複数店舗のMEOを効率よく回す仕組みと運用の考え方

複数店舗をまとめて管理する多店舗MEOのイメージイラスト

店舗が増えるほど、Googleマップやローカル検索での集客、いわゆるMEOの作業量はふくらんでいきます。1店舗のときは片手間でできていた口コミ返信や店舗情報の更新も、5店舗・10店舗となると「どこから手をつければいいのか」が見えなくなりがちです。

とはいえ、店舗ごとに毎回バラバラに対応していては、時間がいくらあっても足りません。多店舗のMEOは、一つひとつの店舗をがんばる前に、まとめて管理する土台をつくることが成果への近道になります。

この記事では、複数店舗のMEOを効率よく回すための考え方を、店舗オーナーや本部担当者の目線で整理します。ビジネスグループによる一括管理から、本部と店舗の役割分担、店舗ごとの口コミ・投稿運用まで、順を追ってやさしく解説します。

目次

「1店舗のMEO」と「多店舗のMEO」は何が違うのか

1店舗と多店舗のMEO運用の違いを表すイラスト

多店舗のMEOは、1店舗のやり方をそのまま店舗数ぶん増やせばよい、というものではありません。作業量が増えるだけでなく、店舗ごとに置かれている環境が違うため、同じ施策でも効き方が変わってきます。

まずは「1店舗と何が変わるのか」を正しく押さえることが、破綻しない運用の第一歩です。ここでは代表的な3つの違いを見ていきます。

作業量が「店舗数ぶん」かけ算で増える

口コミへの返信、営業時間の更新、写真の追加、最新情報の投稿。これらはどれも1店舗なら数分の作業ですが、店舗数が増えるとそのまま人数ぶん・拠点ぶんの手間になります。

とくに口コミ返信は、放置すると評価の印象を下げる原因になります。店舗数が増えるほど「毎日どこかで新しい口コミがついている」状態になるため、対応の仕組みがないと必ずどこかで抜け漏れが起きます。

だからこそ多店舗では、一つずつ手作業でこなす発想から、まとめて処理する・分担して回す発想へ切り替える必要があります。この視点の転換が、後半で解説する一括管理や役割分担につながっていきます。

店舗ごとに「検索される場所」も競合も違う

Googleマップの表示順位は、検索した人との距離や地域との関連性などで変わります。つまり、同じチェーンでも渋谷店と郊外店では、ライバルになる競合店も、狙うべきキーワードも異なります。

本部が「全店で同じ施策をやろう」と号令をかけても、地域性を無視すると空回りしがちです。順位がどう決まるかの基本はGoogleマップの表示順位はどう決まる?でも詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。

多店舗運用では、共通で標準化する部分と、店舗ごとに現場で調整する部分を分けて考えることが大切です。すべてを本部で握ろうとすると、地域ごとの強みを取りこぼしてしまいます。

情報の「ばらつき」が最大のリスクになる

店舗が増えると、店名の表記ゆれや、住所・電話番号の入力ミスといった「情報のばらつき」が起きやすくなります。担当者が店舗ごとに違うと、書き方のルールが揃わないためです。

店名・住所・電話番号(NAP)の表記がGoogleビジネスプロフィールと自社サイトでバラバラだと、ユーザーにもGoogleにも「別の店では?」という混乱を与えかねません。多店舗でこそ、NAPの統一ルールを最初に決めておくことが重要です。

NAP統一の考え方はNAP統一とは?店名・住所・電話番号を揃えるべき理由と手順で具体的にまとめています。多店舗展開の前に、全社共通の表記ルールを整えておきましょう。

多店舗MEOの土台は「ビジネスグループ」でまとめて管理すること

ビジネスグループで複数店舗を一括管理する仕組みのイラスト

複数店舗を効率よく管理する土台になるのが、Googleビジネスプロフィールの「ビジネスグループ」という機能です。これを使うと、複数の店舗プロフィールを一つの単位としてまとめ、チームで共同管理できます。

まずはこの土台を整えることで、後の作業がぐっと楽になります。ここではビジネスグループの基本と、導入するメリットを整理します。

ビジネスグループ(旧ロケーショングループ)とは

ビジネスグループは、以前「ロケーショングループ」と呼ばれていた機能で、複数の店舗プロフィールをまとめて扱うための箱のようなものです。Googleビジネスプロフィール マネージャー上で作成できます。

個人のGoogleアカウント1つに店舗をぶら下げるのではなく、グループとして管理することで、複数の担当者で安全に運用を分担できます。担当者が変わっても店舗情報が引き継がれる状態にしておくのが、多店舗運用の基本設計です。

まだ店舗ごとに個別のアカウントで登録している場合は、早い段階でグループへ集約しておくと後が楽になります。店舗が増えてから移行するより、少ないうちに整えるほうが手間がかかりません。

グループにまとめると何が楽になるか

ビジネスグループにまとめる最大の利点は、複数店舗の情報を一覧で確認し、まとめて更新できることです。営業時間の一斉変更や、年末年始の休業設定などを一括で反映できます。

個別のプロフィールを1店舗ずつ手で開いて直す作業に比べ、時間を大きく短縮できます。手作業が減るぶん、入力ミスや設定漏れといったヒューマンエラーも起きにくくなります。

もちろん、グループにまとめても店舗ごとの個別調整は可能です。共通部分は一括で、店舗独自の部分は個別で、という使い分けができるのが強みです。

権限を共有して属人化を防ぐ

ビジネスグループでは、メンバーを招待して管理権限を共有できます。これにより、特定の担当者しかログインできない「属人化」を防げます。

担当者の退職時にアカウントごと使えなくなる、といったトラブルは多店舗運用でよく起こります。あらかじめ複数人で権限を持ち合っておけば、いざというときも運用が止まりません。

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10店舗以上なら「一括登録」と「一括オーナー確認」を活用する

10店舗以上の一括登録と一括オーナー確認のイメージ

店舗数が多い場合、1店舗ずつ登録して個別にオーナー確認をするのは大変です。Googleは、複数拠点をまとめて追加・確認・管理できる仕組みを用意しています。

とくに10店舗以上を運営している場合は、一括登録と一括オーナー確認が有効です。ここではその流れを、実務のイメージとともに整理します。

スプレッドシートによる一括インポート

複数の店舗情報は、スプレッドシートにまとめて一括でインポートできます。各店舗の店名・住所・電話番号・ウェブサイト・カテゴリなどを列に分けて用意し、ファイルとして取り込む方法です。

対応するファイル形式は、xlsやxlsx、ods、csvなどです。1件ずつ手入力するより、一覧表でまとめて用意したほうが表記のばらつきも防ぎやすいという利点があります。

新規に登録するときだけでなく、既存店舗の情報をまとめて更新するときにもインポートは使えます。営業時間や電話番号の変更を、一覧表を直して取り込むだけで反映できます。

ストアコードで店舗を識別する

一括管理では、店舗ごとに「ストアコード(店舗コード)」という固有の識別番号を付けておくと便利です。どの行がどの店舗かを取り違えず、更新ミスを防げます。

まだ独自のコードがない場合は、ブランド名と連番を組み合わせる方法をGoogleも案内しています。たとえば「MyShop01」「MyShop02」のように、ひと目で自社の何番店か分かる付け方にしておくと管理しやすくなります。

ストアコードは社内の店舗番号と揃えておくと、レポート作成や社内共有もスムーズです。最初にルールを決めて、全社で統一しておきましょう。

チェーン向けの一括オーナー確認

店舗数が多い場合、通常のハガキや電話による確認を1店舗ずつ行うのは現実的ではありません。Googleには、チェーン向けにまとめてオーナー確認を申請する仕組みがあります。

申請には、店舗名や地域、管理担当者の連絡先などの情報が必要になります。審査には一定の日数がかかる場合があるため、余裕をもって進めるのが安心です。

なお、1店舗ずつの基本的な登録とオーナー確認の流れはGoogleビジネスプロフィールの登録とオーナー確認の手順で解説しています。仕組みの全体像を押さえたうえで、一括の仕組みを検討するとスムーズです。

本部と店舗の「役割分担」と権限設計

本部と店舗の権限設計・役割分担のイメージ

多店舗MEOがうまく回るかどうかは、本部と店舗の役割分担で大きく決まります。すべてを本部で抱えても、すべてを店舗任せにしても、どこかで無理が出ます。

大切なのは、共通ルールで統一する部分と、現場に委ねる部分の線引きです。ここでは役割分担と、それを支える権限設計の考え方を見ていきます。

何を本部が握り、何を店舗に任せるか

店名の表記、カテゴリの選び方、説明文のトーンなど、ブランド全体で揃えるべき部分は本部がルール化するのが向いています。ここがバラつくと、チェーン全体の信頼感が損なわれるためです。

一方で、日々の口コミ返信や、その店ならではの写真・最新情報の投稿は、現場に近い店舗スタッフが担うほうが自然です。「型は本部・中身は現場」という分担が、多店舗MEOの基本形になります。

この線引きを最初に文書化しておくと、担当者が変わってもぶれません。マニュアルやチェックリストの形にして、全店で共有しておきましょう。

権限(オーナー・管理者)の付与ルール

Googleビジネスプロフィールでは、メンバーに「オーナー」や「管理者」といった権限を付与できます。権限の種類によって、できることの範囲が変わります。

本部はオーナー権限で全体を管理し、店舗スタッフには日々の運用に必要な管理者権限を渡す、といった設計が一般的です。オーナー権限は本部側で複数人が確実に保持しておくことで、店舗の担当者が抜けても管理不能に陥りません。

誰にどの権限を渡すかは、あらかじめルール化しておくと安全です。むやみにオーナー権限を配りすぎると、管理が甘くなり乗っ取りなどのリスクも高まります。

退職・異動時の権限棚卸し

多店舗運用でとくに見落とされがちなのが、退職・異動した担当者の権限が残り続ける問題です。使われていないアカウントに権限が残っていると、セキュリティ上のリスクになります。

定期的に「今、誰にどの権限があるか」を棚卸しし、不要な権限は外す運用を習慣にしましょう。半年に一度など、タイミングを決めて見直すのがおすすめです。

店舗ごとの魅力を出す「投稿・写真・口コミ」運用

店舗ごとの投稿や口コミ運用のイメージ

一括管理の土台が整ったら、次は各店舗の魅力をどう伝えるかです。効率化と個性の両立が、多店舗MEOで成果を伸ばす鍵になります。

ここでは、投稿・写真・口コミという3つの運用について、標準化と現場らしさのバランスを考えていきます。

テンプレ+現場のひと工夫で投稿を回す

最新情報の投稿は、本部がテンプレートやネタの型を用意すると、店舗の負担が軽くなります。季節のキャンペーンや定番メニューなど、共通で使える素材を配布する形です。

ただし、まったく同じ文面を全店でコピーするのはおすすめしません。テンプレをベースにしつつ、その店ならではの一言や写真を足すことで、来店を後押しする投稿になります。

投稿を続けるコツは、完璧を目指さず頻度を保つことです。月に数回でも定期的に更新される店舗は、活気があると受け取られやすくなります。

写真は店舗ごとの「実物」を載せる

写真は、本部がつくった共通のイメージ画像だけで済ませず、各店舗の実際の外観・内観・商品を載せることが大切です。ユーザーは「実際に行ったらどんな店か」を写真で確かめています。

共通素材ばかりだと、どの店も同じに見えて来店の決め手になりません。店舗ごとのリアルな写真が、来店前の不安を減らし選ばれる理由になるという点は押さえておきましょう。

写真で集客を伸ばす具体的なコツはビジネスプロフィールの写真で集客を伸ばす実践ガイドにまとめています。店舗スタッフ向けの撮影ルールづくりの参考にしてください。

口コミは「集める仕組み」と「返信ルール」を標準化する

口コミは、多店舗でこそ仕組み化の効果が大きい領域です。声かけのタイミングやQRコードの案内など、集め方を全店で標準化すると、店舗間のばらつきが減ります。

集め方の現実的な方法は嫌味なく口コミを集める現実的な方法で解説しています。全店共通のお願いトークとして展開すると導入しやすくなります。

返信についても、良い口コミ・悪い口コミそれぞれの基本方針を本部が例文で示しておくと、店舗が迷わず対応できます。返信の基準を揃えることで、チェーン全体の印象を安定させられます。

よくある質問(FAQ)

多店舗MEOのよくある質問のイメージ

Q. 多店舗のMEOは何店舗から「一括管理」を考えるべきですか?

明確な決まりはありませんが、2〜3店舗になった段階でビジネスグループへの集約を検討するのがおすすめです。少ないうちに土台を整えるほど、後の移行や引き継ぎがスムーズになります。

スプレッドシートによる一括登録や一括オーナー確認は、10店舗以上の規模でとくに効果を発揮します。店舗数と作業負担のバランスを見ながら、段階的に仕組みを取り入れましょう。

Q. 店舗ごとにアカウントを分けたほうがよいですか?

店舗プロフィール自体は店舗ごとに1つずつ必要ですが、管理する側のアカウントは個別に分けるより、ビジネスグループでまとめて共同管理するほうが安全です。担当者に依存しない運用体制を組めます。

個人のGoogleアカウントに紐づけたままだと、その人の退職時に管理できなくなるリスクがあります。早めにグループへ集約しておきましょう。

Q. 多店舗MEOの効果はどれくらいで出ますか?

効果の出方は地域や競合状況によって異なり、必ずいつまでに順位が上がると断言できるものではありません。一般には、情報を整え、口コミや投稿を継続していく中で、数か月かけて少しずつ変化が見えてくることが多いです。

大切なのは、短期の順位変動に一喜一憂せず、全店で運用を続けられる仕組みを保つことです。継続できる体制そのものが、多店舗では最大の武器になります。

Q. 本部だけでMEOを完結できますか?

情報の統一やルール整備は本部で完結できますが、口コミ返信やその店ならではの写真・投稿は、現場の協力があるほうが質が高まります。本部と店舗の分担を前提に設計するのが現実的です。

本部がすべてを抱え込むと、店舗数が増えたときに必ず手が回らなくなります。無理なく続く分担を最初に決めておきましょう。

まずは各店舗の「今の見られ方」を把握することから

多店舗MEOの改善は、各店舗がGoogleマップで今どう見られているかを把握することから始まります。順位や口コミの状況を店舗ごとに見える化すると、どこから手をつけるべきかが明確になります。

私たちが開発・運営するMEO支援ツール「access-meo」は、店舗のマップ順位や店舗情報をまとめて確認できるサービスです。多店舗の運用でお困りごとがあれば、お気軽にお問い合わせください。導入前のご相談も歓迎しています。

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この記事を書いた人
三田健司
三田健司
access-meo 開発・運営/株式会社アクセス・リンク 代表取締役

全日本SEO協会認定SEOコンサルタント。Webサイト制作・SEOを10年以上、延べ1,000件以上支援してきた実績をもとに、Googleマップ・ローカル検索(MEO)での集客を可視化し、改善まで後押しする支援ツール「access-meo」を開発・運営しています。個人事業主や中小企業の店舗集客をサポートします。

(社)全日本SEO協会 認定SEOコンサルタント

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