋谷 カフェ」という検索でも、検索した人がどこにいるかによって表示されるお店の並びは変わります。Googleマップの順位は「お店ごとに1つ」ではなく「検索した場所ごとに1つ」というのが、計測を考えるうえでの出発点です。
ツールは検索地点を「指定」して結果を取得する
順位計測ツールは、この「検索した場所」をあらかじめ決めたうえで、Googleマップの検索結果を取得し、その中で自分のお店が何番目にあるかを記録します。地点の指定のしかたは、住所や市区町村名で指定するもの、緯度・経度の座標で指定するものなどがあります。
座標で指定する方式では、地図の縮尺(ズーム)もあわせて指定するのが一般的です。地点と縮尺をそろえて毎回同じ条件で検索するからこそ、日付をまたいだ比較ができるようになります。
計測の中身は「キーワード×地点×日時」
ツールが記録している1つの順位は、「どのキーワードで」「どの地点から」「いつ」検索したかの組み合わせで決まります。どれか1つでも条件が変われば、出てくる順位も変わる可能性があります。
ツールを比べるときは、画面に出る順位の数字だけでなく、この3つの条件をどう決めているのかを確かめることが大切です。この記事で扱う「1地点」と「面」の違いは、このうち「地点」の決め方の違いです。
管理画面の「パフォーマンス」では順位はわからない
Googleビジネスプロフィール(以下、GBP)の管理画面にある「パフォーマンス」では、プロフィールの閲覧数や検索に使われた語句、電話やルート検索などの数を確認できます。一方で、地点ごとに自分のお店が何位に表示されているかは表示されません。
そのため、順位を継続して追いたい場合は、手作業で検索するか、順位計測ツールを使うことになります。パフォーマンスの数字は「反応」、ツールの順位は「見つかりやすさ」と役割を分けて見ると理解しやすくなります。
1地点の計測とは|しくみ・得意なこと・苦手なこと

まずは、多くの順位計測ツールで基本になっている「1地点の計測」から見ていきます。シンプルで扱いやすい反面、見えない部分もある方式です。
1地点計測のしくみ
1地点の計測は、決めた1つの場所から検索したときの順位を記録する方式です。地点は、お店の住所、最寄り駅、市区町村の中心などに設定されることが多いです。
キーワード1つにつき、1回の計測で1つの順位が得られます。毎日や毎週同じ地点で測り続けることで、順位の推移を折れ線グラフのように追いかけられます。
得意なこと:手軽で、推移を追いやすい
1地点の計測は、1回の計測で取得する検索結果が1回分だけなので、ツール側の費用が安く済みやすいのが特徴です。そのぶん、多くのキーワードを毎日測るといった使い方もしやすくなります。
数字が1つなので、「先週は5位、今週は3位」と変化がひと目でわかるのも利点です。社内やスタッフと共有するときにも、説明に手間がかかりません。
苦手なこと:その地点の外が見えない
一方で、1地点の計測でわかるのは、あくまで「その場所から検索した場合」の順位だけです。お店の前では1位でも、500メートル離れた住宅街では圏外ということは、ローカル検索ではめずらしくありません。
1地点の数字が良くても、お客様がいる場所で見つかっているとは限らないという点は、この方式を使うときに必ず意識しておきたいポイントです。
「どの地点を選ぶか」で数字が変わる
1地点の計測では、地点の選び方そのものが結果を大きく左右します。お店の住所を地点にすると、距離の条件が最も有利になるため、実際より良い順位が出やすくなります。
お客様が多く住んでいるエリアや、検索されやすい駅前など、「お客様が検索していそうな場所」を地点に選ぶと、より実態に近い数字になります。地点を途中で変えると過去の数字と比べられなくなるため、最初に決めた地点は動かさないのが基本です。
面(グリッド)の計測とは|しくみ・得意なこと・苦手なこと

次に、お店の周りを面で測る「グリッド計測」です。1地点の計測の弱点を補うために広まってきた方式で、access-meoもこの方式を採用しています。
格子の交点ごとに同じ検索を繰り返す
グリッド計測では、お店を中心にした地図を、碁盤の目のような格子に区切ります。そして格子のそれぞれの点を検索地点にして、同じキーワードで検索した結果を1点ずつ取得します。
たとえば7×7の格子なら49地点、5×5なら25地点です。1回の計測で、地点の数だけ検索結果を取得しているのが、1地点の計測との大きな違いです。
取得した結果は地図の上に色や数字で並べて表示されます。上位の点は濃い色、圏外の点は薄い色というように塗り分けると、お店の周りのどこで強く、どこで弱いのかが一枚の地図で見えるようになります。
得意なこと:勝てている範囲と弱い方向がわかる
グリッド計測の最大の強みは、順位を「範囲」としてとらえられることです。お店から北側には強いけれど、駅のある南側では競合に負けている、といった方向ごとの差が見えてきます。
施策の効果も「範囲が広がったかどうか」で確かめられます。口コミや写真を増やした後に、上位に入る地点が増えたかを見ると、1地点の上下だけでは気づけなかった変化をとらえやすくなります。
苦手なこと:費用と、数字を読む手間
地点の数だけ検索結果を取得するため、1地点の計測よりもツール側の費用がかかりやすくなります。その結果、計測できるキーワードの数や頻度に上限が設けられていることが一般的です。
また、結果が地図と数十個の数字になるため、慣れないうちは「結局うちは何位なのか」がわかりにくく感じることもあります。次の章で紹介する「まとめの数字」を使って読むのがコツです。
関連記事:同じ店でもエリアで順位が違う|地図の順位は「面」で見る
2つの方式を比べる|同じ店でも数字はこう違う

ここまでの内容を、比較しやすいように表にまとめます。どちらが優れているというより、「何がわかるか」が違うと考えてください。
| 比べる点 | 1地点の計測 | 面(グリッド)の計測 |
|---|---|---|
| 1回の計測で取得する検索結果 | 1回分 | 地点の数だけ(25〜49回分など) |
| わかること | その地点での順位と推移 | お店の周りのどこで強いか・弱いか |
| 数字の見やすさ | 1つの数字で直感的 | 地図と複数の数字で読み取りが必要 |
| 費用の傾向 | 安く済みやすい | 高くなりやすい |
| 向いている用途 | キーワードを多く・頻繁に追う | 商圏全体の強さと施策の効果を見る |
架空の例:駅前の美容室を2つの方式で測る
ここでは、説明のための架空の例を使います。駅から徒歩3分の美容室が、「〇〇駅 美容室」というキーワードで順位を測ったとします。
お店の住所を地点にした1地点の計測では、結果は2位でした。この数字だけを見ると、「うちはほぼ上位だから、もう対策はいらない」と感じるかもしれません。
同じ日に、お店を中心とした5×5のグリッドで測ると、上位3位以内に入ったのは25地点のうち7地点だけでした。駅の反対側や、少し離れた住宅街の地点では、10位以下や圏外が並んでいます。
つまり、お店の近くでは強いけれど、少し離れると見つけてもらえていないという状況です。1地点の「2位」は間違いではありませんが、お店の現状の一部しか表していなかったことになります。
グリッドの結果を読む3つの「まとめの数字」
グリッドの結果を読むときは、地図をながめるだけでなく、いくつかの数字にまとめると判断しやすくなります。ツールによって名前は違いますが、よく使われるのは次の3つです。
- 平均順位:すべての地点の順位の平均。全体の水準をつかむ目安になる
- 上位3位以内の地点の割合:地図の上位枠に入れている範囲の広さを示す
- 圏外の地点の数:まったく見つけてもらえていない範囲の広さを示す
平均順位は便利ですが、圏外の地点をどう計算に入れるかで大きく変わるため、ツール同士で比べるのには向きません。自分のお店の変化を追うなら、上位3位以内の割合と圏外の数をセットで見るのがおすすめです。
一部のツールでは、上位に入っている地点の割合を「シェア」のような指標で表示しているものもあります。名前が違っても、何を数えている数字なのかを確かめてから使いましょう。
「どちらが正しいか」ではなく「何を知りたいか」で選ぶ
先ほどの美容室の例でも、1地点の2位とグリッドの7地点は、どちらも正しい計測結果です。違うのは、答えている質問です。
「お店の目の前でどう見えているか」を知りたいなら1地点、「商圏のどこまで届いているか」を知りたいならグリッドが向いています。この視点を持っておくと、ツール選びで迷いにくくなります。
グリッド計測の設定で見るべき4つの条件

グリッド計測は、設定しだいで結果の意味が変わります。ツールを使い始める前に、次の4つの条件を決めておきましょう。
条件1:格子の数(地点の数)
格子の数は、5×5の25地点や7×7の49地点がよく使われます。地点が多いほど細かく見えますが、そのぶん費用や計測にかかる時間も増えます。
まず全体の傾向をつかむなら5×5、弱い方向を細かく確かめたい段階なら7×7というように、目的に合わせて選ぶのが現実的です。
条件2:地点の間隔(どこまでを測るか)
格子の点と点の間隔をどうするかで、測る範囲の広さが決まります。間隔を広くすると広い範囲を見られますが、お店の近くの細かな差は見えにくくなります。
目安としては、お客様が実際に来店してくれる範囲を少し超えるくらいに設定すると、判断に使いやすい結果になります。徒歩で来る人が多い駅前のお店なら狭めに、車で来る人が多い郊外のお店なら広めに、と立地に合わせて考えましょう。
条件3:測るキーワード
グリッド計測はキーワード1つごとに地点の数だけ検索するため、何でも測ればよいわけではありません。来店につながりやすい「地域名+業種」や「業種+近く」といったキーワードを中心に、数を絞って選びます。
お店の名前で検索する指名検索は、どこから検索してもほぼ上位に出るため、グリッドで測る意味はあまりありません。業種や商品名など、お店を知らない人が使う言葉を選ぶのがポイントです。
条件4:計測の頻度と、条件をそろえること
ローカル検索の順位は日々ある程度上下するため、毎日測っても変化の意味を読み取りにくいことがあります。多くのお店では、週に1回から数日に1回程度の定点観測で十分に傾向がつかめます。
大切なのは、格子の数・間隔・中心の位置・キーワードを毎回同じにしておくことです。条件を途中で変えると、順位が変わったのが施策の効果なのか、設定の違いなのかがわからなくなってしまいます。
計測方式の違いで起きる「ずれ」との付き合い方

ツールを使い始めると、「自分のスマホで見た順位と違う」「先週と何もしていないのに順位が変わった」といった疑問が出てきます。ここでは、計測で起きるずれの主な原因と考え方を整理します。
自分のスマホで見た順位とツールの順位は違って当然
自分のスマートフォンで検索すると、その時の現在地や、過去の検索・閲覧の履歴などが結果に影響することがあります。お店の中や近くで検索すれば、距離の条件も有利になります。
ツールは決まった地点と条件で検索しているため、個人のスマートフォンと数字がずれるのは自然なことです。どちらかが間違っているのではなく、条件が違うと考えましょう。
関連記事:Googleマップ順位がスマホとPCで違う理由|正しい測り方
同じ条件でも、日によって順位は揺れる
同じ地点・同じキーワードで測っても、日によって1〜2位程度の上下が出ることはめずらしくありません。競合店の情報更新や口コミの増減、Google側の調整など、お店が何もしていなくても結果は少しずつ動きます。
1回の上下で判断せず、数週間の傾向で見ることが大切です。グリッド計測なら、1地点の上下よりも「上位に入っている地点の数」の変化で見ると、揺れに振り回されにくくなります。
「圏外」の扱いはツールによって違う
ツールは、検索結果の上から決まった件数までを取得して順位を記録しています。取得する件数より下にいる場合は、「圏外」や「20位以下」などと表示されます。
何位までを取得するかはツールによって異なるため、同じ「圏外」でも意味が違うことがあります。平均順位を計算するときに圏外を何位として扱うかもツールごとに違うので、契約前に確認しておくと安心です。
ツール同士の数字は比べない
地点の指定方法や縮尺、取得件数、計測の時刻などがツールごとに違うため、別々のツールの数字を並べて比べても正確な判断はできません。乗り換えた直後に順位が変わって見えても、それは計測条件の違いによるものかもしれません。
比べるのは「同じツール・同じ条件での過去の自分」と決めておくと、数字に一喜一憂せずにすみます。
どちらの方式を選ぶか|店舗タイプ別の目安

最後に、お店の状況に合わせた選び方の目安を紹介します。ご相談の中でよく見かけるケースをもとにした考え方で、すべてのお店に当てはまるわけではありません。
1地点の計測で足りやすいケース
お客様のほとんどがお店のすぐ近くから来る、競合店が少ない地域で営業している、といった場合は、1地点の計測でも大きな判断ミスにはつながりにくいです。測りたいキーワードが多く、とにかく数を追いたい場合にも1地点の方式が向いています。
ただし、地点はお店の住所ではなく、お客様が検索していそうな場所に置くのがおすすめです。
グリッド計測が向いているケース
駅前や繁華街など競合が多いエリアのお店、車で来るお客様が多く商圏が広いお店、出張や訪問でサービスを提供している業種は、グリッド計測のほうが実態をつかみやすくなります。どの方向のお客様に届いていないのかを知ることが、次の打ち手を決める手がかりになるからです。
複数店舗を運営している場合も、店舗ごとに強い範囲を比べられるため、グリッド計測が役立ちます。
2つの方式を組み合わせる使い方
費用を抑えたい場合は、主要なキーワード1〜2個だけをグリッドで週1回測り、それ以外のキーワードは1地点で追うという組み合わせ方もあります。全体の範囲はグリッドで、細かな変化は1地点でとらえるという分担です。
まずは無料のグリッドチェックで現状を確かめ、そのうえで定点観測の方法を決める進め方も、無駄な出費を防ぐうえで有効です。
関連記事:MEO順位チェックツールは無料でどこまで使える?限界と有料の目安
ツールを選ぶ前に確認したいこと
計測方式の観点から、ツールを選ぶ前に次の点を確かめておくと、導入後に「思っていたのと違う」となりにくくなります。料金やレポート機能など、ほかの比較ポイントもあわせて検討しましょう。
- 計測方式は1地点か、グリッドか(両方選べるか)
- グリッドの場合、格子の数と間隔を自分で決められるか
- 何位まで取得し、圏外をどう表示するか
- 計測の頻度と、過去のデータがどれくらい保存されるか
- 「必ず上位になる」など、順位を約束する表現をしていないか
Googleは、ランキングを上げるための依頼や金銭の受け取りには一切応じていないと説明しています。順位計測ツールはあくまで体温計のような道具であり、ツールを入れるだけで順位が上がるわけではない点も覚えておいてください。
関連記事:MEO順位チェックツールの選び方|無料と有料の違い・比較7項目
access-meoの計測方式
access-meoは、お店を中心にした格子の各地点からGoogleマップの検索結果を取得する、グリッド計測のツールです。無料チェックでは5×5の25地点の順位を、会員登録なしで1回、メールアドレスの登録で3回まで確認できます。
有料プランでは7×7の49地点で、決めた間隔ごとに自動で定点観測を行い、上位の競合店の動きもあわせて記録できます。測る条件を毎回そろえて記録できるので、施策の前後の変化を比べやすくなります。
MEOの順位計測ツールでよくある質問(FAQ)

Q1. 1地点の計測とグリッド計測、どちらの数字が正しいのですか?
どちらも、決めた条件で検索した結果としては正しい数字です。1地点は「その場所から見た順位」、グリッドは「お店の周りの各地点から見た順位の分布」を表しており、答えている質問が違います。
Q2. グリッドの地点数は多いほど良いのですか?
地点が多いほど細かく見えますが、費用や読み取る手間も増えます。まずは5×5程度で全体の傾向をつかみ、弱い方向を詳しく見たくなったら地点を増やす、という順番がおすすめです。
Q3. どのくらいの頻度で計測すればよいですか?
多くのお店では、週に1回から数日に1回程度で十分に傾向をつかめます。日々の小さな上下に振り回されないよう、数週間単位で変化を見るようにしましょう。
Q4. 順位計測ツールを使えば順位は上がりますか?
ツールは現状を測るための道具なので、使うだけで順位が上がるわけではありません。測った結果をもとに、プロフィールの情報整備や口コミ、写真などの改善につなげることで、はじめて意味が出てきます。
Q5. ツールを乗り換えたら順位が変わりました。なぜですか?
地点の指定方法や縮尺、何位まで取得するかなど、計測の条件がツールごとに違うためです。乗り換えた場合は、新しいツールで数週間測った数字を新しい基準として、そこからの変化を見るようにしましょう。
まずは「面」で今の順位を確かめてみましょう
順位計測ツールには、1地点で測る方式と、お店の周りを格子に区切って面で測る方式があります。1地点は手軽で推移を追いやすく、グリッドは商圏のどこまで届いているかを見るのに向いています。
どちらを選ぶ場合も、条件をそろえて測り続け、同じツールの過去の数字と比べることが大切です。数字の上下ではなく、お客様がいる場所で見つけてもらえているかを確かめる道具として使いましょう。
access-meoでは、お店の周り25地点のGoogleマップ順位を、登録不要・無料でチェックできます。計測の設定や結果の読み方でお悩みのときも、お気軽にお問い合わせください。
