「ホームページ制作会社にGoogleビジネスプロフィールを触ってもらいたい」「スタッフにも口コミ返信を任せたい」。店舗を運営していると、こうした場面は必ず出てきます。
このときに関わってくるのが、オーナーや管理者といった「権限」の仕組みです。仕組みを知らないままアカウントを共有してしまうと、乗っ取りや情報漏えい、担当者が辞めた後のトラブルにつながることがあります。
この記事では、Googleビジネスプロフィールのオーナー・管理者・メインのオーナーの違いから、安全な権限の付与手順、担当者交代のときの権限譲渡まで、店舗オーナーの方にもわかるようにやさしく解説します。内容はGoogle公式ヘルプを確認しながら整理しています。
Googleビジネスプロフィールの「権限」を正しく理解する重要性

Googleビジネスプロフィールは、店舗や会社の「Google上の顔」ともいえる大切な情報です。営業時間や住所、写真、口コミへの返信まで、来店を左右する要素がここに集まっています。
その大切な情報を、誰がどこまで編集できるのかを決めるのが「権限」です。まずは権限を理解しておく意味から確認していきましょう。
店舗運営では、経営者だけでなく、店長やスタッフ、外部の制作会社など複数の人がプロフィールに関わるのが普通です。関わる人が増えるほど、権限をきちんと分けておく必要性が高まります。
逆に、権限の管理があいまいなまま運用を続けると、誰が何を変更したのかわからなくなったり、担当者が変わるたびに引き継ぎで混乱したりします。最初に仕組みを理解しておくことが、後々の手間を減らす近道です。
なぜ「パスワードの共有」ではいけないのか
スタッフや業者に管理を任せたいとき、つい自分のGoogleアカウントのパスワードを教えてしまう方がいます。しかし、これは非常に危険なやり方です。
パスワードを共有すると、ビジネスプロフィール以外のGmailやGoogleフォトなど、Googleアカウント全体にアクセスされてしまいます。トラブルが起きたときの被害も大きくなりがちです。
Google公式も、各ユーザーが自分のGoogleアカウントを持っていれば、パスワードを共有せずに管理できると案内しています。パスワードを教えるのではなく、後述する「オーナー・管理者として招待する」方法を使いましょう。
この方法なら、担当者が変わったときにその人だけをアクセスから外すことができ、他の人に影響が出ません。安全に管理を分担するための基本の考え方です。
権限を整理しておくと、こんなメリットがある
権限を正しく設定しておくと、複数人でも混乱なく運用できます。誰が編集できるのかがはっきりし、責任の所在も明確になります。
また、退職や契約終了のときにスムーズにアクセス権を回収できるため、情報を勝手に書き換えられるリスクを減らせます。とくに複数店舗を運営している場合は、権限の整理が運用効率にも直結します。
複数店舗の管理を効率化したい方は、複数店舗のMEOを効率よく回す仕組みもあわせてご覧ください。
オーナー・管理者・メインのオーナー、3つの役割と権限の違い

Googleビジネスプロフィールの権限は、大きく「オーナー」と「管理者」の2種類に分かれます。さらにオーナーの中に、特別な立場である「メインのオーナー」が1人だけ存在します。
それぞれ何ができて、何ができないのかを整理しておきましょう。役割を理解しておくと、誰にどの権限を渡すべきか判断しやすくなります。
オーナーができること
オーナーは、プロフィールを完全に管理できる立場です。ビジネス情報の編集はもちろん、ユーザーの追加と削除、プロフィールそのものの削除まで行えます。
つまり人の出入りとアカウントの存続を左右できる、もっとも強い権限です。ビジネスプロフィールには複数のオーナーを設定できますが、権限が強いぶん、渡す相手は慎重に選ぶ必要があります。
管理者ができること・できないこと
管理者(旧称サイト管理者)は、オーナーとほぼ同じ編集作業ができます。営業時間や住所の編集、写真の追加、口コミへの返信、投稿の作成など、日々の運用はひと通り任せられます。
一方で、ユーザーの追加や削除、プロフィールの削除はできません。つまり「編集はできるが、アカウントの支配権は持たない」立場です。スタッフや外部の運用担当には、まず管理者権限を渡すのが安全です。
管理者でも、Googleによる自動的な情報変更の承認や、Google広告アカウントとのリンク管理など、運用に必要な操作の多くは行えます。日々の集客活動でできることが大きく制限されるわけではありません。
メインのオーナーという特別な立場
メインのオーナーは、そのビジネスの主要な責任者として設定されるユーザーです。通常は、最初にプロフィールを作成しオーナー確認を済ませた人がメインのオーナーになります。
できる操作はオーナーと同じですが、メインのオーナーとして設定できるのは1人だけという点が特別です。メインのオーナーは、他に少なくとも1人のオーナーか管理者がいないと、自分自身を削除できません。
まだオーナー確認そのものが済んでいないという方は、先にビジネスプロフィールの登録とオーナー確認の手順を確認しておきましょう。
オーナーと管理者の違いを一覧で比較
両者の違いは、次のように整理できます。日常の運用作業、たとえば情報の編集、写真、投稿、口コミ返信、分析情報の確認などは、オーナーも管理者も共通してできます。
差が出るのは「ユーザーの追加・削除」と「プロフィールの削除」です。この2つはオーナーだけが行え、管理者にはできません。誰にアカウントそのものの権限を持たせるかが、役割選びの分かれ目になります。
言い換えれば、オーナーは「アカウントの持ち主」、管理者は「編集をまかされた人」というイメージです。この違いさえ押さえておけば、誰にどちらを渡すべきかで迷うことは少なくなります。
オーナー・管理者を追加する手順と、役割変更・削除の方法

役割の違いがわかったら、実際に権限を付与する手順を見ていきましょう。操作はパソコンでもスマートフォンでも行えます。
いずれも、メインのオーナーやオーナーの権限を持つアカウントでログインしてから操作します。
オーナー・管理者を追加する手順
追加は「ユーザーとアクセス権」の画面から行います。まずビジネスプロフィールを開き、メニューから「ビジネス プロフィールの設定」、続いて「ユーザーとアクセス権」を選びます。
次に左上の追加アイコンを選び、招待したい相手のメールアドレスを入力します。「アクセス」の欄で「オーナー」または「管理者」を選び、「招待」を押せば完了です。
招待された相手が承諾すると、すぐに管理できるようになります。招待が承諾されると招待元のオーナーにメールで通知が届くため、承諾されたかどうかも確認できます。
役割を変更する・削除する
いったん管理者として招待した相手を、後からオーナーへ変更することもできます。「ユーザーとアクセス権」で対象のユーザーを選び、「アクセス」の横の編集から新しい役割を選んで保存します。
不要になったユーザーは、同じ画面から削除できます。ただし他のオーナーや管理者の役割変更・削除ができるのはオーナーだけです。管理者権限しか持っていないと、他の人を選べない仕様になっています。
なお、ユーザーを削除しても、その人が過去に行った口コミへの返信や投稿は、プロフィール上に残ります。削除はあくまで「今後の編集権限を止める」操作だと理解しておきましょう。
自分自身を管理から外したいとき
退任などで自分を管理から外す場合は、ユーザーリストにある自分自身から「管理をやめる」を選びます。ただし、ここには注意点があります。
メインのオーナーは、他の誰かにメインのオーナー権限を譲渡するまで、自分自身を削除できません。譲渡の具体的な流れは、この後の章でくわしく説明します。
権限を「安全に」付与するためのチェックポイント

権限は便利な一方で、渡し方を誤るとトラブルの原因になります。ここでは、安全に付与するために押さえておきたい考え方を整理します。
「誰に」「どの権限を」「どうやって」渡すか。この3点を意識するだけで、リスクは大きく下がります。
「誰に」「どの役割を」渡すかを決める
まず、渡す相手が本当に信頼できるかを確認します。そのうえで、必要以上に強い権限を渡さないことが基本です。
日常の更新作業を任せたいだけなら、まずは管理者権限で十分なケースがほとんどです。ユーザーの追加・削除やアカウント削除までできるオーナー権限は、経営者やごく限られた責任者だけに絞るのが安全です。
役割は後から変更できるので、迷ったときは弱い権限から始めて、必要に応じて引き上げる進め方をおすすめします。
制作会社・MEO業者にアクセスを渡すときの注意
ホームページ制作会社やMEO業者に運用を任せる場合も、パスワードを教えるのではなく、管理者またはオーナーとして招待します。こうすれば、契約が終了したときにその業者だけをアクセスから外せます。
注意したいのは、業者名義のアカウントをメインのオーナーにしてしまうケースです。これをやると、解約時に自社でアカウントを取り戻せず、トラブルになることがあります。メインのオーナーは必ず自社側で保持しましょう。
どんな業者に任せるべきか迷っている方は、MEO業者の選び方と「ダメな業者」を見分けるサインも参考にしてください。
新しく追加したユーザーの「7日間ルール」
Googleには、新しくオーナーや管理者になったユーザーに対する制限があります。追加されてから約7日間は、一部の機能が使えません。
この7日間のうちは、プロフィールの削除や削除の取り消し、他のオーナー・管理者の削除、メインのオーナー権限の譲渡ができず、操作するとエラーが表示されます。これは乗っ取りを防ぐための仕組みです。
担当者の入れ替えやオーナー譲渡を予定しているときは、この7日間を見込んで、スケジュールに余裕を持たせておくと安心です。
なお、追加されてから7日以内に自分のアカウントを削除すると、そのままプロフィールから外れてしまいます。もし削除を思い直した場合は、もう一度招待してもらう必要があるため、この期間の操作は落ち着いて行いましょう。
メインのオーナー権限の譲渡と担当者交代の進め方

事業承継や担当者の交代、法人化などで、メインのオーナーを別の人に引き継ぎたい場面があります。ここでは譲渡の流れと、よくあるトラブルを見ていきます。
メインのオーナーは1人だけなので、引き継ぎは慎重に進めましょう。
メインのオーナー権限を譲渡する流れ
譲渡するには、まず引き継ぎ先の人を、あらかじめオーナーまたは管理者として追加しておく必要があります。プロフィールに他に少なくとも1人のオーナーか管理者がいないと、譲渡できません。
相手を追加したら、「ユーザーとアクセス権」から相手をメインのオーナーに設定します。譲渡が完了すると、元のメインのオーナーは通常のオーナーに変わります。その後、必要であれば自分を管理から外すこともできます。
よくあるトラブルと予防策
よくあるのが「担当者が退職したのに権限が残ったまま」というケースです。定期的に「ユーザーとアクセス権」を開き、今アクセスできる人を棚卸しする習慣をつけましょう。
また、メインのオーナーを外部業者にしていて、解約後に取り戻せないというトラブルも起こりがちです。メインのオーナーは自社で保持する、という原則を徹底してください。
退職や契約終了が決まった時点で、権限の見直しを「やることリスト」に入れておくと、対応漏れを防げます。人が入れ替わるタイミングこそ、権限を点検する絶好の機会です。
万が一プロフィールが表示されなくなった、アクセスできなくなったといった場合は、店舗がGoogleマップから消えた原因と復旧の手順もあわせて確認してみてください。
よくある質問(FAQ)

Q. オーナーは何人まで設定できますか?
オーナーは複数人設定できます。ただし、その中でメインのオーナーとして設定できるのは1人だけです。人数の上限よりも、誰に強い権限を渡すかを慎重に考えることが大切です。
Q. 管理者に口コミ返信や投稿は任せられますか?
はい、任せられます。口コミへの返信、投稿の作成・公開、写真の追加、営業時間や住所の編集などは、管理者でも問題なく行えます。ユーザーの追加・削除とプロフィールの削除だけがオーナー専用です。
Q. 追加した相手が承諾したかどうかは確認できますか?
確認できます。「ユーザーとアクセス権」の画面で、現在のユーザーと招待中(保留中)のユーザーを一覧で確認できます。承諾されると招待元にメールでも通知が届きます。保留中の招待はキャンセルすることも可能です。
Q. Googleグループを管理者やオーナーにできますか?
できません。Googleグループをプロフィールの管理者やオーナーとして追加することはできない仕様です。個人のGoogleアカウント単位で招待してください。
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