自分の会社名や店名でGoogle検索したとき、検索結果の脇や上部に「会社の名前・写真・住所・公式サイトへのリンク」がひとまとめになった枠が出てくることがあります。これがナレッジパネルと呼ばれるものです。
この枠は、あなたの会社を初めて調べた人が最初に目にする「名刺」のような存在です。ところが自動的に作られるため、古い住所が残っていたり、他社の情報が混ざっていたりすることが少なくありません。
この記事では、ナレッジパネルとは何か、Googleビジネスプロフィールとどう違うのか、そして表示される情報を正しく整えるために店舗・中小企業のオーナーが実際にできることを、Google公式ヘルプの内容にもとづいて順番に解説します。
専門的な作業に見えるかもしれませんが、大半は「公式サイトの情報をきちんと書いておく」「あちこちの表記を揃える」という地道な作業です。今日からでも着手できる内容にしぼってお伝えします。
ナレッジパネルとは?店名で検索したときに出る情報のかたまり

ナレッジグラフをもとに自動で作られる情報ボックス
Googleの公式ヘルプでは、ナレッジパネルを「ナレッジグラフに存在する対象(人、場所、組織、物事など)を検索したときにGoogleに表示される情報ボックス」と説明しています。ナレッジグラフとは、Googleが世の中の物事とその関係性を整理して蓄えているデータベースのようなものです。
大切なのは、ナレッジパネルは自動的に生成されるものであり、店舗側が「作る」ものではないという点です。ウェブ上に存在するさまざまな情報をGoogleが読み取り、まとめて表示しています。
つまり、申し込みボタンを押せば出てくる、という類のものではありません。ウェブ上に「その会社が確かに存在し、こういう組織である」と判断できる材料が十分にそろって初めて表示されます。
ただし、すでに表示されているパネルについて「認証を受ける」申請をすることは可能です。また、実店舗を持つ事業ならGoogleビジネスプロフィールは自分で作成・申請できますので、この2つとは混同しないようにしてください。
パソコンとスマートフォンで表示される位置が違う
ナレッジパネルは、パソコンで検索した場合は検索結果の右側に、スマートフォンで検索した場合は検索結果の上部に表示されることが多い枠です。画面の広さによって置かれる場所が変わるだけで、中身は基本的に同じものです。
実際に確認するときは、必ずスマートフォンでも見てください。多くの人はスマホで検索しており、そこでは検索結果の一番上、つまり最も目立つ位置にこの枠が出てくるからです。
また、ログイン状態や現在地によって見え方が変わることもあります。社内のパソコンだけで確認して「大丈夫そうだ」と判断せず、複数の環境で見比べておくと安心です。
なぜ店舗・中小企業のオーナーが気にすべきなのか
店名や会社名で検索する人は、すでにあなたの存在を知っている人です。チラシを見た、人から聞いた、看板を見かけた、そういう「あと一歩」の見込み客が多くを占めます。
その最終確認の場面で、電話番号が古かったり、閉業した別店舗の情報が混ざっていたりすると、それだけで機会損失になります。ここは広告費をかけずに改善できる、費用対効果の高い場所です。
私たちがWeb制作やSEOのご相談を受けるときも、まず店名検索の結果を一緒に見ることから始めます。サイトを作り替えるより先に、検索結果の見え方を直したほうが早く効果が出るケースが実際に多いためです。
あわせて、店名そのものが検索される回数を増やす取り組みも効いてきます。詳しくは指名検索を増やしてローカルでも強くなるで解説しています。
ナレッジパネルとGoogleビジネスプロフィールの違い

「場所」に結びつくのがビジネスプロフィール
Googleのヘルプは、ビジネスプロフィールについて「ナレッジパネルに似ているが、特定の場所または指定されたサービスエリア内で顧客にサービスを提供するビジネスに固有のもの」と説明しています。実店舗や訪問エリアを持つ事業のための仕組み、という位置づけです。
飲食店、美容室、クリニック、工務店のように住所や商圏がはっきりしている事業なら、まず整えるべきはこちらです。Googleマップにも同じ情報が使われ、口コミや写真の管理もここから行います。
まだ登録が済んでいない場合は、Googleビジネスプロフィールの登録とオーナー確認の手順を先に確認してください。順番としては、ナレッジパネルより先にこちらです。
会社・ブランド・人に結びつくのがナレッジパネル
一方のナレッジパネルは、場所に限らず「組織」「ブランド」「人物」といった対象そのものに結びつきます。店舗を持たない法人、複数店舗を束ねる運営会社、著者や講師として活動している個人などが対象になり得ます。
そのため、1つの会社に対して、店舗ごとのビジネスプロフィールと、法人としてのナレッジパネルが両方存在するという状態も普通に起こります。役割が違うので、どちらかがあればよいというものではありません。
なお、ナレッジパネルは申請すれば必ず出るものではありません。ウェブ上でその組織が十分に認識されていない段階では、そもそも枠自体が表示されないことも珍しくありません。
自分の会社はどちらを優先すべきか
判断はシンプルです。お客様が来店する住所、または訪問して回るサービス提供エリアがあるなら、ビジネスプロフィールが最優先になります。
そのうえで、法人名やブランド名でも検索されているなら、ナレッジパネルの整備を次の一手として考えます。会社案内やコーポレートサイトを持っている企業ほど、この段階に進む価値があります。
逆に、開業して間もない個人店であれば、ナレッジパネルを気にするより先にやるべきことがたくさんあります。優先順位を間違えないことも、限られた時間を使ううえでは大事な判断です。
ナレッジパネルの情報はどこから集められているのか

ウェブ上のさまざまな情報が元になっている
Googleは、ナレッジパネルに表示される情報について「ウェブ上のさまざまな情報を元にしている」と明言しています。特定の1つのサイトだけを見て作っているわけではありません。
公式サイト、業界団体の名簿、ニュース記事、各種プロフィールページなど、複数の情報源が突き合わされます。だからこそ、公式サイト以外の場所に古い情報が残っていると、それが表示に影響することがあるわけです。
また、映画や音楽といった特定の分野については、信頼できるデータを提供するデータパートナーと協力し、そのデータを公開ウェブ上の情報と組み合わせる場合があるとも説明されています。分野によって参照元の性質が異なるということです。
画像の出どころもさまざま
ナレッジパネルに出る画像についても、Googleは複数の情報源から取得している場合があると説明しています。認証を受けた本人がウェブ上の画像から選んで指定しているケースもあれば、画像検索の結果のプレビューが元になるケースもあります。
意図しない写真が表示されている場合、その画像がどこかのページに置かれている可能性が高いということです。まずは自社サイトやSNSに、使ってほしい正しい画像が十分な大きさで置かれているかを確認してください。
ロゴを見せたいのに店内写真が出ている、といった食い違いは、公式サイト側の画像設計を見直すと改善することがあります。トップページやプロフィールページに、ロゴを主役にした画像を用意しておくのは基本の対策です。
本人や正式な代表者の提案も反映される
Googleは、ナレッジパネルがウェブ上の情報変更にあわせて自動更新される一方で、「情報の対象者による直接の変更」と「一般ユーザーからのフィードバックによる変更」も考慮すると説明しています。つまり、こちらから働きかける道が用意されています。
具体的には、対象者本人または正式な代表者であれば、ナレッジパネルに対して申し立てを行い、変更を提案できます。この手順は後半で詳しく説明します。
ただし提案がそのまま反映されるとは限りません。Googleは提案内容にインターネット上の裏付けがあるかを確認するため、ウェブ上の情報を先に正しくしておくことが、結局は一番の近道になります。
店名検索で出る情報を整える5つの土台づくり

①公式サイトに会社概要ページを用意する
最初にやるべきは、自社サイトに会社概要・店舗概要のページを1枚きちんと作ることです。正式名称、住所、電話番号、設立年、代表者名、事業内容を、装飾に頼らずテキストで書きます。
意外に多いのが、これらの情報が画像の中にしか書かれていないケースです。画像内の文字は読み取りが難しいため、会社情報は必ずテキストとしてページ内に書くことを徹底してください。
フッターにも社名・住所・電話番号を載せておくと、どのページからでも同じ情報が拾えます。手間はかかりませんが、効果としては地味に大きい対策です。
②Organizationの構造化データで公式情報を伝える
構造化データとは、ページの内容を検索エンジンが理解しやすい形式で書き添える仕組みです。組織情報を伝えるにはOrganizationという型を使い、名前、URL、ロゴ、公式SNSアカウントなどを記述します。
特に押さえておきたいのがsameAsという項目です。Googleのドキュメントでは、自社について追加情報が載っている別サイトのページ、たとえばSNSやレビューサイト上のプロフィールページのURLを指定すると説明されています。
自社と確実に結びついているページだけを挙げ、関係のないページを並べないことが大切です。なお、Organizationの構造化データに必須のプロパティはないとされているため、書けるものから埋めていく形で構いません。
Googleは2023年にOrganizationの構造化データで扱えるプロパティを拡張し、住所や連絡先などより幅広い管理情報を記述できるようにしています。WordPressをお使いなら、多くのSEO系プラグインで設定画面から入力できます。
書いたあとは、Googleのリッチリザルトテストで記述にエラーがないか確認してください。なお構造化データを入れれば必ずナレッジパネルが出る、というものではない点は誤解しないようにしましょう。
③SNSや各種プロフィールの情報を一致させる
公式SNSアカウントのプロフィール欄に書かれた社名・所在地・URLも、判断材料の1つになります。開設したまま放置されているアカウントほど、古い情報が残りがちです。
この機会に、使っているSNSをすべて洗い出し、プロフィール文と固定リンクを最新の内容に揃えてください。使っていないアカウントは、閉じるか、公式サイトへの導線だけでも直しておきます。
認証を受ける際にもYouTubeやFacebookなどのアカウントが使われるため、公式アカウントの整備はこの後の手続きにも直接効いてきます。
④第三者サイトでの表記ゆれをなくす
ポータルサイト、業界団体の会員名簿、地域情報サイトなど、自社以外の場所にも社名や住所が掲載されています。ここでの表記が食い違っていると、Googleはどれが正しいのか判断しづらくなります。
「株式会社」が前か後か、丁目・番地をハイフンで略しているかどうかといった細かい違いも、揃えておくに越したことはありません。この考え方は店名・住所・電話(NAP)を統一する重要性で詳しく解説しています。
また、外部サイトで自社が言及されること自体にも意味があります。掲載を増やす考え方はサイテーション(言及)を増やしてローカルで強くなるにまとめました。
⑤会社名・店名で検索される回数を増やす
そもそもウェブ上での存在感が薄い組織は、ナレッジパネルの対象になりにくくなります。名前が語られる機会が少なければ、Googleが参照できる材料も増えません。
プレスリリース、地域メディアへの掲載、セミナー登壇、取材協力など、社名が第三者の文脈で出てくる機会を意識的に作っていきましょう。派手なことをする必要はなく、地道な積み重ねで十分です。
店頭のPOPや名刺、チラシに社名を正式表記で入れておくのも効果があります。人が名前を覚え、検索してくれる状態を作ることが土台になります。
Googleの認証を受けて情報を修正する手順

「ナレッジパネルの認証を受ける」の基本の流れ
Google公式ヘルプが案内している手順は次のとおりです。まずGoogleアカウントを用意し、Google検索で自分または自分が代表を務める組織を検索して、そのナレッジパネルを表示します。
次に、パネル下部の「ナレッジパネルの認証を受ける」をクリックします。このオプションは概要セクションに表示され、モバイルではメニューアイコンから同じ項目をタップします。
表示された情報を確認したら、公式サイトまたはプロフィールのいずれかにログインして本人確認を行います。使えるのはYouTube、Search Console、Twitter、Facebookのいずれかとヘルプには記載されています。
関連付けられたサイトをGoogleが特定できない場合は、本人確認のための詳細情報の提供を求められることがあります。Search Consoleで公式サイトの所有権を確認しておくと、この過程がスムーズになります。
認証後にできること(ユーザー追加と権限)
認証されると、ほかの人を正式な代表者として追加できるようになります。追加は Google の Contributor Studio(https://www.google.com/search/contributions/manage)から行います。
権限には3種類あり、オーナーはアカウントのメインのユーザーで管理者と同じ権限を持ちます。管理者はナレッジパネルの変更提案に加えてユーザーの追加や削除ができ、投稿者は変更の提案のみができます。
担当者が1人しかいない状態は、退職や異動のときに困ります。オーナーとは別に、少なくとももう1名を管理者として登録しておくことをおすすめします。
情報が間違っているときの修正の出し方
修正の出し方は、認証を受けているかどうかで導線が変わります。認証済みの場合は、ナレッジパネル上部の「変更を提案」から編集アイコンを選び、修正内容を入力して送信します。
認証を受けていない場合は、ナレッジパネル下部の「フィードバック」から提案を送ります。修正したい項目の横にあるアイコンを選び、何をどう更新したいのかを具体的に書きます。
どちらの場合も、その情報を確認できるウェブページへのリンクを必ず添えてください。裏付けとなる公開ページがあるかどうかで、提案の通りやすさが大きく変わります。
送信前に、本人確認に使ったメールアドレスでブラウザにログインしておくことも大切です。Googleは、認証済みユーザーからのフィードバックを優先的に審査すると説明しています。
認証ボタンが出ない・他の人が管理しているとき
Googleは「現時点では、すべてのナレッジパネルの認証が受けられるわけではありません」と明記しています。ボタンが出るかどうかを定期的に確認しつつ、それまではフィードバックから提案を送る形になります。
また、認証済みなのに「このアカウントはすでに他のユーザーが管理しています」と表示されることもあります。その場合も、フィードバックからの提案送信が案内されています。
心当たりがないのにこの表示が出たときは、まず社内や過去の外注先に確認してください。それでも所有者が特定できない場合は、サポートチームへのアカウント復元プロセスの開始が案内されています。
復元プロセスでは、現在のオーナーまたは管理者に自分のメールアドレスが共有され、返信を3営業日待つ流れになります。3日以内に返信がない場合、そのナレッジパネルは再び承認の申請を受け付けられる状態になります。
なお、プロフィール自体が検索やマップから消えてしまった場合は原因が別にあります。その際は急にGoogleマップから消えた?原因と対処もあわせてご確認ください。
よくある質問(FAQ)

申請すればナレッジパネルを出してもらえますか?
いいえ、申請して表示させる仕組みはありません。Googleはナレッジパネルが自動的に生成されると説明しており、ウェブ上の情報が十分に集まって初めて表示される可能性が生まれます。
そのため、できることは公式サイトや各種プロフィールを整え、正しい情報がウェブ上に十分に存在する状態を作ることに尽きます。表示の可否や時期をこちらで確約することはできません。
ビジネスプロフィールがあればナレッジパネルは不要ですか?
実店舗が中心の事業であれば、まずビジネスプロフィールを整えるだけでも大きな効果があります。多くの中小店舗にとって、当面はそちらが主戦場です。
ただし法人名やブランド名でも検索されている場合は、両方に目を配る価値があります。役割が異なるため、どちらかで代替できるものではありません。
同じ名前の別会社の情報が混ざっています
Googleは、同じ名前や似た名前の別組織のコンテンツが含まれている場合について、問い合わせ窓口を案内しています。あわせて、フィードバックからの修正提案も並行して行ってください。
そのうえで、自社サイト側で正式名称・所在地・事業内容を明確に書き分けておくことが再発防止になります。区別できる材料をウェブ上に増やすことが根本的な対策です。
修正を提案してからどのくらいで直りますか?
Googleのヘルプでは、認証済みユーザーからのフィードバックは数日以内に審査し、対応結果をメールで通知すると説明されています。ただし、場合によってはさらに時間がかかることもあるとされています。
また、提案内容にインターネット上の裏付けがあるかをGoogleが確認するため、審査の結果として反映されない場合もあります。先に公式サイトの記載を正しくしてから提案するのが、結局は近道です。
医療機関や士業でも同じ考え方でよいですか?
情報を整えるという基本は同じですが、医療や法律に関わる表現には、医療広告ガイドラインや各士業の広告規制など個別のルールがあります。効果や実績の書き方には特に注意が必要です。
掲載内容の適法性については、必ず所轄官庁の資料を確認するか、専門家にご相談ください。この記事は一般的なウェブ運用の解説であり、法的な助言ではありません。
店名検索の見え方を整えたい方へ
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