値上げ・価格改定をお客様にどう伝えるか|GBP・口コミ・HPの整え方

値上げのお知らせ看板とスマートフォンの地図ピンが並ぶ店舗のイメージイラスト

原材料費や人件費、光熱費の上昇が続くなか、「そろそろ価格を見直さないと店が回らない」と感じている経営者の方は多いと思います。一方で、値上げを知ったお客様が離れてしまわないか、悪い口コミを書かれないかと、不安で踏み切れないという声もよく耳にします。

実は、値上げそのものよりも「伝え方」と「情報のそろい方」が、お客様の受け止め方を大きく左右します。Googleマップ上のメニューや価格、ホームページ、店内の掲示がバラバラのままだと、来店したお客様が「聞いていた値段と違う」と感じ、不満が口コミに表れやすくなるためです。

この記事では、値上げ・価格改定をお客様にどう伝えるかを、告知前の準備、Googleビジネスプロフィール(GBP)での伝え方、ホームページや店内との整合、口コミへの向き合い方、避けたい表現の順に整理します。

執筆は、全日本SEO協会認定のSEOコンサルタントで、中小企業のWeb制作やSEO・MEO支援に携わってきた三田健司です。日々の情報発信の考え方も、あわせてお伝えします。

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目次

値上げの告知で、お客様の信頼が決まる理由

拡声器とお知らせ看板が並ぶ店舗の、価格改定の告知のイメージイラスト

お客様が引っかかるのは「金額」より「知らされていないこと」

価格が上がること自体は、物価の動きが報じられている今、多くのお客様が一定程度は理解してくれるものです。不満につながりやすいのは、会計の場で初めて価格を知らされた、あるいは以前と比べて何も説明がなかったという「驚き」の部分です。

私の支援現場でも、値上げ後に評価が下がる店は、金額の大きさよりも告知の不足が背景にあるケースが目立ちます。事前に知っていたお客様は、価格を受け入れやすいというのが実感です。

地図で調べるお客様は、来店前に価格を確認している

Googleマップで店を探すお客様は、写真やメニュー、口コミを見比べて、来店前に店を決めています。そのため、地図上の情報と実際の価格が食い違っていると、来店後の期待外れにつながります。

値上げの告知は、店内の掲示だけで完結しません。お客様が最初に目にする場所から順に整えていくという発想が大切です。

中立的な言葉で、理由を客観的に伝える

値上げ告知の解説では、「値上げ」より「価格改定」「料金の見直し」といった中立的な表現を使うこと、原材料費の高騰や人件費の上昇といった客観的な事実を示すことが、納得感を高めるとされています。コスト削減の努力をしてきたこと、それでも維持が難しくなったことを丁寧に説明する姿勢が重要です。

ただし、理由を並べすぎると言い訳に聞こえることもあります。伝えたい理由は二つか三つに絞り、お客様への感謝を最初に置くのが基本です。

値上げは「お客様との約束を更新する」こと

価格は、店とお客様が結ぶ約束の一部です。その約束を変えるのですから、変更の内容と時期、そして「これからも良いものを提供し続ける」という意思をセットで伝える必要があります。

私は、値上げの告知を、店の価値をもう一度伝え直す機会だと捉えるようお勧めしています。価格の理由を語ることは、店の強みを語ることにもなります。

告知の前に決めておく4つのこと

チェックリストを手にした店員と来店客が並ぶ、告知前の準備のイメージイラスト

改定の内容と実施日を確定させる

告知を始める前に、どのメニューをいくらからいくらにするのか、いつから適用するのかを、紙に書き出して確定させます。内容が曖昧なまま告知を始めると、スタッフごとに説明が違ってしまい、お客様を混乱させます。

一部のメニューだけを改定する場合も、「変わるもの」と「変わらないもの」を分けて整理しておくと、お客様への説明がずっと簡単になります。

告知を始めるタイミングの目安を決める

一般的な目安として、店舗型の商売では、実施の30日から60日前に告知を始めるのが良いとされています。お客様に心の準備をしてもらう期間が必要なためです。

予約を事前に受け付けている店や、回数券・コースを販売している店は、さらに早めの案内が求められます。すでに支払い済みのサービスの扱いも、あらかじめ決めておきましょう。

スタッフ全員が同じ説明をできるようにする

お客様から「なぜ値上げしたの?」と聞かれたとき、スタッフによって答えが違うと、不信感が生まれます。理由と、お客様への感謝、今後も変わらない点を、三文程度の短い説明にまとめ、全員で共有しておきます。

声かけの練習を一度しておくだけでも、現場の安心感は大きく変わります。答えにくい質問が出たときは、無理に答えず店主に引き継ぐというルールも決めておくと安全です。

予約・コース・回数券がある店は、既存分の扱いを明示する

すでに予約を受けている分や、購入済みの回数券・コース料金をどう扱うかは、トラブルになりやすい点です。「実施日以前のご予約は旧価格で承ります」のように、ルールをはっきり文章にしておきましょう。

ルールを告知文と予約ページの両方に載せておけば、お客様もスタッフも迷いません。判断に迷う契約上の扱いは、専門家にご相談ください。

表示の誤りを防ぐため、価格の表示ルールを確認する

消費者向けの価格表示では、原則として消費税を含んだ総額での表示が求められるとされています。値上げのタイミングで、税込み価格の計算違いや、表示の更新漏れが起きやすくなります。

また、旧価格と新価格を並べて見せる二重価格の表示は、内容によっては景品表示法上の不当表示と判断されるおそれがあります。表示の細かな要件は、国税庁や消費者庁の公式情報で確認し、不安なときは専門家にご相談ください。

常連のお客様には、直接ひとこと伝える

毎週のように来てくれる常連のお客様には、GBPやSNSの告知を見てもらうだけでなく、来店時に一言添えると丁寧です。「来月から少し価格が変わるのですが、これからもよろしくお願いします」のような短い声かけで十分です。

直接聞いたお客様は、価格を知ったうえで来店を続けてくれるため、会計時のトラブルも起きにくくなります。長年のお客様ほど、店の姿勢を見ていると考えておきましょう。

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GBP(Googleビジネスプロフィール)での伝え方

スマートフォンの画面に投稿が表示された店舗のイメージイラスト

「最新情報」の投稿で、事前にお知らせする

GBPの投稿には「最新情報」「特典」「イベント」の3種類があり、価格改定のお知らせは、事業に関する情報を共有できる「最新情報」が向いています。種類の違いは、GBP投稿の3タイプの使い分けで詳しく整理しています。

投稿には、改定の時期と対象、お客様への感謝を、短い文章でまとめます。実施日の約1か月前に一度投稿し、直前にもう一度お知らせするという二段構えにすると、見落としが減ります。

投稿の掲載期間と、載せてはいけない内容に気をつける

Googleのヘルプによると、期間を設定していない投稿は、6か月が経過するとアーカイブされます。値上げのお知らせは、実施後も一定期間は残し、その後に整理するのが自然です。

また、投稿の説明文に電話番号を含めると、内容が承認されないことがあるとされています。電話での問い合わせ先は、プロフィールの電話番号欄に任せ、投稿の文章には書かないようにしましょう。

メニュー・商品・サービスの価格を実施日に合わせて更新する

GBPにメニューや商品、サービスの価格を登録している場合は、実施日に合わせて内容を書き換える必要があります。飲食店のメニュー登録については、飲食店のGoogleメニュー登録の記事も参考にしてください。

更新を忘れると、お客様は地図上の古い価格を見て来店します。実施日の朝に更新する担当者と、確認する担当者を決めておくと、うっかりを防げます。

お知らせ投稿の文面例

文面の骨組みは、感謝、変更内容と実施日、理由、今後の姿勢の四つです。

たとえば「いつもご利用ありがとうございます、〇月〇日より一部メニューの価格を改定いたします、仕入れ価格や人件費の上昇により現在の価格での維持が難しくなったためです」と伝え、最後に「これからも変わらぬ品質でお迎えいたします」と結びます。

日付や金額は、実際の内容に置き換えてください。改定の詳細はホームページの価格表へ誘導すると、読みやすくなります。

ビジネスの説明文や写真も、必要に応じて見直す

ビジネスの説明文に「リーズナブルな価格」といった表現が入っている場合は、改定後の実態に合っているかを確認します。実際の価格とのズレが、期待外れの原因になることがあるためです。

メニュー表の写真も、古い価格が写ったままになっていないか見直しましょう。写真は一度載せると忘れがちなので、価格改定のたびに点検する習慣をつけておくと安心です。

ホームページ・店内・SNSの情報をそろえる

スマートフォンの上に店舗と鉛筆と時計が浮かぶ、情報更新のイメージイラスト

ホームページは「最初に更新する場所」にする

店のホームページは、価格の正式な情報源です。GBPの投稿やSNSで告知する前に、ホームページに価格改定のお知らせと、新しい価格表を載せておきましょう。

ホームページと地図の役割分担については、店舗ホームページはMEO時代に必要かで解説しています。

店内の掲示とレジ周りの案内も同じ文言にする

店頭や店内の貼り紙、レジ脇のメニュー表、予約ページの料金表など、お客様の目に触れる場所は意外とたくさんあります。更新の抜けがないよう、チェックリストを作って一つずつ確認しましょう。

文言も揃えておくと、どこで見ても同じ説明になり、お客様が安心します。貼り紙は、手書きより印刷した読みやすいものにするほうが、店の姿勢が伝わります。

SNSやLINEで届ける時は、短く丁寧に

SNSやLINEなどで告知する場合は、長い説明は読まれにくいので、要点を短くまとめ、詳しい内容はホームページに誘導するのが基本です。感謝の言葉を最初に置き、変更点を箇条書きではなく、短い文章で伝えます。

フォロワーや友だちには、常連のお客様が多く含まれます。常連の方への一言を添えるだけで、受け取られ方が変わります。

店名・住所・電話番号の整合も、あわせて確認する

価格改定のタイミングで情報を見直すなら、店名・住所・電話番号の表記も一緒に点検しましょう。基本情報のズレは、お客様の混乱だけでなく、地図上の評価にも悪い影響を与えるおそれがあります。

表記の揃え方は、NAP統一の手順の記事で詳しく解説しています。

値上げ後の口コミと向き合う

吹き出しと星に囲まれた接客カウンターで話す2人のイメージイラスト

価格に触れた低評価が付くのは、ある程度想定しておく

値上げ後は、「高くなった」「前の方がよかった」といった口コミが付くことがあります。想定しておけば、慌てず落ち着いて対応できます。

こうした口コミは、価格に関する率直な声として受け止め、改善のヒントとして読み返しましょう。消してほしいと考えても、規約違反に当たらない口コミは削除できません。

反論せず、価格を改定した理由と感謝を伝える

返信では、まず来店への感謝を伝え、価格改定の理由を短く説明します。お客様の意見を否定せず、受け止める姿勢を示すのがコツです。

返信の基本的な書き方は、Google口コミへの返信のコツと例文をご覧ください。感情的な反論は、ほかのお客様にも見られていることを意識しましょう。

「価格に見合う価値があった」という声を増やす

値上げ後に大切なのは、価格以上の満足を感じてもらうことです。接客の質、提供のスピード、清潔感など、小さな点の積み重ねが、「この値段なら納得」という口コミにつながります。

満足してくれたお客様には、自然な流れで口コミをお願いしてみるのも一つの方法です。ただし、特典と引き換えに依頼したり、内容を指示したりすることは、Googleのポリシーで禁止されています。

口コミを読み返して、告知の改善点を見つける

値上げ後の1か月から2か月は、口コミを意識して読み返しましょう。「聞いていなかった」という声が多ければ、告知の方法や時期に改善の余地があります。

次に価格を見直すときの教訓として、気づいた点を記録しておくと役立ちます。記録は、店のノウハウとして蓄積されていきます。

値上げ告知でやりがちなNG例

スマートフォンと店舗、注意を促す表示のイメージイラスト

内容量を減らして価格だけ据え置く、いわゆるステルス値上げ

量や品質を落としているのに、価格を据え置いて何も伝えない対応は、あとで気づかれたときに大きな不信感を招くおそれがあります。価格を上げるなら、きちんと告知することが信頼維持のカギです。

どうしても量を変える場合も、変更内容を正直に伝えたほうが、結果としてお客様の離反を防げます。

告知なしで、ある日突然価格を変える

告知期間をまったく設けずに価格を変えると、お客様は不意打ちを受けたように感じます。常連のお客様ほど、価格の変化には敏感です。

やむを得ず急な改定になる場合は、せめて店頭と地図上の両方で、できるだけ早く理由を伝えましょう。

旧価格との比較で値引きに見せる表示

実際には値上げなのに、「通常価格」と称した高い金額と並べて安く見せるといった表示は、不当表示とされるおそれがあります。お客様をだますような表現は、長い目で見て店の信用を損ないます。

表示の判断に迷う場合は、消費者庁の情報を確認し、必要に応じて専門家にご相談ください。

口コミの書き換えや削除を、お客様に頼む

価格に不満を書いたお客様に、取り下げを頼んだり、見返りを提示したりするのは避けましょう。口コミに関するポリシーで、金銭や割引などのインセンティブは禁止されています。

お客様との関係は、返信欄で誠実に対応することで築いていくのが基本です。

よくある質問

カウンターで応対する2人とチェックリストのよくある質問のイメージイラスト

Q1. 値上げを告知すると、お客様は離れてしまいますか?

離れるお客様がゼロとは言い切れませんが、事前の説明があるほうが、受け入れてもらいやすいのが一般的な傾向です。理由と感謝を丁寧に伝え、価格に見合う価値を提供し続けることが、離反を最小限にする近道です。

お客様の反応は、業種や客層によっても変わります。最初は一部のメニューだけを改定して様子を見るという進め方もあります。

Q2. GBPの投稿で価格を載せてもいいですか?

投稿に価格を記載すること自体は可能ですが、投稿の掲載期間や、電話番号を含めると承認されない場合がある点に注意が必要です。長期間載せたい価格は、メニューや商品、サービスの欄に登録するほうが適しています。

投稿はお知らせ、価格表はメニュー欄というように役割を分けると、整理しやすくなります。

Q3. 告知はどれくらい前から始めるのがよいですか?

店舗型の商売では、実施の30日から60日前が一つの目安です。予約制の店や、回数券・コースを扱う店は、さらに余裕を持って案内しましょう。

ただし、これはあくまで一般的な目安です。業種や商習慣に合わせて、無理のない期間を設定してください。

Q4. 値上げ後に口コミの評価が下がった時は、どうすればよいですか?

まずは落ち着いて、書かれた内容を確認しましょう。事実と異なる点や、規約違反に当たる内容がある場合は、Googleへ報告する方法がありますが、ただの不満であれば、返信で丁寧に対応するのが基本です。

同時に、満足してくれたお客様の声が自然に集まる環境を整えていくことで、全体の印象は少しずつ改善していきます。

Q5. 古い価格が地図に残っている時の対処法は?

GBPのメニューや商品の欄、投稿、写真を順に見直し、古い価格が残っていないか確認します。ホームページや外部サイトに古い情報が残っている場合も、順に更新していきましょう。

どこから手を付けていいかわからないときは、専門家にご相談ください。

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価格改定のお知らせを出す前に、まず自店がGoogleマップ上でどのように見えているのかを把握しておくことが大切です。access-meoでは、あなたのお店のGoogleマップ順位を無料でチェックできます。

現状を客観的に確認したうえで、価格改定の伝え方や情報の整え方を一緒に考えていきましょう。

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この記事を書いた人
三田健司
三田健司
access-meo 開発・運営/株式会社アクセス・リンク 代表取締役

全日本SEO協会認定SEOコンサルタント。Webサイト制作・SEOを10年以上、延べ1,000件以上支援してきた実績をもとに、Googleマップ・ローカル検索(MEO)での集客を可視化し、改善まで後押しする支援ツール「access-meo」を開発・運営しています。個人事業主や中小企業の店舗集客をサポートします。

(社)全日本SEO協会 認定SEOコンサルタント

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