ハウスクリーニング、出張整体、リフォーム、電気工事、出張撮影、税務の訪問相談。お客様のところへ出向いて仕事をする業態では、「うちは店舗がないからGoogleマップは関係ない」と思われている方が少なくありません。
実際には逆です。店舗を持たない事業者ほど、Googleマップやローカル検索での見つかりやすさが売上を左右します。看板も通行人からの飛び込みもない以上、お客様が自分を見つける入口はほぼ検索だけだからです。
Googleビジネスプロフィールには、こうした業態のために「非店舗型ビジネス(サービス提供地域ビジネス)」という登録区分が用意されています。自宅の住所を公開せずに、対応できるエリアだけを表示することもできます。
この記事では、店舗を持たない出張・訪問型ビジネスがGoogleマップに正しく載るための考え方と手順を、公式ヘルプの記載にもとづいて整理します。設定を間違えるとプロフィールの停止につながる部分もあるため、順番に確認していきましょう。
店舗がなくてもGoogleマップには載せられる

まず押さえたいのは、Googleビジネスプロフィールが「実店舗を持つ事業者だけのもの」ではないという点です。登録区分は大きく3つに分かれており、店舗を持たない事業者にも居場所が用意されています。
「非店舗型ビジネス」とは何か
Googleビジネスプロフィールヘルプでは、非店舗型ビジネスを「客先に出向いてサービスや商品を提供し、ビジネス拠点の住所では接客しないビジネス」と定義しています。例として挙げられているのは清掃サービスや配管工事などです。
日本の中小事業者に置き換えると、ハウスクリーニング、水道・電気の修理、外壁塗装、便利屋、出張マッサージ、出張カメラマン、家庭教師などが該当します。お客様が自分の住所に来ない業態は、原則としてこの非店舗型ビジネスにあたります。
非店舗型ビジネスには、もうひとつ重要なルールがあります。ヘルプには「サービスを提供する地域全体に対してプロフィールを1つだけ作成できます」と明記されており、対応エリアごとに複数のプロフィールを作ることはできません。
「A市用」「B市用」とプロフィールを量産すれば露出が増えそうに見えますが、これはガイドライン違反にあたります。短期的に効いたように見えても、まとめて停止されるリスクを抱えることになります。
ただし例外もあります。ガイドラインでは、拠点が複数あり、それぞれ異なるサービス提供地域とスタッフで運営されている場合は、拠点ごとに1つずつプロフィールを作成できるとされています。支店が実在するかどうかが分かれ目です。
「ハイブリッド型」との違い
もうひとつの区分がハイブリッド型ビジネスです。ヘルプでは「ビジネス拠点の住所で顧客にサービスを提供しているが、商品配達や出張サービスも行うビジネス」とされ、イートインと宅配の両方を行うレストランが例に挙げられています。
整体院を構えながら訪問施術もする、事務所で相談も受けるが現地調査にも出向く、といったケースがこれにあたります。ハイブリッド型なら、実店舗の住所を表示したうえで、さらにサービス提供地域も指定できます。
ただし条件があります。ヘルプには「ビジネス拠点に看板が常設されていない場合は店舗とは認められないため、非店舗型ビジネスとして登録する必要があります」と書かれています。
つまり、看板がなく、営業時間中にスタッフが常駐して来客に対応できない拠点は、住所を出す資格がないということです。「事務所はあるが実質は出払っている」場合はハイブリッド型ではなく非店舗型として登録するのが安全です。
自分がどちらに当てはまるか確かめる
判断に迷ったら、次の3つの質問に答えてみてください。ひとつでも「いいえ」があれば、非店舗型ビジネスとして登録するのが基本方針になります。
- お客様がその住所を訪ねてくることが、実際にありますか。
- その住所に、常設された看板や表示がありますか。
- プロフィールに載せた営業時間の間、その場所で人が応対できますか。
年に数回しか来客がない、看板は出していない、日中は現場に出ていて誰もいない。この状態で住所を公開してしまうと、Googleから見れば「実態と違う情報」になります。
ここを曖昧にしたまま運用している事業者は本当に多く、後から停止されて慌てるケースをよく見かけます。停止の予防については、やりがちな違反をまとめたプロフィール停止を防ぐ:やりがちなガイドライン違反集もあわせてご覧ください。
住所を表示するか、非表示にするか

自宅を仕事場にしている方から一番多い相談が「住所を出したくない」というものです。結論から言えば、非店舗型ビジネスであれば住所を非表示にできますし、Googleもそれを推奨しています。
Googleの公式ルールはシンプル
ヘルプには「ビジネス拠点の住所で商品やサービスを提供していない場合は、ビジネスプロフィールから住所を削除してください」と重要事項として書かれています。判断基準は、その住所で接客しているかどうかの一点です。
操作手順も公開されています。ビジネスプロフィールで「プロフィールを編集」から「所在地」を選び、ビジネス所在地の編集アイコンから「ユーザーにビジネスの住所を表示する」をオフにして保存します。
注意したいのは、住所を非表示にするとプロフィールにはサービス提供地域だけが表示される点です。サービス提供地域を入力していないと、Googleが自動的に地域を選んでしまいます。
自動で選ばれた地域は後から編集できますが、意図しないエリアが表示されたままになるのは機会損失です。住所を隠す作業とサービス提供地域を設定する作業は、必ずセットで行ってください。
自宅兼事務所の場合に迷ったら
自宅兼事務所で悩ましいのは、住所を隠すと地図上の目印がなくなり、近隣での見つかりやすさが下がるのではないかという不安です。この懸念自体は的外れではなく、海外のローカルSEO事業者による検証でも、住所を外した後に表示が落ちたという報告があります。
ただし、これは「隠さない方が得だ」という話ではありません。実態と違う住所を出したままにするほうが、停止という形で一気にゼロになるリスクを抱えます。
プライバシー面でも判断材料があります。個人宅の住所が地図上に公開されれば、営業電話や飛び込み訪問、口コミ欄でのトラブルなど、事業以外の面での問題も現実に起こります。
実際にお客様が訪ねてこないのであれば、住所は非表示にしてサービス提供地域で勝負する。これが公式ルールにも沿った、長い目で見て損の少ない選択です。
バーチャルオフィス・レンタル住所の注意点
「自宅を出したくないからバーチャルオフィスの住所を登録する」という発想は、残念ながらうまくいきません。Googleのビジネス情報ガイドラインでは、営業時間中にスタッフを配置していないバーチャルオフィスの掲載は認められていません。
コワーキングスペースも同様で、わかりやすい看板が常設され、営業時間中に顧客対応できるスタッフが常駐している場合を除いて登録できません。郵便物の受け取りだけを借りている住所も同じ扱いです。
この種の住所は、同じ番地に何十社ものプロフィールが並ぶため、Google側から見ると非常に目立ちます。審査で引っかかりやすく、停止された後の復旧も難しくなります。
住所を出せない事情があるなら、無理に別の住所を用意するのではなく、素直に非店舗型ビジネスとして住所非表示にするのが正解です。オーナー確認の段階では実在の住所が必要になりますが、それを公開するかどうかは別の設定です。
サービス提供地域の正しい設定手順

サービス提供地域は、非店舗型ビジネスにとって住所の代わりになる情報です。ここを丁寧に設定できているかどうかで、プロフィールの伝わり方が変わります。
設定は「プロフィールを編集」から
手順はヘルプに記載されているとおりです。ビジネスプロフィールを開き、「プロフィールを編集」から「所在地」を選び、「サービス提供地域」の横にある編集アイコンを選択します。
あとは候補から選ぶか、地域名を入力して保存するだけです。指定方法は市区町村や郵便番号などで、以前使えたビジネス拠点からの半径距離での指定は現在できません。
反映のタイミングにも注意が必要です。ヘルプには「承認された場合、サービス提供地域の編集内容がビジネスプロフィールに表示されるまでに最長で48時間ほどかかることがあります」とあります。
保存したのに表示が変わらないと不安になって何度も編集してしまう方がいますが、これは逆効果です。保存したら最低でも2日は待ってから確認しましょう。
20か所・車で約2時間という2つの上限
サービス提供地域には、Googleが公開している明確な上限があります。ひとつは件数で、指定できるのは最大20か所までです。
もうひとつは距離で、「対象地域全体の境界線は、ビジネス拠点から車で約2時間以内の範囲に収めるようにします」とされています。20か所は明確な上限ですが、2時間のほうは推奨の目安で、ビジネス内容によってはもっと広く設定するほうが適切な場合もあるとされています。
さらにヘルプは「サービス提供地域を設定する際は、できるだけ具体的かつ正確に行ってください」と補足しています。ここで言う正確さとは、実際に伺える範囲かどうかという意味です。
20か所という枠は、市区町村単位で埋めていくと意外に早く使い切ります。売上の中心になっているエリアから順に埋め、余った枠で周辺に広げる順番がおすすめです。
やりがちな失敗は「広げすぎ」
現場で一番よく見る失敗が、サービス提供地域を集客キーワードのように使ってしまうことです。関東一円と入力したり、行ったことのない市まで並べたりするパターンです。
サービス提供地域は、検索順位を上げるためのキーワード欄ではありません。お客様に「どこまで来てもらえるのか」を伝える案内表示だと考えてください。
広げすぎには実害もあります。遠方からの問い合わせが増えて対応できず断り続ければ、その分の時間を失いますし、対応の悪さとして口コミに書かれることさえあります。
逆に狭すぎるのも機会損失です。片道40分なら普通に伺っているのに設定は自分の市だけ、というケースは、実力より小さく見せてしまっています。
目安は、直近1年で実際に訪問した住所を並べてみることです。そこに含まれる市区町村を書き出し、無理なく通える範囲まで一段だけ広げる。この作り方なら、広すぎも狭すぎも避けられます。
なお、エリア名をどうサイト側で使い分けるかは別の話になります。地名や駅名の選び方は地名・駅名キーワードの選び方と使いどころで詳しく解説しています。
住所非表示でも見つけてもらうためにやること

住所を非表示にすると、地図上のピンという分かりやすい手がかりが減ります。その分をどこで補うかが、非店舗型ビジネスのMEOの本題です。
カテゴリとサービス欄を埋め切る
Googleがローカル検索の順位を決める要素として公表しているのは、関連性・距離・知名度の3つです。住所を出さない非店舗型ビジネスでは、距離の情報が弱くなる分、関連性を丁寧に積み上げる必要があります。
関連性の土台になるのがカテゴリです。メインカテゴリは、お客様が検索しそうな言葉に一番近いものを選び、対応できる範囲でサブカテゴリも追加します。
選び方に迷ったら、ビジネスプロフィールのカテゴリ選びで集客が変わるで判断の手順を確認してみてください。カテゴリはあとから変更できますが、頻繁に変えると評価が安定しません。
あわせて埋めたいのがサービス欄です。「エアコンクリーニング」「レンジフード清掃」のように、お客様が使う言葉でメニューを列挙します。
ここは自由記述で説明も添えられるため、料金の目安や所要時間まで書いておくと問い合わせの質が上がります。詳しい書き方は「商品」「サービス」欄の登録で検索露出を広げるにまとめています。
説明文と写真で「実在感」を出す
住所が出ていないビジネスは、お客様から見ると輪郭がぼやけます。「本当に実在するのか」「誰が来るのか」が分からないと、電話をかける手前で止まってしまいます。
そこで効くのが説明文と写真です。説明文には、対応エリア、創業年数、保有資格、どんな困りごとに強いかを、宣伝文句ではなく事実として書きます。
写真は、店構えが撮れない代わりに作業風景を使います。作業中の様子、使っている機材、社名の入った車両、そしてスタッフの顔写真を1枚入れておくと信頼感が大きく変わります。
訪問型は「知らない人を家に上げる」という心理的なハードルがあります。誰が来るのかが事前に分かることは、それだけで選ばれる理由になります。
口コミは住所がない分だけ効いてくる
知名度の面で頼りになるのが口コミです。特に非店舗型ビジネスでは、口コミが実在の証明と品質の証明を同時に担います。
依頼するタイミングは、作業が終わって喜んでいただけた直後が最も自然です。「今後の参考にしたいので、よろしければ感想をいただけませんか」と一言添え、その場でQRコードを見せる形が現実的です。
口コミ本文に地域名が自然に入ると、そのエリアでの関連性を補強する材料にもなります。ここで注意したいのは、口コミの依頼そのものは問題ないという点です。
マップの投稿コンテンツに関するポリシーで禁止されているのは、評価を強要することと、特定の内容を含めるよう依頼することです。文面を指定して書かせるのではなく、実際の体験を自由に書いていただく形を守ってください。
返信も忘れずに行いましょう。返信はすでに書いてくれた方へのお礼であると同時に、これから読む見込み客に対して「この会社はちゃんと反応する」と伝える材料になります。
自社サイトと計測で足りない分を補う

ビジネスプロフィールだけで完結させようとすると、非店舗型ビジネスはどうしても情報量で不利になります。自社サイト側で受け止める仕組みを作ると、その差を埋められます。
エリア別ページで「地名+サービス」を受け止める
お客様は「宇都宮市 エアコンクリーニング」のように、地名とサービス名を組み合わせて検索します。この検索に対して、自社サイトにそのエリア専用のページがあるかどうかで、拾える件数が変わります。
ただし、地名だけを差し替えたページを大量生産するのは逆効果です。中身が同じページが並ぶと、価値の薄いページとして評価されにくくなります。
作るなら、そのエリアならではの中身を入れます。実際に対応した事例、その地域に多い住宅の特徴、出張費の有無、移動時間の目安。これらはコピーできない情報です。
数も欲張らないほうがうまくいきます。主要な3〜5エリアから始めて、問い合わせが取れることを確認してから増やす進め方が現実的です。
NAP情報をサイト側にも正しく置く
NAPとは、事業者名・住所・電話番号のことです。これらがサイトとビジネスプロフィールで食い違っていると、Googleも人も混乱します。
住所を非表示にしている場合、サイト側の扱いに迷うかもしれません。会社概要ページには特定商取引法などの要請から住所を記載しつつ、トップページやフッターでは対応エリアを前面に出す、という組み合わせが実務的です。
電話番号は特に注意が必要です。広告用の転送番号を増やしていくと、あちこちに違う番号が散らばり、同じ事業者だと認識されにくくなります。
表記そのものも揃えましょう。「株式会社」の位置、丁目や番地のハイフン、電話番号の区切り方まで、すべての掲載先で統一します。
順位は「点」ではなく「面」で測る
非店舗型ビジネスで一番誤解が多いのが、順位の測り方です。自分のスマホで検索して「1位に出た」と安心してしまうケースがよくあります。
Googleマップの順位は、検索した人がどこにいるかで大きく変わります。自宅の前で1位でも、隣の市では圏外ということが普通に起こります。
対応エリアが広い訪問型ビジネスほど、この差は深刻です。20か所のサービス提供地域を設定していても、実際に上位表示されているのが拠点周辺だけ、という状態は珍しくありません。
だからこそ、エリア全体を面で確認する必要があります。地図を格子状に区切って、どの地点で何位なのかをヒートマップで見ると、「どのエリアが取れていないか」が一目で分かります。
私たちが開発・運営している access-meo は、まさにこの「面で見る」ことを目的にしたツールです。手動での測り方の限界については、Googleマップ順位の正しい測り方もあわせてご覧ください。
測ってみると、打ち手の優先順位が変わることがよくあります。全域で伸ばそうとするのではなく、あと一歩で上位に届きそうなエリアから手を付けるほうが、成果が出るまでの時間は短くなります。
よくある質問

Q. 住所を非表示にすると、オーナー確認はできませんか?
オーナー確認と住所の公開設定は別のものです。確認の段階ではGoogleが所在を確かめるために実在の住所を求めますが、確認が済んだ後に住所を非表示へ切り替えられます。
確認方法は業種や地域によって、はがき・電話・メール・動画などが案内されます。画面の指示に従って進めてください。
Q. 対応エリアごとにプロフィールを作ってもいいですか?
できません。Googleビジネスプロフィールヘルプには、非店舗型ビジネスは「サービスを提供する地域全体に対してプロフィールを1つだけ作成できます」と明記されています。
エリアごとに露出を増やしたい場合は、プロフィールを増やすのではなく、自社サイトのエリア別ページで受け止めるのが正しい方向です。
Q. サービス提供地域を変えると順位は落ちますか?
サービス提供地域は主に「どこまで対応するか」をユーザーに伝えるための情報で、地域名を並べれば順位が上がるという性質のものではありません。そのため、実態に合わせて整理したことで大きく落ちるとは考えにくいです。
ただし変更の反映には最長48時間ほどかかります。変更前後の順位を比べるなら、少なくとも数日は間隔を空けて確認してください。
Q. 自宅の住所を出さずに、ストリートビューだけ出せますか?
住所を非表示にしている非店舗型ビジネスでは、地図上の特定の建物と結び付いた外観表示は基本的に出ません。ストリートビューは所在地のピンに紐づく機能だからです。
その代わり、作業風景や車両、スタッフの写真をプロフィールに追加してください。実店舗の外観がない業態では、これらが同じ役割を果たします。
Q. 事務所はあるが日中は誰もいません。住所は出せますか?
掲載した営業時間中に応対できる人がいない拠点は、店舗として扱うのが難しくなります。看板が常設されていない場合も、ヘルプは非店舗型ビジネスとしての登録を求めています。
迷う場合は、住所を非表示にしてサービス提供地域を設定する側に寄せておくのが安全です。実態に合わない情報は、後から停止という形で跳ね返ってきます。
まずは自分のエリアでの見え方を確かめてみませんか
店舗を持たない出張・訪問型ビジネスのMEOは、設定さえ正しく整えれば、店舗型と比べて不利ということはありません。むしろ、対応エリアを丁寧に設計できる分だけ有利に働く場面もあります。
大切なのは、実態と合った情報を出すことと、エリアごとの見え方を数字で把握することです。感覚で判断していると、実は取れていなかったエリアに気づけません。
「自分のサービス提供地域の中で、どこが弱いのか知りたい」「設定が今のままで合っているか見てほしい」といったご相談は、お問い合わせフォームからお気軽にお寄せください。Webサイト制作からSEO・MEOまで一貫して支援しております。
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