Googleマップで見つけて来てくださったお客様が、その後なかなか戻ってこない。店舗のオーナーから、こうしたお悩みをよく伺います。
MEO(Googleマップでの集客)は、お店を「初めて知ってもらう」ことに強い施策です。一方で、一度来てくださった方に「また行こう」と思い出してもらう仕組みは、別に用意しておく必要があります。
その役割を担いやすいのが、LINE公式アカウントです。この記事では、Googleビジネスプロフィール(以下、GBP)とLINE公式アカウントをどうつなげば、地図で見つけた人を再来店につなげられるのかを、手順と注意点に分けて解説します。
執筆は、全日本SEO協会認定のSEOコンサルタントで、中小企業のWeb制作やSEO・MEO支援に携わってきた三田健司です。現場でご相談の多い「つなぎ方」と「やりすぎない運用」を中心にまとめました。
本記事は、2026年10月時点のGoogle公式ヘルプとLINEヤフーの公開情報をもとにしています。仕様や料金は変わることがあるため、最新の内容は各社の公式ページでご確認ください。
地図で見つけた人を「一度きり」にしない|MEOとLINEの役割分担

MEOは「新しいお客様」、LINEは「2回目以降」が得意
Googleマップで「近くのカフェ」「駅前 美容室」などと検索する人は、まだお店を知らない人が中心です。MEOは、こうした新しいお客様に見つけてもらうための入口として働きます。
一方、LINE公式アカウントは、友だち追加してくれた人にメッセージを届けられる仕組みです。つまり、すでにお店を知っている人との関係を続けることに向いています。
この2つは競合するものではなく、「見つけてもらう」と「思い出してもらう」の分担だと考えると整理しやすくなります。
なぜ再来店の仕組みが必要なのか
新しいお客様を増やす施策だけに頼ると、毎月ゼロから集客をやり直すことになりがちです。季節や天候、競合店の動きによって来店数が大きく上下し、経営が安定しにくくなります。
一度来てくださった方は、お店の雰囲気や味、接客をすでに知っています。そのため、案内が適切なタイミングで届けば、初めての方よりも来店の判断がしやすい傾向があります。
もちろん、すべての人が戻ってくるわけではありません。それでも「思い出してもらう機会」を持っておくことは、集客の土台を厚くするうえで大切です。
地図検索から再来店までの流れを一枚の図にする
まずは、お客様の動きを順番に書き出してみましょう。地図で見つける、プロフィールを見る、来店する、友だち追加する、メッセージを受け取る、再来店する、という流れです。
この流れのどこで人が離れているかを考えると、手を入れるべき場所が見えてきます。たとえば、来店者は多いのに友だちが増えない場合は、店頭での案内に課題があるかもしれません。
逆に、友だちは多いのに再来店が少ない場合は、配信の中身や頻度を見直す余地があります。全体を一度に完璧にする必要はなく、詰まっている箇所から順に整えていけば十分です。
現場でよく見る「つながっていない」状態
ご相談を受けて実際の運用を拝見すると、GBPとLINEがそれぞれ単独で動いているケースが少なくありません。GBPは丁寧に更新しているのに、プロフィールのどこにもLINEの案内がない、といった状態です。
反対に、LINEの配信は頑張っているものの、友だちの多くが常連客だけで、新しく地図から来た人が登録していないこともあります。2つの施策を「導線」でつなぐことが、この記事のテーマです。
GoogleビジネスプロフィールからLINEへつなぐ導線

GBPのソーシャルリンクにLINEは含まれていない
GBPには、SNSのリンクをプロフィールに追加できる機能があります。Googleのヘルプでは、対象としてFacebook、Instagram、LinkedIn、Pinterest、TikTok、X、YouTubeが挙げられています。
2026年10月時点で、この一覧にLINEは含まれていません。そのため、ソーシャルリンク欄にLINEのURLを登録する方法は使えないと考えておきましょう。
なお、ソーシャルリンクは一部の地域でのみ利用できる機能とされており、表示されないこともあります。SNSリンクの設定方法そのものは、次の記事で詳しく解説しています。
GoogleビジネスプロフィールにSNSリンクを設定する方法
いちばん確実なのは「ホームページ経由」の導線
現実的で安定しやすいのは、GBPのウェブサイト欄に登録したホームページに、LINEの友だち追加ボタンを設ける方法です。プロフィールからホームページへ移った人が、そこでLINEに登録できるようにします。
ホームページのトップや予約ページ、アクセスページなど、来店を考えている人が見る場所に置くのが効果的です。スマートフォンで見たときに、ボタンが画面の下の方に埋もれていないかも確認しておきましょう。
ボタンの近くには、「友だち追加で何が届くのか」を一言添えると、登録の理由が伝わりやすくなります。たとえば「空き状況のお知らせ」「季節メニューのご案内」などです。
投稿機能で友だち追加を案内する
GBPの投稿(最新情報)には、リンク付きのボタンを追加できます。Googleのヘルプでは、予約やオンライン注文、詳細確認などのためにウェブサイトを開く使い方が例として示されています。
この投稿で「LINEで空き状況をお知らせしています」と案内し、ボタンの先をホームページのLINE案内ページにする方法があります。投稿は審査を経て公開され、ポリシーに反すると不承認になる点は覚えておきましょう。
投稿の具体的な書き方や頻度については、別の記事で詳しく紹介しています。
Googleビジネスプロフィールの投稿機能で来店を後押しする使い方
GBPのチャット機能は終了している
以前は、GBPにお客様とメッセージをやり取りできるチャット機能がありました。しかし、この機能は2024年7月に提供が終了しています。
そのため、地図から問い合わせを受ける手段は、電話やウェブサイト、予約リンクなどが中心になりました。来店後のやり取りをLINEで受け持つ意味は、以前より大きくなっているといえます。
プロフィールの説明文や写真での案内は控えめに
GBPの説明文に、友だち追加を強く促す文言やURLを並べるのはおすすめしません。説明文はお店の内容を伝える欄であり、宣伝色の強い書き方はガイドライン上の問題になるおそれがあります。
写真も同様で、LINEのQRコード画像だけを投稿するのは、プロフィールを見る人にとって役に立ちにくいものです。店内や商品の写真のなかに、QRコードの案内が自然に写っている程度にとどめましょう。
来店時に友だち追加してもらう仕組み

いちばん登録が増えやすいのは「店内」
現場の感覚として、友だちがもっとも増えやすいのは、お客様が店内にいるタイミングです。料理を待っている間や、会計のときなど、少し時間があるときに案内すると登録につながりやすくなります。
レジ横やテーブル、待合スペースに、QRコード付きのPOPを置いておきましょう。小さすぎるQRコードは読み取りにくいため、スマートフォンをかざしやすい大きさと高さを意識してください。
スタッフのひと言が登録率を左右する
POPを置くだけでは、気づかれないことも多いものです。会計時にスタッフが「LINEで空き状況をお知らせしています」と一言添えるだけで、反応が変わることがあります。
このとき大切なのは、お客様にとってのメリットを短く伝えることです。「登録お願いします」だけでは、登録する理由が伝わりません。
声かけの文言は、スタッフ全員で同じものを使えるように決めておくと、案内の質がそろいます。忙しい時間帯は無理をせず、落ち着いたタイミングで案内するルールにしておくと続けやすくなります。
友だち追加特典は「口コミ」と切り離して設計する
友だち追加のきっかけとして、次回使えるクーポンなどの特典を用意するお店は多くあります。友だち追加そのものへの特典は、一般的な販促として広く行われています。
ただし、「口コミを書いてくれたら特典」と組み合わせるのは避けてください。Googleのポリシーでは、口コミの投稿と引き換えに割引や無料の商品などを提供する行為が禁止されています。
友だち追加の特典と、口コミのお願いは、まったく別のものとして扱いましょう。この点は後半のセクションで詳しく説明します。
LINEのショップカードやクーポンを活用する
LINE公式アカウントには、ポイントカードのように使えるショップカードや、クーポンの機能があります。紙のスタンプカードをなくしてしまうお客様にとっては、スマートフォンで管理できる点が便利です。
来店のたびにポイントがたまる仕組みは、再来店のきっかけをつくるうえで役立ちます。特典の内容は、利益を圧迫しない範囲で、無理なく続けられるものに設定しましょう。
業種別の案内のしかたの例
飲食店であれば、季節メニューや限定メニューのお知らせを登録の理由にしやすいです。美容室やサロンであれば、空き枠の案内や、前回の施術から時間がたった頃のお知らせが喜ばれることがあります。
整体や治療院、クリニックなど医療・健康に関わる業種では、表現に法律上の制限がかかる場合があります。配信内容に不安があるときは、業界団体や専門家にご相談ください。
工務店やリフォーム店のように来店頻度が低い業種では、点検の時期やメンテナンスのお知らせなど、長い間隔で役立つ情報を届ける形が向いています。
再来店につながる配信の内容・頻度・料金プラン

LINE公式アカウントの料金プランを確認する
LINE公式アカウントは、月額固定費と、毎月送れる無料メッセージ通数で料金プランが分かれています。公式サイトでは、コミュニケーションプランが月額0円・200通、ライトプランが月額5,000円(税別)・5,000通と案内されています。
スタンダードプランは月額15,000円(税別)・30,000通で、上限を超える分は追加メッセージとして従量課金になります。コミュニケーションプランとライトプランは、追加メッセージを送ることができません。
ここでいう通数は、「1回の配信 × 届ける人数」で数えます。友だちが300人いるお店が1回配信すると、それだけで300通を使う点に注意してください。
配信の頻度は「月2〜4回」から試す
配信が多すぎると、ブロックされる原因になります。反対に少なすぎると、お店の存在を思い出してもらう機会が減ってしまいます。
私がご相談を受ける場合は、まず月2〜4回程度から始め、反応を見ながら調整することをおすすめしています。これは決まった正解ではなく、業種やお客様との関係によって適切な頻度は変わります。
無料のプランで始める場合は、友だちの人数と配信回数から、月の通数が上限を超えないかを事前に計算しておきましょう。
喜ばれる配信と、ブロックされやすい配信
再来店につながりやすいのは、受け取った人にとって「今知りたい」情報です。空き状況、季節の新メニュー、臨時休業や営業時間の変更などが代表的です。
一方、毎回同じ割引の告知が続いたり、内容のない宣伝が多かったりすると、ブロックされやすくなります。配信前に「自分がお客様なら、この通知は嬉しいか」を確認する習慣をつけるとよいでしょう。
GBPの情報とLINEの情報をそろえる
LINEで「臨時休業します」と配信したのに、GBPの営業時間が通常のままだと、地図を見て来店した人が困ってしまいます。休業日や営業時間の変更は、GBPの特別営業時間とLINEの配信を同じ日に更新するのが基本です。
情報が食い違うと、お客様の信頼を損ねるだけでなく、低評価の口コミにつながることもあります。「GBPを直したらLINEも、LINEで告知したらGBPも」を合言葉にしておきましょう。
リッチメニューで予約や地図に迷わず進めるようにする
リッチメニューは、LINEのトーク画面の下部に固定で表示されるメニューです。外部サイトへのリンクやクーポンなどを設定でき、予約ページや地図への入口として使えます。
たとえば「予約する」「アクセス」「メニューを見る」の3つを置いておくと、メッセージを読んだ人がすぐ行動に移れます。なお、パソコン版のLINEでは表示されない点も覚えておきましょう。
LINEを口コミ・評判づくりに活かすときのルール

LINEで口コミをお願いすること自体は問題ない
来店後にLINEでお礼を伝え、あわせてGoogleの口コミをお願いすることは、Googleのポリシー上も認められた行為です。Googleは、インセンティブを提供せず、内容に影響を与えようとせずに、実体験にもとづく投稿を募ることを許可しています。
LINEは来店から時間をあけずに連絡できるため、お客様の記憶が新しいうちにお願いできる点が強みです。依頼文の具体例は、次の記事でまとめています。
LINE・メールで口コミを依頼する時の文面例と送るタイミング
やってはいけない3つの依頼方法
1つ目は、口コミと引き換えにクーポンや割引を渡すことです。Googleのポリシーでは、金銭的な報酬や割引、無料の商品やサービスなどを口コミの見返りにすることが禁止されています。
2つ目は、満足していそうなお客様だけを選んで依頼することです。肯定的な口コミを選択的に募る行為も、Googleのポリシーで禁止されています。
3つ目は、その場で評価や口コミを書くよう求めたり、強く迫ったりすることです。お願いはあくまで任意であることが伝わる文面にしましょう。
LINEのセグメント配信と「選択的な依頼」に注意
LINE公式アカウントには、条件で絞り込んで配信する機能があります。便利な機能ですが、口コミの依頼に使う場合は注意が必要です。
たとえば、アンケートで「満足」と答えた人だけに口コミの依頼を送る運用は、選択的な依頼にあたるおそれがあります。口コミのお願いは、来店した人に分け隔てなく送る形にしておくのが安全です。
景品表示法のステルスマーケティング規制も確認する
2023年10月1日から、景品表示法にもとづくステルスマーケティング規制が始まりました。事業者が関与した広告であるにもかかわらず、それが分からない形で表示することが規制の対象になります。
口コミや投稿の依頼のしかたによっては、この規制が関係する場合があります。判断に迷うときは、消費者庁の公開資料を確認したうえで、弁護士などの専門家にご相談ください。
特典と口コミの関係については、次の記事で詳しく解説しています。
不満の声は、まずLINEで受け止める
LINEは、お客様が気軽にお店へ連絡できる窓口にもなります。小さな不満を早めに受け止めて対応できれば、お客様との関係を修復できることもあります。
ただし、LINEで不満を受け付けることを理由に、Googleへの口コミ投稿を妨げるような案内をしてはいけません。「ご意見はこちらへ、Googleには書かないで」といった誘導は、否定的な口コミを妨げる行為にあたるおそれがあります。
成果を測る|GBPとLINEの数字をつなげて見る

GBP側で見る数字
GBPのパフォーマンス画面では、プロフィールの閲覧数や、ウェブサイトのクリック、電話、ルート検索などの数を確認できます。LINEへの導線をホームページ経由にした場合、まずはウェブサイトのクリックが入口の目安になります。
GBPのウェブサイトのリンクにUTMパラメータを付けておくと、Googleアナリティクス(GA4)で地図からの訪問を区別して見られます。設定方法は次の記事で解説しています。
GBPのUTMパラメータ設定|Googleマップ経由の流入を測る
ホームページとLINE側で見る数字
ホームページでは、LINEの友だち追加ボタンがどれだけ押されたかを、GA4のイベントとして計測できます。ボタンのクリックを計測しておくと、どのページからの登録が多いかを比べられます。
LINE公式アカウントの管理画面にも、友だちの数の推移や、配信したメッセージの反応を確認できる分析機能があります。数字は1か月単位で記録し、前の月と比べる習慣をつけましょう。
来店時のひと言アンケートで経路を補う
数字だけでは、「地図で見つけて来て、LINEに登録した人」が何人いるかまでは分かりにくいものです。そこで、新規のお客様に「何で当店を知りましたか」と尋ねる簡単なアンケートが役立ちます。
「Googleマップ」「LINE」「紹介」「通りがかり」など、選択肢を絞って記録すると集計が楽になります。完璧な数字でなくても、傾向がつかめれば次の打ち手を考える材料になります。
月に一度の振り返りで見る3つのポイント
1つ目は、GBPからホームページへの流れが増えているかです。2つ目は、友だちの数が増えているか、そしてブロックが急に増えていないかです。
3つ目は、配信した週の来店や予約に変化があったかです。この3点を毎月確認し、うまくいった配信の内容や曜日を記録しておくと、少しずつ精度が上がっていきます。
地図上の見え方もあわせて確認する
再来店の仕組みが整っても、入口である地図での露出が弱ければ、新しく友だちになる人は増えません。Googleマップでの表示順位は、検索する場所によって大きく変わります。
店の近くでは上位でも、少し離れた駅前ではほとんど表示されていない、ということもよくあります。入口と出口の両方を定期的に確認することが、MEOとLINEを組み合わせる運用のポイントです。
よくある質問

Q1. GBPにLINEのリンクを直接載せる方法はありますか?
2026年10月時点で、GBPのソーシャルリンクの対象にLINEは含まれていません。ホームページにLINEの案内を設け、GBPのウェブサイト欄や投稿のボタンからそこへ誘導する方法が現実的です。
仕様は変わる可能性があるため、最新の対応状況はGoogleのヘルプでご確認ください。
Q2. 無料のコミュニケーションプランでも効果はありますか?
友だちの人数が少ないうちは、無料のプランでも十分に試せます。月200通までなので、友だちが50人なら月4回程度の配信が目安になります。
友だちが増えて通数が足りなくなったら、その時点で有料プランを検討すれば問題ありません。
Q3. LINEで口コミをお願いしてもGoogleの規約違反になりませんか?
特典を付けず、来店した人に分け隔てなくお願いする形であれば、Googleのポリシーで認められた依頼方法です。口コミと引き換えの割引や、満足した人だけを選んでの依頼は禁止されているので避けてください。
判断に迷う依頼方法がある場合は、事前に専門家にご相談ください。
Q4. 友だちが増えません。何から見直せばよいですか?
まずは、店内での案内を見直すのがおすすめです。QRコードの置き場所と大きさ、スタッフの声かけ、登録するメリットの伝え方の3点を確認しましょう。
そのうえで、ホームページのLINEボタンがスマートフォンで見つけやすい位置にあるかも確認してください。
Q5. MEOとLINE、どちらから始めるべきですか?
お店の状況によって異なります。新しいお客様がほとんど来ていない場合は、まずGBPを整えて地図での露出を高めることを優先しましょう。
すでに来店者はいるのに再来店が少ない場合は、LINEで関係を続ける仕組みづくりから始めると効果を実感しやすくなります。
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