「口コミを見ていたら、『ローカルガイド』のバッジが付いた人が、写真つきで詳しく書いてくれていた。ああいう人にもっと書いてもらえたら、お店の信頼が上がるのではないか」。そう感じた経営者の方は少なくないと思います。
実際、ローカルガイドは口コミや写真の投稿に慣れた利用者で、その投稿はほかのお客様にも参考にされやすい存在です。ただし「ローカルガイドの人だけに書いてもらう」「ローカルガイドを名指しでお願いする」といったことは、現実的にも規約上もできません。
この記事では、ローカルガイドの仕組みを整理したうえで、店側が規約の範囲内でできる環境づくりを、写真、情報の正確さ、口コミ導線、書いてもらった後の対応の順に解説します。
執筆は、全日本SEO協会認定のSEOコンサルタントで、中小企業のWeb制作やSEO・MEO支援に携わってきた三田健司です。ローカルガイドそのものの基本はローカルガイドとは?口コミの信頼度と順位への影響を解説した記事で扱っているため、こちらは「店側として何ができるか」に絞ってお伝えします。
ローカルガイドの仕組みを店側の視点で整理する

ローカルガイドとは、どんな利用者のことか
ローカルガイドは、口コミや写真の投稿、場所情報の編集などでGoogleマップに貢献する利用者のプログラムです。貢献の内容に応じてポイントが貯まり、レベルとバッジが与えられます。
参加に特別な資格は必要なく、利用者が自分の意思で参加しています。つまり、ローカルガイドは店側が選べる属性ではなく、利用者側の状態を指す言葉だと理解しておくと整理しやすくなります。
ポイントとレベルの仕組み(Googleヘルプの記載)
Googleマップのヘルプによると、口コミは1件10ポイントで、200文字を超える口コミにはボーナスとして10ポイントが加わります。星だけの評価は1ポイント、写真は1枚5ポイント、動画は1本7ポイント、情報の編集は1件5ポイント、場所の追加は1か所15ポイントと案内されています。
レベルは1から10まであり、レベル2は15ポイント、レベル3は75ポイント、レベル4は250ポイント、レベル5は500ポイントと段階的に上がります。最高のレベル10は10万ポイントで、投稿してからポイントがプロフィールに反映されるまでには、最長で24時間ほどかかるとされています。
バッジや特典は何のためにあるのか
ヘルプでは、レベル4以上になるとバッジが表示されると案内されています。特典としては、新機能への早期アクセスや、特別なイベントへの招待などが挙げられています。
これらは利用者に向けた仕組みであり、店に対して報酬が発生するものではありません。多くの利用者は、便利な情報を共有したい、行った記録を残したいといった気持ちで投稿している、というのが私の支援現場での実感に近いところです。
なぜ「ローカルガイドの口コミ」が気になるのか
ローカルガイドの口コミは、詳しい文章や写真が添えられていることが多く、ほかのお客様にとって読み応えのある情報になりやすい傾向があります。参考にされやすい口コミが増えること自体は、店にとって大きな価値です。
一方で、ローカルガイドの口コミが検索順位を直接押し上げるという公式な説明は、Googleからは示されていません。順位のためにローカルガイドを狙うという発想は、いったん手放してよいでしょう。
「ローカルガイドに書いてもらう」は狙ってできるのか

特定の利用者だけを選んで依頼することはできない
Googleのビジネスプロフィールには、特定の利用者を選んで口コミを依頼する機能はありません。店側が用意できるのは、口コミ用のリンクやQRコードを共有し、来店したお客様が自発的に書ける状態にするところまでです。
口コミを書いた人がローカルガイドかどうかは、投稿された後に表示で分かるだけです。依頼する段階で見分けることはできない、と考えてください。
口コミの謝礼や特典は禁止されている
Googleマップの口コミに関するポリシーでは、口コミの投稿と引き換えに、金銭や割引、無料の商品・サービスといったインセンティブを提供することが禁止されています。ローカルガイドだから特別に謝礼を出してよい、という例外は示されていません。
特典を絡めた依頼は、口コミの削除やプロフィールへの影響につながるおそれがあります。規約と景品表示法の考え方は、Google口コミ依頼で特典はOK?規約と景表法の注意点で詳しく整理しています。
その場で書くよう強く求めることもNG
同じポリシーには、その場で評価や口コミを書くよう要求したり、強要したりする行為も禁止されていると示されています。特定の内容を含めるよう促すことも認められていません。
一方で、実際に利用した人に体験の投稿をお願いすること自体は、許容されています。お願いはしてよいが、強要や誘導はしないという線引きを、スタッフ全員で共有しておくことが大切です。
ローカルガイドの知り合いに頼むのはどうか
現在または過去の雇用関係、契約関係、顧問関係にある人の投稿は、利益相反として禁止の対象になっています。ローカルガイドであっても、店との関係が深い人が書いた口コミは、規約上のリスクになりえます。
たとえ悪意がなくても、同業者や取引先と互いに書き合う関係は、外から見れば不自然に映ります。ローカルガイドの知り合いだからという理由で、依頼のルールを緩めることはしないでください。
ローカルガイドが「書きたくなる店」に共通するもの

ここからは、店側が働きかけられる「環境づくり」の話です。なお、これらはローカルガイドを呼び込むための裏技ではなく、来店したすべてのお客様にとって、口コミを書きやすい店にするための考え方です。
私の支援現場での傾向であり、Googleが公式に示した条件ではないことも、あらかじめお伝えしておきます。
体験を具体的に語れる場面がある店
口コミは、書く材料がある店に集まります。料理や施術、接客、店内の雰囲気など、印象に残る場面がある店では、自然と具体的な口コミが増えやすくなります。
特別なサービスを増やす必要はありません。たとえば、注文を受けたときに一言添える、待ち時間の目安を先に伝えるなど、小さな配慮の積み重ねが、口コミの材料になります。
写真を撮りたくなる場面がある店
ローカルガイドの仕組みでは、写真の投稿にもポイントが付くため、撮影して共有する利用者が多いのは自然なことです。撮影しやすい環境があれば、お客様が投稿する写真も増えていきます。
撮影を控えてほしい場所がある場合は、その範囲と理由をわかりやすく掲示しておきましょう。撮ってよい場所を示しておくと、お客様が迷わず、店側の心配事も減ります。
情報が正確で、現地と食い違いがない店
ローカルガイドには、場所の情報を確認したり、誤りを報告したりする活動もあります。営業時間や電話番号がGoogleマップ上で古いままだと、現地とのズレを見つけた利用者が、修正を提案することがあります。
意図しない書き換えを防ぐためにも、営業時間や臨時休業の情報は、日頃から最新に保っておくのが安全です。情報が正確な店は、来店したお客様の期待とのズレも小さく、口コミの内容も前向きになりやすくなります。
「長く書いてほしい」と頼むのは避ける
200文字を超える口コミには追加のポイントがあると知ると、長文を頼みたくなるかもしれません。しかし、文字数やポイントを話題にして書き方を促すことは、内容への誘導にあたるおそれがあるため、避けるのが無難です。
店側にできるのは、語りたくなる体験をつくることまでです。書く量や内容は利用者に任せる姿勢を保ってください。
誰でも書きやすい口コミ導線を整える

口コミ用のリンクとQRコードを用意する
Googleのビジネスプロフィールでは、口コミをリクエストするためのリンクやQRコードを作成できます。お客様がスマートフォンで読み取るだけで、口コミの投稿画面に移動できるようになります。
QRコードの作り方や設置場所は、Google口コミQRコードの作り方に詳しくまとめています。ここでは、ローカルガイドかどうかに関係なく、すべてのお客様に同じ導線を用意する点を押さえてください。
依頼のタイミングは満足を実感した直後
依頼が最も自然なのは、お客様が満足を実感した直後です。会計のとき、施術が終わったとき、商品をお渡ししたときなど、「ありがとうございました」と伝える流れの中で、一言添えます。
タイミングを店内で決めておくと、スタッフの迷いが減り、声かけが習慣になります。忙しい時間帯に無理をして声をかけるより、落ち着いたタイミングを狙うほうが、お客様の受け止め方もやわらかくなります。
お願いの文面は「内容を指定しない」
「ご感想をお聞かせいただけたらうれしいです」のように、内容を指定しない文面が安全です。「星5でお願いします」「〇〇について書いてください」といった表現は、内容の誘導になるため使わないでください。
スタッフが声かけに慣れていない場合は、口コミ声かけ台本の作り方が役に立ちます。断られても気まずくならない言い方をあらかじめ決めておくと、続けやすくなります。
依頼の対象を選別しない
満足していそうなお客様にだけ声をかける運用は、一見効率的に思えます。しかし、口コミの評価が偏りやすくなり、実際の店の姿から離れた印象を与えるおそれがあります。
不満を抱えたお客様の声は、店の改善に役立つ大切な情報です。まずは来店したすべてのお客様に、同じ導線と同じ声かけを用意するところから始めましょう。
書いてもらえない時は、導線そのものを見直す
導線を用意しても口コミが増えない場合は、QRコードの置き場所や大きさ、声かけの回数、案内文のわかりやすさなど、見直せる点がいくつもあります。読み取りにくい位置に置いていたことが原因だった、というケースは珍しくありません。
見直しは、原因を一つずつ切り分けて進めるのがコツです。変更した点と時期を記録しておくと、どの工夫が効果的だったのかを後から振り返れます。
ローカルガイドを意識するあまりやりがちなNG行為

投稿者に個別連絡して依頼する
口コミを投稿した人のプロフィールから連絡先を探して、個別に依頼するといった行為は、プライバシーの面でも、お客様との信頼の面でも避けるべきです。知られたくない情報を辿られたと感じれば、店のイメージを大きく損ないます。
口コミへの返信が、Googleが用意している店側からの基本的な窓口です。お客様との接点は、返信欄と来店時の会話にとどめておくのが安全です。
ローカルガイド向けの特典を店独自に用意する
「ローカルガイドの方は割引」といった特典は、口コミの投稿を条件にしていなくても、実質的に口コミへの対価とみなされるおそれがあります。口コミの投稿と結びつけて疑われる特典は出さないのが安全です。
特典の設計に迷う場合は、専門家にご相談ください。景品表示法などの法律が関わる場面もあります。
口コミの文案を用意する・書き方を指示する
口コミの文案を渡したり、書き方を細かく指示したりする行為は、実体験に基づかない投稿につながるおそれがあります。実体験に基づく内容であることが、口コミに関するポリシーの前提です。
有償で口コミを投稿するサービスへの依頼はもちろん、社内で口裏を合わせて書く行為も、削除やプロフィールへの影響の対象になりえます。
低評価の口コミを消すために働きかける
厳しい口コミが付いたとき、書いた人に取り下げをお願いしたくなる気持ちは理解できます。しかし、取り下げと引き換えに何かを提供することは、インセンティブの禁止に触れます。
ポリシー違反に当たる口コミであれば、Googleへ報告する正規の手段があります。それ以外の口コミには、丁寧に返信し、改善に活かす姿勢で向き合いましょう。
ローカルガイドを含む口コミへの返信と活かし方

まずは感謝を伝える
返信では、書いてくれたことへの感謝を最初に伝えます。投稿者がローカルガイドかどうかにかかわらず、丁寧に読んだことが伝わる返信は好印象につながります。
口コミに返信すると、投稿したユーザーには通知が届きます。返信の書き方と例文は、Google口コミへの返信のコツと例文をご覧ください。
写真や具体的な内容に触れて返す
詳しい口コミや写真が添えられている場合は、その内容に具体的に触れて返信しましょう。「お料理の写真まで載せていただき、ありがとうございます」のように、投稿を見たことが伝わる一言が効果的です。
定型文の使い回しは、投稿に慣れた利用者ほど気づきやすいものです。その口コミならではの言葉を一つ入れるだけでも、印象は大きく変わります。
ローカルガイドだからと特別扱いしない
返信の内容や速さを、投稿者がローカルガイドかどうかで変えないほうが安全です。特別扱いは、ほかのお客様との不公平感を生み、店の方針のぶれにもつながります。
返信の方針を文章にして、社内で共有しておきましょう。担当者が変わっても、対応の質が安定します。
口コミから改善点を拾い、次の体験に活かす
詳しい口コミは、店の強みや改善点を知る貴重な材料になります。月に一度、口コミを読み返して、繰り返し出てくる言葉をメモしておくとよいでしょう。
改善した点を店内の掲示や投稿で伝えると、お客様の声を聞いて動いている店だという印象が育ちます。この積み重ねが、次の口コミにつながっていきます。
よくある質問

Q1. ローカルガイドの口コミは、順位に有利になりますか?
ローカルガイドの口コミが順位に有利になるという公式な説明は、Googleから示されていません。Googleは、ローカル検索の順位を、関連性、距離、知名度などの要素から決めると案内しています。
順位を意識するなら、ローカルガイドを狙うよりも、情報の正確さと口コミの継続的な獲得に力を注ぐほうが確実です。
Q2. 来店したお客様がローカルガイドかどうか、店側で見分けられますか?
来店の時点で見分けることは、基本的にできません。口コミが投稿された後に、投稿者のプロフィールやバッジの表示で分かる程度です。
そのため、依頼の方法は、ローカルガイドかどうかにかかわらず、すべてのお客様に共通にしておくのが自然です。
Q3. 写真を投稿してもらうお願いは、していいですか?
写真の投稿も、口コミと同じ考え方です。撮影してよい場所を案内する、写真を投稿できることを控えめに伝えるといった働きかけは問題になりにくい一方、投稿と引き換えの特典は避けてください。
投稿された写真の扱いに困ったときは、別の記事で扱っている削除依頼の考え方もあわせてご確認ください。
Q4. ローカルガイドの口コミなら、ポリシー違反でも削除されにくいですか?
ポリシー違反の口コミは、投稿者のレベルにかかわらず、報告や審査の対象になります。レベルが高いことで例外になると案内されているわけではありません。
違反が疑われる口コミがあれば、事実を整理したうえでGoogleへ報告し、それ以外の口コミには丁寧に返信する、という対応が基本です。
Q5. 口コミがなかなか増えない時は、何から手を付けるべきですか?
まずは、営業時間や電話番号などの基本情報を最新に整え、次に、口コミ用のリンクやQRコードを来店客の目に触れる場所に置きます。そのうえで、スタッフの声かけを習慣にする、という順番がおすすめです。
状況によって最適な進め方は変わります。店の規模や業種に合わせた設計が必要な場合は、専門家にご相談ください。
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口コミの導線を整える前に、まず自店がGoogleマップ上でどのように見えているのかを把握しておくことが大切です。access-meoでは、あなたのお店のGoogleマップ順位を無料でチェックできます。
現状を客観的に確認したうえで、口コミの集め方や返信の運用を一緒に整えていきましょう。
