お客様が「おいしかった!」「ここのカット最高」とSNSに投稿してくれた。写真もきれいで、文章もうれしい内容。
これを自分の店のInstagramやホームページに載せたら、きっと良い宣伝になる——そう思って、スクリーンショットを撮ろうとした手が止まったことはありませんか。
結論から言うと、お客様の投稿を店が使うときは、原則として投稿した本人に許可をもらってください。SNSの利用規約に本人が同意していることは、店側に「勝手に使っていい権利」を与えてくれるものではありません。
ただ、「だから一切使わないほうがいい」という話ではありません。声をかける手順と、確認すべきポイントを決めておけば、お客様の投稿はローカル集客のいちばん自然な追い風になります。
この記事では、店舗オーナーが実際につまずくところに絞って、著作権・肖像権・ステマ規制という3つのルールの関係、転載前の6つのチェックポイント、Instagram・X・Googleの口コミという媒体ごとの違い、そして許可のもらい方と記録の残し方を順番に整理します。
お客様の投稿を店が使うとき、効いてくるルールは3つある

「お客様の投稿を載せていいか」という質問は、実はひとつの問題ではありません。少なくとも3つの別々のルールが、同時に、別の角度から効いてきます。
この3つを分けて考えられるようになると、判断が一気に楽になります。逆に混ぜて考えていると、「許可を取ったから全部大丈夫」という誤解に陥りがちです。
著作権:写真と文章の権利は、撮った・書いた人にある
写真も文章も、撮ったり書いたりした瞬間にその人のものになります。著作権法では、著作物を創作した人に権利が発生すると定められていて(著作権法17条)、登録や申請は要りません。
つまり、お店の料理を撮った写真であっても、その写真の著作権は撮ったお客様のものです。被写体が自分の店の商品だから店に権利がある、ということにはなりません。
その写真を無断でコピーして自分のSNSに上げると複製権(21条)に、ホームページに掲載すると公衆送信権(23条)に関わってきます。どちらも権利者の許諾が前提の行為です。
なお、「おいしかったです」程度のごく短い一文は、創作性がないとして著作物にあたらない可能性があります。ただしこれは「短い口コミなら自由に使える」という話ではなく、後述する肖像権やステマ規制は別途かかってくるため、短さを理由に無断転載を正当化するのは危険です。
「引用なら大丈夫では」と考える方もいます。著作権法32条は引用を認めていますが、条文上の要件は「公表された著作物であること」「公正な慣行に合致すること」「引用の目的上正当な範囲内であること」の3つで、これに加えて判例が「引用部分が明瞭に区別されていること」「自分の文章が主、引用部分が従であること」を求めています(最高裁昭和55年3月28日判決)。
出所の明示も必要ですが、これは32条ではなく48条の義務です。SNS投稿を写真ごと丸ごと貼り付けて「お客様の声」として見せる使い方は、投稿が主役になってしまうため、通常は引用にはあたらないと考えてください。
肖像権・プライバシー:写っている人の気持ちの問題でもある
肖像権は、実は法律に明文の規定がありません。最高裁が憲法13条を根拠に「みだりに容ぼう等を撮影されない自由」を認めた判決(昭和44年12月24日)を起点に、その後の民事裁判で「法的保護に値する人格的利益」として扱われてきたものです。
条文がないからこそ、線引きは「本人がどう感じるか」に寄ります。友達に見せるつもりで上げた顔写真が、店の広告として不特定多数に出る——これは本人にとって想定外の使われ方です。
実務で怖いのは、投稿者本人ではなく「一緒に写っている人」です。ご家族、お友達、たまたま後ろの席に写り込んだ他のお客様。
投稿者からOKをもらっても、その人たちの了解は取れていません。
さらに、氏名や顔写真は個人情報保護法上の個人情報にあたります(2条1項)。お客様の名前や顔を店のサイトに載せるなら、取得のときに「自社ホームページ・SNSへの掲載に使う」ことを利用目的として伝えておく運用が求められます(17条・18条・21条)。
加えて、本人から「消してほしい」と求められたときに応じられる体制も必要です(35条)。クリニックや整骨院のように、症状や施術内容が絡む場合は要配慮個人情報(2条3項)になり、取得そのものに原則として本人の同意が必要になります(20条2項)。
なお、個人情報保護法は2026年7月17日に改正法が公布され、課徴金制度の新設や、16歳未満の個人情報について法定代理人(保護者)への通知・同意を求める規定などが加わりました。施行は公布から2年以内とされているため、お子様が写った写真の扱いは、いま以上に慎重な運用が求められる方向に進んでいきます。
景品表示法(ステマ規制):店が関与したなら、それを隠さない
3つめが、2023年10月1日に施行されたいわゆるステマ規制です。景品表示法5条3号に基づく告示で、「一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示」が禁止されました。
ポイントは、規制の対象が投稿したお客様やインフルエンサーではなく、商品・サービスを提供する事業者(つまりお店)だという点です。違反すると措置命令の対象になります。
消費者庁のQ&Aを読むと、線引きはかなり具体的です。「口コミを書いてくれたら割引」のように投稿を促すこと自体は、投稿内容を指示していなければ通常「事業者の表示」にはあたりません。
一方で、「星5をつけてください」「〇〇と書いてください」と内容を指定すると、それは店の表示として扱われます。ここは口コミ依頼の実務で最もつまずきやすい境目です。
そして転載の場面でもう一段きついルールがあります。第三者の投稿を自社サイトに載せる場合、恣意的に抽出せず内容を変えずそのまま引用するのであれば「事業者の表示」にはあたりませんが、好意的なものだけを選んだり、良い部分だけを抜き出したりすると「事業者の表示」になり、「広告」「PR」などの明示が必要になります。
実際に、2025年3月25日にはロート製薬に対して措置命令が出ています。モニターに商品を無償提供してInstagramへの投稿を依頼し、その投稿を自社ウェブサイトに抜粋して掲載した際にPR表記を付けていなかったことが、この5条3号違反と認定された事例です。
店舗規模でも構図はまったく同じです。何かを渡して投稿してもらい、それを店のサイトに「お客様の声」として並べるなら、店が関与していることをはっきり書く必要があります。
口コミ依頼に特典を絡めるときの考え方は、口コミ依頼で特典を渡すのはOK?規約と景表法の注意点でも詳しく整理しています。
なお、業界の自主ルールであるWOMJガイドラインも2026年1月7日に改訂され、関係性の明示に関する表現が見直されています。法令だけでなく、こうした業界ルールも折に触れて確認しておくと安心です。
転載する前に確認したい6つのチェックポイント

ここからは実務の話です。お客様の投稿を見つけて「使いたい」と思ったときに、上から順にチェックしていける形にまとめました。
6つすべてが「はい」になれば、あとは許可をもらうだけです。ひとつでも「いいえ」や「わからない」が出たら、そこを解消するまで掲載を止めてください。
① その投稿は、本当にその人が撮ったものか
まず意外な落とし穴から。SNSには、他人の写真を転載しただけの投稿が混ざっています。
写真だけが妙にきれいだったり、店内の雰囲気と季節感が合わなかったりする投稿は要注意です。
その投稿者から許可をもらっても、元の撮影者が別人なら権利は解決していません。許可をもらう相手は「投稿した人」ではなく「その写真を撮った人」だという原則を押さえておいてください。
判断がつかないときは、声をかけるときに「この写真はご自身で撮影されたものでしょうか」と一言添えるのが確実です。聞かれて怒る人はまずいません。
② 写っている人全員の了解は取れているか
投稿者ひとりの自撮りなら話は簡単です。問題は、友人と一緒の写真、家族が写った写真、背景に他のお客様が写り込んでいる写真です。
投稿者に許可を取るとき、「一緒に写っている方にもご確認いただけますか」と依頼するのが基本になります。手間に感じるかもしれませんが、後から「勝手に使われた」と言われるリスクを考えれば圧倒的に安いコストです。
現実的な回避策として、人物が写っていない写真だけを使うという割り切り方もあります。料理、内装、商品、外観のカットに絞れば、肖像権の論点はほぼ消えます。
お子様が写っている写真は特に慎重に扱ってください。前述のとおり16歳未満の個人情報については保護者の同意を求める改正が進んでおり、保護者本人からの明確な了解がない子どもの顔写真は、当面は使わない判断が無難です。
③ 店が対価や便益を渡していないか
ここがステマ規制に直結します。無料で提供した、割引した、次回使えるクーポンを渡した、モニターとして招待した——いずれも「便益の提供」です。
便益を渡して投稿してもらい、その投稿を店のサイトに転載するなら、店の関与を明示してください。「PR」「広告」「〇〇店から商品提供を受けています」といった表記を、読者が見落とさない位置に置くのがポイントです。
消費者庁のQ&Aでは、依頼して書いてもらった投稿を「お客様の声」として掲載するのは不適当とされています。依頼したものは依頼したものとして見せる、という整理です。
④ 都合のいい投稿だけを選んでいないか
これは多くの店が見落とすポイントです。何も渡していない自然な投稿であっても、褒めているものだけを集めて並べると「事業者の表示」と判断される余地が生まれます。
さらに、投稿の一部だけを切り取る行為も同じです。「味は良かったけど待ち時間が長かった」という投稿から前半だけを抜くと、内容を変えたのと変わりません。
安全側に振るなら、選ぶ基準を自分で決めて明記してしまうのが有効です。「直近3か月にいただいた投稿から、掲載の許可をいただけたものを新しい順に掲載しています」と書いておけば、恣意性の疑いはかなり薄まります。
⑤ 削除を求められたときに、すぐ下げられるか
SNSの投稿は、投稿者が自分の判断でいつでも消せます。ところが店が転載したコピーは、投稿者には消せません。
これは転載が嫌がられる大きな理由のひとつです。だからこそ、「掲載をやめてほしい」と言われたら速やかに削除することを、許可をもらう段階で先に約束しておいてください。
実務としては、掲載しているページの下に連絡先を置き、誰が対応するかを決めておくだけで足ります。個人情報保護法上の利用停止請求への対応窓口も、これで兼ねられます。
⑥ その媒体の規約に反していないか
著作権や肖像権とは別に、プラットフォームごとの規約があります。同じ「転載」でも、Instagram、X、Googleの口コミでルールの形が違います。
規約違反は、法律違反とは別の問題として扱われます。最悪の場合はアカウント停止につながるため、法律だけ見て安心しないでください。
次の章で媒体別に整理します。
媒体別の注意点|Instagram・X・Googleの口コミ

「スクリーンショットを貼る」のと「埋め込み機能で表示する」のは、技術的にも規約上も別物です。ここを混同していると、思わぬところでつまずきます。
媒体ごとに、何が明確に決まっていて、何がまだはっきりしていないのかを分けて見ていきましょう。
Instagram:埋め込みでも許可を取るのが安全
Instagramの利用規約でユーザーがMetaに与えているライセンスは、ユーザーとMetaの間のものです。コンテンツの所有権はユーザーに残ります。
よく話題になるのが2020年6月の一件です。埋め込み機能を使えば許諾が要らないのかという報道機関の照会に対し、当時のFacebookが「埋め込み機能は画像を使用する許諾を含まない」と回答しました。
ただしこれはプレスリリースや規約改定として出されたものではなく、取材への回答という形です。「Metaが公式に埋め込みを禁止した」という説明を見かけたら、少し割り引いて読んだほうがよいという程度に理解しておいてください。
運用面でもう一点。2021年12月から、ユーザー側で自分の投稿の埋め込みを無効化できる設定が用意されています。
埋め込みに頼った掲載は、投稿者の設定変更で突然表示が消える可能性があるということです。
日本の裁判所が埋め込み表示の適法性についてどう判断するかは、まだ確立した判例がありません。米国では埋め込み自体は公衆送信にあたらないとする判断もありますが、日本での結論を断定できる状況ではないため、実務では許可を取る運用に統一するのが現実的です。
InstagramとMEOをどうつなげるかという全体の設計は、InstagramなどSNSとMEOをつなげて相乗効果を出すで扱っています。
X(旧Twitter):埋め込みは推奨、でも販促利用は別の話
Xは、ポストやタイムラインを表示する際のルールをDisplay requirementsとして公開しています。そこでは、スクリーンショットではなく埋め込み機能を使うことが強く推奨されています。
ここで終わらせてしまうと危険です。同じページには、「場合によっては元の作成者からの許諾が依然として必要になる」「Xはサードパーティやユーザーのコンテンツの使用許諾を与えるものではない」という記載があります。
さらに禁止事項として、ユーザーの明示的な許諾なくXのコンテンツを製品やサービスのプロモーションに使用しないことが挙げられています。店が集客目的でお客様のポストを載せる行為は、まさにこれに該当し得ます。
結論として、Xでも「埋め込みを使う+投稿者の許可を取る」の両方をやってください。埋め込みだからOK、という理解は規約の読み落としです。
Googleの口コミ:コピーして貼るより「リンクで見せる」
Googleの口コミを自社サイトに手でコピーして貼るのはどうか、という質問は本当によく受けます。「Googleが禁止している」という説明が広く流布していますが、これはヘルプコミュニティ上の回答が出典で、Googleの公式文書として明記されたものは確認できません。
断定できるのは2点です。ひとつは、口コミ本文の著作権は投稿者に残るということ。
もうひとつは、Google Maps Platformの規約はAPI経由の利用に適用され、コンテンツの保存やキャッシュに制限があるということです。
API経由で口コミを表示する場合は、帰属表示が必須です。現行のポリシーではGoogle Mapsのロゴ、表示スペースが限られる場合はテキストで「Google Maps」と示すことが求められています。
ここは古い情報が残りやすいところで、以前よく使われた「Powered by Google」という表記は現行の要件ではありません。新しく実装するなら「Google Maps」表記に合わせるのが正解です。
API表示ではさらに、投稿者の帰属(アイコン・名前・プロフィールへのリンク)、口コミの原典へアクセスできるリンク、そして並び順や絞り込み方法の明示も求められます。手作りで満たすのは現実的ではないため、対応済みのプラグインやサービスを使うのが早いでしょう。
手間をかけずに安全側に寄せたいなら、答えはシンプルです。「『スタッフの説明が丁寧』といった声を多数いただいています。
口コミはこちらからご覧ください」とリンクを置く形にすれば、著作権も規約もほぼ論点になりません。
なお、お客様が投稿した店舗写真がGoogleマップ側に表示される件は、転載とは別の論点になります。そちらは他の人が投稿した店舗写真の扱いと削除依頼の考え方で整理しています。
許可のもらい方と、記録の残し方

ここまで読むと身構えてしまうかもしれませんが、実際の作業はとても短いです。DMを一通送るだけで済むことがほとんどです。
むしろ、声をかけたことがきっかけでお客様との距離が近づくケースもよくあります。「見てくれていたんだ」と喜ばれる場面のほうが多いはずです。
DM・コメントでの声のかけ方(そのまま使える文例)
いきなり「使わせてください」だけ送ると、身構えられてしまいます。お礼、どこで何に使うか、断ってもよいこと、あとから取り消せることの4点を入れると、返事をもらいやすくなります。
文例はこんな形です。そのまま使えるように、店名だけ差し替えてお使いください。
ご投稿を拝見し、とても嬉しく思っております。
もしご迷惑でなければ、当店のInstagramとホームページの「お客様の投稿」欄で、この写真とコメントを紹介させていただけないでしょうか。
お名前はアカウント名のみ記載し、投稿元へのリンクを添えます。
難しければお断りいただいて大丈夫ですし、掲載後に取り下げのご連絡をいただければすぐに削除いたします。
この文面には狙いがあります。使う場所(媒体)、使う範囲(写真とコメント)、名前の扱い、撤回できること——後から争いになりやすい4点を先に潰しています。
人物が写っている場合は、ここに一文足してください。「お写真に写っていらっしゃる方にも、ご確認いただけますと助かります」と添えるだけで十分です。
返信がなかった場合は、掲載しないのが原則です。無反応は「同意」ではありません。
ここを曖昧にしないことが、長く続ける上でいちばん大事です。
先に同意をもらっておく「事前同意」型の作り方
投稿を見つけるたびに個別に連絡するのは、件数が増えると回りません。そこで有効なのが、投稿してもらう前に同意をもらっておく形です。
やり方はいくつかあります。ハッシュタグキャンペーンの応募規約に「ご投稿いただいた写真・文章は当店の各媒体で紹介させていただく場合があります」と書いておく方法が代表的です。
店頭のフォトスポットに案内を掲示する方法もあります。「このスポットで撮影・投稿いただいた写真は、当店のSNSで紹介させていただくことがあります」と明記しておけば、その場で意思表示ができます。
ただし事前同意にも限界があります。キャンペーンで景品を出しているなら便益の提供にあたるため、転載時にはステマ規制の表示が必要になります。
事前同意は著作権の論点を軽くしますが、ステマ規制を免除してくれるものではないと覚えておいてください。
記録は「誰に・いつ・どこまで」を残す
許可をもらったら、その事実を残してください。数年後に「聞いてない」と言われたときに、記憶だけでは戦えません。
残すべき項目はシンプルです。投稿者のアカウント名、投稿のURL、依頼した日、許可をもらった日、許可の範囲(どの媒体で・写真だけか文章も含むか)、そして許可メッセージのスクリーンショットです。
スプレッドシート1枚で十分です。1件あたり1分で記録できる形にしておくことが、続くかどうかの分かれ目になります。
担当者が変わったときのために、この記録の場所は店のマニュアルに書いておいてください。引き継ぎ漏れで記録だけ消えるのは、よくある事故です。
載せ方の工夫で、印象も効果も変わる

許可が取れたら、次は見せ方です。同じ投稿でも、載せ方によって信頼されるかどうかが変わります。
ここでの目標は2つ。トラブルの芽を減らすことと、読んだ人が「この店に行ってみよう」と思える形にすることです。
出典と投稿者を明記する
誰の投稿かをはっきり書いてください。アカウント名を記載し、元の投稿へのリンクを添えるのが基本形です。
これは著作権法48条の出所明示の趣旨に沿うだけでなく、読者にとっても信頼材料になります。出典のない「お客様の声」は、店が自分で書いたものと区別がつかないからです。
本名を出したいと言われた場合も、イニシャルや「30代・女性」といった形にとどめておくほうが安全です。本人の希望であっても、後から気が変わることは珍しくありません。
加工・トリミングは最小限にとどめる
写真の色味を変えたり、文字を載せたり、トリミングしたり。店のデザインに合わせたくなる気持ちはわかりますが、ここは抑えたほうがよい部分です。
著作権には、勝手に改変されない権利(同一性保持権)も含まれます。加工が必要なら、許可をもらうときに「サイズ調整のためトリミングする場合があります」と伝えておいてください。
文章についても同じです。前述のとおり、良い部分だけを抜き出す編集はステマ規制に触れる可能性があるため、引用するなら全文をそのまま載せるのが原則になります。
誤字をそのまま出すのが気になる場合もあるでしょう。その場合も勝手に直すのではなく、「原文のまま掲載しています」と一言添えるのが誠実な形です。
自分たちで撮った写真を増やすのが、結局いちばん強い
ここまで書いてきて、逆説的に思えるかもしれませんが、店が自分で撮った写真には権利の問題がまったくありません。許可も記録も不要で、いつでも好きなように使えます。
Googleビジネスプロフィールに載せる写真も、ホームページに使う写真も、自前で撮ったものが土台になります。お客様の投稿は「あくまで補強材料」と位置づけるほうが、運用はずっと軽くなります。
スマホでも十分に伝わる写真は撮れます。明るさと構図の押さえ方は、スマホでできる店舗写真の撮り方(明るさ・構図・枚数)にまとめてあります。
また、お客様の声を集めたいなら、転載よりもGoogleの口コミを増やすほうが集客効果は素直に出ます。口コミは検索結果に直接効きますが、自社サイトへの転載は検索結果には出てきません。
ちなみに、口コミ本文に他のお客様の実名などが書かれてしまった場合の対応は、また別の判断が必要です。そちらは口コミに顧客の実名や個人情報が書かれた時の対応で扱っています。
よくある質問

店をタグ付けしてくれた投稿なら、許可なく使ってよいのでは?
タグ付けは「店に知らせたい」という意思表示であって、「店が自由に使っていい」という許諾ではありません。ストーリーズでのシェア機能のように、プラットフォームが正式に用意した共有の仕組みを使う場合を除き、許可を取ってください。
迷ったときの基準はひとつです。投稿者が驚くかどうか、を想像してみてください。
スクリーンショットを撮って貼るのはダメですか?
スクリーンショットは複製にあたるため、許可が必要です。XのDisplay requirementsでも、スクリーンショットより埋め込み機能の使用が推奨されています。
許可を取ったうえで、可能なら埋め込み機能を使う。この順番が最も安全です。
口コミを1〜2文だけ引用するのも許可が必要ですか?
ごく短い一文は創作性がなく著作物にあたらない可能性があるため、著作権の論点だけ見れば軽くなります。ただし、良い部分だけを抜き出す編集はステマ規制の観点で問題になり得ますし、投稿者の心情面のリスクも残ります。
短くても一言確認する、あるいはGoogleの口コミページへのリンクで見せる。この2択にしておくのが実務的です。
過去に無断で載せてしまったものは、どうすればよいでしょうか
まず一覧にして、状況を確認してください。人物が写っているもの、便益を渡した相手の投稿、抜粋して載せているものが優先的に見直す対象です。
対応は3択になります。いまから許可を取りにいく、リンクでの紹介に切り替える、取り下げる。
クレームが来る前に自分から動くほうが、圧倒的に穏便に終わります。
「PR」と書くと効果が落ちるのではないですか?
消費者庁は、事業者の関与が明らかになっている広告・宣伝活動そのものを妨げる意図はないとしています。つまり、堂々と広告として出す分には何の問題もありません。
むしろ、隠していたことが後から発覚するほうがダメージは大きいです。関与があるなら書く、と割り切ったほうが長期的には得になります。
判断に迷うケースはどう扱えばよいですか
この記事は一般的な考え方を整理したもので、個別の事案についての法的な判断を示すものではありません。契約や損害賠償が絡む可能性がある場面、権利者から連絡が来た場面では、弁護士などの専門家にご相談ください。
また、医療・美容医療のように広告規制が別途かかる業種では、そちらのルールが優先します。自院の広告物については、所管の行政窓口や専門家に確認する運用にしてください。
お店のローカル集客について相談したい方へ
お客様の投稿は、うまく扱えば強力な後押しになります。一方で、Googleマップでそもそも見つけてもらえていなければ、その投稿すら生まれません。
株式会社アクセス・リンクでは、Googleビジネスプロフィールの整備から口コミ運用の設計、ホームページとの連携まで、店舗のローカル集客をまとめてご支援しています。代表の三田は全日本SEO協会認定SEOコンサルタントとして、10年以上・延べ1,000件以上のWeb制作とSEO/MEO支援に携わってきました。
「お客様の声をどう見せればよいか」「自店の見え方を確認したい」といったご相談は、お問い合わせフォームからお気軽にお寄せください。まずはご自身で現状を確かめたい方は、下のバナーから無料のGoogleマップ順位チェックをお試しいただけます。
