「うちは、どこまでのエリアを対応地域として出しておけばいいのでしょうか」。出張型のサービスをされている方や、店舗を構えながら配達・訪問もされている方から、よくいただくご質問です。
Googleビジネスプロフィールには「サービス提供地域」という欄があり、ここを設定すると「うちはこのエリアまで伺えます」とお客様に伝えることができます。ところが、この欄は広く設定すればするほど有利になる、というものではありません。
この記事では、サービス提供地域の設定手順と、Googleが公式に示している上限やルール、そして「広げすぎ」が起きたときに何が困るのかを順に整理します。これから登録する方はもちろん、一度設定したきり見直していない方にも、そのまま使えるチェック項目としてお読みいただける内容です。
サービス提供地域とは?設定できるビジネスの条件

「どこまで伺えるか」をお客様に伝えるための欄
サービス提供地域は、Googleビジネスプロフィールの「所在地」の中にある設定項目です。Googleのヘルプでは、この欄について商品やサービスを提供できる地域をユーザーに示すことができるものだと説明されています。
お客様の立場で考えると、地図であなたの会社を見つけたとき、いちばん気になるのは「うちの家まで来てもらえるのか」という一点です。ここが空欄のままだと、電話をかける前の段階で候補から外されてしまうことがあります。
逆にいえば、対応できるエリアが正しく書かれていれば、それだけで問い合わせのハードルは一段下がります。派手な施策ではありませんが、地道に効いてくる項目です。
設定できるのは「非店舗型」と「ハイブリッド型」の2種類
Googleは、サービス提供地域を登録できるのは非店舗型ビジネスまたはハイブリッド型ビジネスのみだと明記しています。まずは自社がどちらに当てはまるかを確認してください。
非店舗型ビジネスは、お客様のところへ出向いてサービスや商品を提供し、自社の拠点住所では接客をしないビジネスです。Googleのヘルプでは、清掃サービスや配管工事などが例として挙げられています。
ハイブリッド型ビジネスは、拠点の住所でも接客をしつつ、商品の配達や出張サービスも行うビジネスを指します。イートインと宅配の両方を行っている飲食店が典型例です。
ハイブリッド型として登録する場合、営業時間中にスタッフが店舗に常駐してお客様に対応できる体制が求められる点にはご注意ください。看板が常設されていない拠点は店舗として認められず、非店舗型として登録する必要があります。
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来店型だけのお店は、基本的に設定しない
お客様に来ていただくことだけで成り立っているお店、たとえば通常の飲食店や美容室、クリニックなどは、サービス提供地域を設定する対象ではありません。この場合は正確な住所を掲載し、地図上のピンで場所を示すのが基本です。
「商圏を広く見せたいから」という理由だけで提供地域を足すのは、本来の使い方から外れます。Googleのヘルプには、すべてのサービス提供地域を削除するには拠点の住所を登録した実店舗ビジネスである必要がある、という注意書きもあります。
つまり、一度サービス提供地域だけの状態にしてしまうと、元に戻すときに住所の登録が必要になります。安易に切り替えず、自社の業態に合った形を最初に決めておくのが安全です。
非店舗型は住所を非表示にする必要がある
Googleのガイドラインでは、非店舗型ビジネスを運営している場合はお客様に対して住所を非表示にする必要があると定められています。ヘルプでは、自宅を拠点にしている配管業者はビジネスプロフィールから住所を消去するように、という具体例まで示されています。
自宅兼事務所で開業されている方の場合、これは防犯やプライバシーの面でもありがたいルールです。住所を消すと地図上に赤いピンは表示されなくなり、店名や電話番号、サービス提供地域といった情報が中心の見え方になります。
なお、アルコールや武器など年齢制限のある商品・サービスを扱うビジネスは、店舗を持たない非店舗型としては登録できないとされています。該当する業種の方は、実店舗としての登録が前提になります。
設定・編集の手順と、知っておきたい上限

追加・編集の手順は4ステップ
操作そのものは難しくありません。ビジネスプロフィールの管理画面を開き、「プロフィールを編集」から「所在地」を選びます。
次に「サービス提供地域」の横にある編集アイコンを選択します。すると入力欄が開くので、候補として表示された地域を選ぶか、対応している地域名を自分で入力します。
最後に保存を押せば完了です。削除したいときも同じ画面を開き、「選択したサービス提供地域」の一覧から、実際には展開していない地域を外して保存します。
指定できるのは市区町村や郵便番号(半径では指定できない)
ここは誤解が多いところです。Googleは、サービス提供地域を拠点からの半径距離で指定することはできないと明記しています。
「半径15km」といった円での指定はできず、市区町村や郵便番号などの単位で指定する形になります。
さらに、以前に半径で設定していたサービス提供地域は編集できないという注意書きもあります。古い設定が残っている場合は、市区町村や郵便番号など別の方法で指定し直す必要があります。
何年も前に登録したまま触っていないプロフィールでは、この状態のまま気づかれていないことがあります。心当たりのある方は、一度「所在地」の画面を開いて現在の指定方法を確認してみてください。
上限は20か所、反映まで最長48時間
Googleのヘルプによると、サービス提供地域は最大20か所まで指定できるとされています。市区町村単位で登録していくと、意外に早く上限に届きます。
そのため、20という枠をどう配分するかが実務上の勝負どころになります。細かい町名を並べて枠を使い切るより、実際に売上につながっている市区町村から優先的に埋めていく考え方が現実的です。
また、編集内容が承認された場合でも、プロフィールに表示されるまでに最長で48時間ほどかかることがあると案内されています。保存した直後に反映されていなくても、あわてて何度も編集し直す必要はありません。
「具体的かつ正確に」がGoogleの求める書き方
Googleはヒントとして、サービス提供地域を設定する際はできるだけ具体的かつ正確に行うことを求めています。ビジネス情報のガイドラインでも、店舗住所やサービス提供地域は詳細かつ正確に記載するようにと書かれています。
「関東一円」のようなざっくりした見せ方より、実際に伺える市区町村を並べたほうが、Googleにとってもお客様にとっても分かりやすい情報になります。ここは正直に書くことが、そのまま信頼につながる部分です。
地域を広げすぎると逆効果になりやすい理由

目安は「拠点から車で約2時間以内」
Googleはヒントとして、対象地域全体の境界線は、ビジネス拠点から車で約2時間以内の範囲に収めるようにと案内しています。これは禁止事項というより、現実的な運用の目安として示されているものです。
なお、こちらは提供地域のヘルプページに書かれたヒントで、ビジネス情報のガイドラインのほうには、ビジネス内容によってはもっと広く設定する方が適切な場合もある、という補足が別途書かれています。全国対応の特殊な工事など、業態によっては例外もあるということです。
とはいえ、多くの中小事業者にとって「車で2時間」はかなり広い範囲です。まずはこの目安を上限と考え、そこから自社の採算に合わせて絞り込んでいくのが安全な進め方だといえます。
広げても「その地域で上位に出る」とは限らない
ここがいちばん誤解されやすい点です。Googleはローカル検索結果の順位について、主に関連性・距離・知名度の3つの要素で決まると説明しています。
このうち距離は、検索しているユーザーから各ビジネス拠点までの距離を指すとされています。サービス提供地域をいくら追加しても、拠点そのものが移動するわけではありません。
Googleのヘルプには「サービス提供地域を設定すると、お客様のビジネスプロフィールをユーザーに見つけてもらいやすくなります」という記述があります。設定すること自体には意味がある、という書き方です。
一方で「広げるほど上位に表示される」とは書かれていません。順位の説明で距離が「ユーザーからビジネス拠点まで」と定義されている以上、遠方の市を追加しさえすればそのエリアの検索で上位に出る、という期待は持たないほうが現実的です。
あわせて読みたい:Googleマップの表示順位はどう決まる?3つの要素をやさしく解説
実際には行けない地域を並べるリスク
「念のため」で対応していない市区町村まで登録してしまうと、Googleが求める「具体的かつ正確に」という条件から外れていきます。ガイドラインに沿わない情報は、プロフィールの情報が変更されたり、表示に影響が出たりする原因になり得ます。
Googleはガイドライン違反に対して、ビジネスプロフィールへのアクセスを停止する権限を留保するとも明記しています。集客のために広げた設定が、かえってプロフィール自体のリスクになってしまっては本末転倒です。
対応できない問い合わせが増えるという現場コスト
もうひとつ、数字に表れにくい負担があります。提供地域を広げると、実際には受けられない距離のお客様からの電話が増えてしまうことです。
断る電話が1日に何件も入れば、その時間はそのまま本業から差し引かれます。しかも、お客様にとっては「対応地域に載っていたのに来てもらえなかった」という体験になり、低い評価の口コミにつながることもあります。
また、遠方の現場を無理に受ければ、移動時間が増えて1日に回れる件数が減ります。売上は増えたように見えても、時間あたりの利益では下がっているというケースは珍しくありません。
業種・立地別|サービス提供地域の決め方

手順1:直近半年で「実際に行った先」を書き出す
理想の商圏から考えると、どうしても願望が混ざります。まずは請求書や作業記録をさかのぼって、直近6か月で実際に伺った現場の市区町村を書き出してください。
件数の多い順に並べると、自社の商圏が数字で見えてきます。上位の市区町村だけで全体の8割前後を占めているという結果になることが多く、それが実質的な主戦場です。
手順2:移動時間と採算で線を引く
次に、片道の移動時間で区切ります。1件あたりの平均単価と、1日に回れる件数を掛け合わせて、どこまでなら採算が合うかを確認してください。
たとえば1件2時間の作業で、片道1時間かかる現場を受けると、1日に2件が限界になります。同じ時間で近場を3件回れるなら、遠方の単価をよほど高く設定しない限り、広げる意味は薄いという判断になります。
ここで出した「採算の合う片道時間」が、あなたの会社にとっての実質的な境界線です。Googleの目安である車で約2時間より、ずっと手前に線が引かれることも多いはずです。
手順3:市区町村単位でまとめ、20か所に収める
最後に、線の内側にある地域を市区町村単位でまとめます。政令指定都市であれば区単位で登録できるので、対応している区だけを選ぶほうが正確です。
20か所という上限があるので、優先順位をつけて埋めていきます。受注実績が多い順に埋めていき、余った枠を隣接エリアに回すという配分がシンプルで運用しやすい方法です。
業種別に見た、線の引き方のクセ
水道・電気・鍵などの緊急対応系は、到着時間そのものが商品価値です。片道30分から45分程度で行ける範囲に絞り、そのかわり深夜・早朝の対応時間を厚くするほうが、選ばれる理由がはっきりします。
ハウスクリーニングやリフォームのように1件の滞在時間が長い業種は、1日1件から2件が前提です。移動1時間はある程度許容できるので、そのぶん商圏を広めに取っても採算が崩れにくい傾向があります。
出張整体や訪問美容など、1件あたりの単価がそれほど高くない業種は要注意です。移動時間が利益をそのまま削るため、まずは狭く設定して、指名でのご依頼が増えてから広げるほうが安全です。
飲食の宅配やケータリングは、料理の品質を保てる時間が上限になります。20分から30分で届けられる範囲に絞り、それ以上は受け取り専用として案内するなど、区切りを明確にしておくとトラブルを防げます。
あわせて読みたい:地名・駅名キーワードの選び方と使いどころ|MEOの基本
うまくいかないときのチェックポイント

住所とサービス提供地域の関係が矛盾していないか
まず確認したいのが、住所とサービス提供地域の組み合わせです。Googleのヘルプでは、拠点の住所で接客していてサービス提供地域もある場合は両方を入力し、拠点の住所で商品やサービスを提供していない場合は住所を削除して提供地域のみを入力する、と整理されています。
自宅住所を出したまま提供地域も並べている、という状態は、この整理から外れている可能性があります。実態がどちらなのかを決め、それに合わせて設定をそろえてください。
店名・住所・電話番号の表記が他のサイトとずれていないかも、あわせて見ておきたいところです。NAP統一とは?店名・住所・電話番号を揃えるべき理由と手順で基本を確認できます。
拠点がバーチャルオフィスやコワーキングになっていないか
ガイドラインでは、郵送先住所を借りていてその住所で実際にサービスを提供していない場合、いわゆるバーチャルオフィスではビジネスプロフィールを利用できないとされています。コワーキングスペースについても、わかりやすい看板が常設され、営業時間中に自社のスタッフが常駐してお客様に対応できる場合を除いて登録できません。
受付が運営会社のスタッフというだけでは、この条件を満たしません。拠点の実態がどうなっているかを、あらためて確認してみてください。
拠点の設定が原因でプロフィール自体が停止されると、サービス提供地域どころの話ではなくなります。心当たりのある方は、先に拠点の扱いを整理してください。
あわせて読みたい:バーチャルオフィスでGoogleマップ登録はNG?リスクと正しい設定
設定した後は「面」で見え方を確かめる
設定を変えたあと、効果を確かめる方法にもコツがあります。自分のスマートフォンで1回検索して順位を見るだけでは、実態はつかめません。
Googleマップの検索結果は、検索した人がどこにいるかで変わります。お店の前では1位でも、2km離れた住宅街では圏外というのはよくあることです。
そのため、商圏内の複数の地点で順位を測り、地図全体でどう見えているかを確認する方法が有効です。当社が開発・運営している「access-meo」は、お店の周辺を格子状に区切ってエリアごとの順位をヒートマップで表示するツールで、登録なしの無料チェックから試していただけます。
あわせて読みたい:Googleマップ順位の正しい測り方|検索場所で変わる理由
見直しは年に1〜2回で十分
サービス提供地域は、頻繁に触る項目ではありません。人員が増えた、車両を増やした、支店を出したといった変化があったときに見直せば十分です。
目安としては、半年から1年に一度、直近の受注実績と設定内容を突き合わせるくらいのペースで問題ありません。実績のない地域が残っていたら外し、増えてきた地域があれば追加する、という単純な作業です。
よくある質問

サービス提供地域は何か所まで登録できますか?
Googleのヘルプでは、最大20か所まで指定できるとされています。市区町村や郵便番号などの単位で指定する形になります。
「半径10km」のように円で指定できますか?
できません。Googleは、サービス提供地域を拠点からの半径距離で指定することはできないと明記しています。
以前この方法で設定していた地域は編集できないため、市区町村や郵便番号など別の方法で指定し直す必要があります。
設定を変えたのに反映されません
編集内容が承認された場合でも、プロフィールに表示されるまでに最長で48時間ほどかかることがあると案内されています。まずは2日ほど待ち、それでも変わらない場合に再確認するのが落ち着いた進め方です。
店舗があるのですが、配達もしています。どう設定すればよいですか?
この場合はハイブリッド型に該当し、実店舗の住所を表示したうえでサービス提供地域も指定できます。ただし、営業時間中にスタッフが店舗に常駐してお客様に対応できる体制が求められる点にご注意ください。
提供地域を広げれば、その地域の検索で表示されやすくなりますか?
Googleはそのようには案内していません。ローカル検索の順位は関連性・距離・知名度で決まるとされており、距離は検索しているユーザーから各ビジネス拠点までの距離を指すと説明されています。
提供地域は「対応できるエリアを正しく伝える欄」と考えるのが実態に近い理解です。
サービス提供地域の設定でお困りなら
「自社は非店舗型とハイブリッド型のどちらなのか」「住所を出すべきかどうか」といった判断は、業態によって答えが変わります。設定を間違えるとプロフィール全体に影響が出ることもあるため、迷ったまま放置せず、一度整理しておくことをおすすめします。
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