「昨日スマホで見たときは3位だったのに、今日パソコンで検索したら5位になっていた」。Googleマップでの自店の順位をご自身で確認していると、こうした食い違いによく出会います。
順位が上下するたびに気持ちが揺れてしまい、何が本当の順位なのかわからなくなる。店舗オーナー様から、このご相談は本当によくいただきます。
先に結論をお伝えします。スマホとパソコンで順位が違って見えるのは異常ではなく、Googleの仕組みからいって起こって当たり前の現象です。むしろ「どの端末でいつ見ても順位がまったく同じ」というほうが、地図検索では不自然だと考えてください。
この記事では、なぜ端末や状況によって順位が変わるのかを整理したうえで、ぶれをできるだけ減らして順位を確認する具体的な手順をご紹介します。測定値に振り回されないための考え方も、あわせてお伝えします。
「同じ検索なのに順位が違う」のは異常ではありません

Googleは検索する人ごとに結果を組み立てています
Googleは、すべての利用者に同じ検索結果を返しているわけではありません。Google検索ヘルプでも、時間・状況(コンテキスト)・パーソナライズによって、人によって結果が変わりうることが説明されています。
ここでいう状況には、検索した場所、言語設定、端末の種類、直前に何を検索したかといった要素が含まれます。つまり、あなたの画面に映っている順位と、目の前のお客様の画面に映っている順位は、そもそも同じとは限らないのです。
そしてローカル検索、つまり地図まわりの検索では、この傾向がとくに強く出ます。「近くの美容室」という同じ言葉で検索しても、検索した人が今どこに立っているかで、表示される店舗の顔ぶれは大きく変わります。
地図検索には「唯一の正しい順位」という概念がそもそも存在しません。この前提を持てるかどうかで、日々の順位チェックの受け止め方はかなり変わってきます。
Googleが公表しているローカル検索の3要素
Googleビジネスプロフィールのヘルプでは、ローカル検索結果が主に「関連性」「距離」「知名度」の3つに基づいて表示されると説明されています。この3つを組み合わせて、そのときどきで最適と判断された結果が並びます。
注目していただきたいのは、真ん中の「距離」です。ヘルプでは距離を「検索しているユーザーから各ビジネス拠点までの距離」と定義しています。
言い換えると、検索した人の立ち位置が変われば、距離という要素の値も変わります。順位がぶれるのは、順位を決める材料そのものが検索のたびに変わっているからです。
なお、順位の決まり方そのものをもう少し詳しく知りたい方は、Googleマップの表示順位はどう決まる?3つの要素をやさしく解説もあわせてご覧ください。
アルゴリズムの詳細は公開されていません
同じヘルプページには、Googleがランキングを上げるためのリクエストや金銭の受け取りには一切応じない旨、そして検索アルゴリズムの詳細は機密情報である旨が明記されています。
つまり、外部から順位変動の原因を100パーセント特定することはできません。「この操作をすれば必ず順位が上がる」と断言する説明を見かけたら、いったん距離を置いて受け止めるのが安全です。
私たちができるのは、公表されている考え方と実際の観測結果を突き合わせて、確からしい打ち手を積み重ねていくことだけです。地味ですが、これが遠回りに見えていちばん確実な道だと考えています。
順位がぶれる5つの原因

ここからは、順位のぶれを生む代表的な原因を5つに整理してご説明します。ご自身の測定環境がどれに当てはまるか、思い浮かべながら読み進めてみてください。
原因1:検索した場所(現在地)
もっとも影響が大きいのが、検索した地点です。店舗から500メートル離れた場所と2キロ離れた場所では、表示される店舗の並びがまったく違ってきます。
店内で検索すれば、当然ながら自店は上位に出やすくなります。ここで「うちは1位だ」と安心してしまうのが、いちばんよくある落とし穴です。
店内から見た順位は、実際のお客様が見ている順位とはほぼ別物だと考えてください。お客様は駅前や自宅、職場から検索しているからです。
Googleビジネスプロフィールのヘルプにも、利用者が現在地を共有していない場合は、Googleが把握している情報に基づいて結果が表示されると書かれています。位置情報をオフにしても、場所の影響が完全になくなるわけではありません。
原因2:端末の種類と画面の作り
Google検索ヘルプでは、結果に影響する状況の例として端末の種類が挙げられています。スマートフォンとパソコンでは、画面の大きさも表示できる情報量も違います。
そのため、同じ検索語でも表示される件数や並び方に差が出ます。スマホでは3件しか見えていなかった枠が、パソコンでは別の見え方をする、といったことが日常的に起こります。
さらに一般には、スマホは位置情報の利用を許可していることが多く、細かい現在地が使われやすくなります。パソコンでも許可すれば精密な位置を使えますが、許可していない場合はIPアドレスなどからおおまかな地域が推定されます。
原因3:ログイン状態と検索履歴
Googleアカウントにログインした状態では、過去の検索履歴などに基づいて結果が調整されることがあります。Google検索ヘルプでは、これをパーソナライズと呼んで説明しています。
ヘルプによれば、パーソナライズはすべての結果に影響するわけではなく、個々の結果の並び順に影響する場合と、表示されるコンテンツのまとまりの順番に影響する場合があるとされています。
自店の名前や自店に関わるキーワードを毎日のように検索していると、その履歴が影響する可能性は否定できません。オーナーご本人の画面は、いちばん自店に甘い結果になりやすい環境です。
なお検索結果ページのフッターには、その結果がパーソナライズされているかどうかの表示と、パーソナライズなしで試すためのリンクが用意されている場合があります。気になる方は一度ご確認ください。
原因4:検索した時間帯とデータセンター
Google検索ヘルプでは、結果が人によって変わる大きな理由のひとつとして時間が挙げられています。新しく公開された情報が随時取り込まれるため、数時間、場合によっては数分の差でも結果が変わりうるということです。
加えて、Googleは世界中のデータセンターで検索を処理しています。ランキングの改善を適用する際、すべてのデータセンターに行き渡るまでに時間がかかるため、どのデータセンターが応答したかによって結果に差が出ることがあるとも説明されています。
朝と夜で順位が1つ2つ違う。この程度のことは、原因を探るまでもなく起こると考えておいたほうが健全です。
原因5:キーワードのわずかな違い
意外と見落とされがちなのが、検索した言葉そのもののブレです。「小山市 美容室」と「小山 美容室」、「美容室 小山市」では、それぞれ別の検索として扱われることがあります。
スペースの有無、ひらがなとカタカナ、送り仮名の違いでも結果は変わりえます。もっとも、Googleは同じ意味の言葉をまとめて扱う仕組みも持っているため、表記が違っても結果がほとんど変わらない場合もあります。
いずれにしても、前回と今回で違う言葉を打ち込んでいれば、その差が順位の違いとして出ている可能性は残ります。比べたいのであれば、言葉は完全にそろえるべきです。
また、検索窓のサジェスト(予測変換)をタップして検索した場合、自分が意図したものと少し違う語句で検索していることもあります。測定するキーワードは、必ず文字列として書き留めておきましょう。
スマホとパソコンで結果が変わるのはなぜか

5つの原因のうち、多くの店舗オーナー様がいちばん戸惑うのが端末による違いです。ここだけもう少し掘り下げてご説明します。
位置情報の取り方がそもそも違います
スマートフォンは位置情報の利用を許可していると、GPSや周辺のWi-Fi情報をもとに、かなり細かい単位で現在地が使われます。歩いて数十メートル移動しただけで、結果の並びが入れ替わることも珍しくありません。
一方でパソコンは、位置情報の許可を出していないことが多く、その場合はIPアドレスなどからおおまかな地域が推定されます。同じ建物の中で検索していても、スマホとパソコンでGoogleが認識している「現在地」がずれていることがあるわけです。
端末が違えば、そもそも「どこから検索したか」という前提条件が違います。条件が違うものを比べて一喜一憂しても、あまり意味がありません。
表示される枠の作りが違います
Google検索の結果画面に出る地図の枠(ローカルパック)は、スマホとパソコンで見え方が異なります。スマホは縦に細長い画面に収める必要があるため、一度に見える件数が限られます。
Googleマップアプリで見た場合と、ブラウザの検索結果で見た場合でも、並びが違うことがあります。どこで測っているのかを区別せずに比べてしまうと、話がかみ合わなくなります。
測るときは「Googleマップアプリで測る」「ブラウザの検索結果で測る」のどちらかに決めてしまってください。混ぜて記録すると、あとから見返したときに何と何を比べているのかわからなくなります。
広告やその他の要素が挟まることがあります
地図の枠の上部には、ローカル検索広告が表示されることがあります。広告が出るかどうかは、検索した人や時間帯、競合の出稿状況によって変わります。
広告枠を1位と数えるか、自然な結果だけで数えるかで、報告する順位は変わってしまいます。数え方の基準を自分の中で決めておかないと、記録がぶれる原因になります。
おすすめは、広告を除いた自然な結果だけで数える方法です。広告は出稿をやめれば消えるため、自店の実力を測るという目的には合いません。
ぶれを減らして順位を確認する手順

ぶれを完全になくすことはできません。それでも、条件をそろえれば比較できる程度にはそろいます。ここでは無料でできる範囲の実務手順をご紹介します。
手順1:ログアウトかシークレットモードで検索する
まずは検索履歴やアカウント情報の影響を減らします。ブラウザのシークレットモード(プライベートブラウズ)を使うのが手軽です。
ただし注意点があります。シークレットモードにしても、位置情報の影響までは消えません。IPアドレスなどから推定される地域は、そのまま検索に使われます。
「シークレットで見た順位=本当の順位」ではない、という点だけは押さえておいてください。あくまで履歴の影響を減らすための手段です。
Googleの説明によれば、直前まで使っていた端末の位置情報が一定時間引き継がれることもあります。影響がゼロになるわけではない、とお考えください。
手順2:検索する場所を毎回そろえる
いちばん大事なのがここです。毎回違う場所から検索していては、比べる意味がありません。
おすすめは、お客様が実際に検索しそうな地点を2〜3か所決めてしまうことです。たとえば最寄り駅の改札前、商圏の中心にある大きな交差点、車で10分の住宅街などです。
店内は基準地点に含めないほうが実態に近づきます。どうしても店内で測る場合は、「これは自店に有利な条件での数字」と注釈をつけて記録しましょう。
なお、パソコンのGoogle検索では、結果ページのフッターに検索に使われた地域が表示され、そこから地域を更新できる場合があります。地域がずれていないかは毎回確認するのが確実です。
手順3:曜日と時間帯を固定する
時間による差を減らすため、測る曜日と時間帯を決めてしまいます。たとえば「毎週火曜の午前10時台」といった具合です。
営業時間の影響を受ける業種では、営業中の時間帯に測ることをおすすめします。閉店中の店舗が下がって見えることもあるためです。
毎日測る必要はありません。週1回、同じ条件でそろえるほうが、毎日バラバラの条件で測るよりはるかに役に立ちます。
手順4:記録の形を先に決めておく
記録に残す項目を先に決めておくと、あとから見返したときに比較できます。最低限、次の項目は残しておきたいところです。
- 測定した日付と時刻
- 検索したキーワード(一字一句そのまま)
- 検索した地点(駅前、交差点など具体的に)
- 使った端末(スマホかパソコンか)と、アプリかブラウザか
- 広告を順位に含めたかどうか
- 表示された順位と、上位に出ていた競合店名
手書きのノートでも表計算ソフトでも構いません。大切なのは、同じ形式で続けることです。
順位の測り方の基本については、Googleマップ順位の正しい測り方|検索場所で変わる理由でさらに詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
やらないほうがよい確認方法
ここまでの裏返しになりますが、避けたい測り方も挙げておきます。心当たりがあれば、明日から改めてみてください。
- ログインしたまま、いつもの端末で気が向いたときに検索する
- 店内から検索して、その数字を成果として報告する
- スマホで測った順位と、パソコンで測った順位を同じ表に混ぜる
- 検索するたびに少しずつ違うキーワードを使う
- 1日のうちに何度も検索して、いちばん良かった数字を採用する
どれも悪気なくやってしまいがちですが、これでは数字が意思決定の役に立ちません。測り方をそろえるだけで、記録の価値は大きく変わります。
手動チェックの限界と「面」で見るという発想

ここまで手順をご紹介しておいて恐縮ですが、手動での順位チェックには構造的な限界があります。その限界を知ったうえで使うことが大切です。
1地点だけ見ても商圏の実態はわかりません
駅前で3位だったとします。ではその店は、商圏全体で3位なのでしょうか。答えは、わかりません、です。
駅の反対側では8位かもしれませんし、車で15分の住宅街では圏外かもしれません。1地点の順位は、商圏という広がりのなかのたった1つの点でしかありません。
手動で測れるのはせいぜい2〜3地点です。それも毎回同じ場所に足を運ぶのは現実的ではありません。
エリアを格子状に区切って見る考え方
そこで出てくるのが、店舗の周辺を格子状(グリッド)に区切り、それぞれの地点での順位を並べて見るという発想です。点ではなく面で見る、と言い換えてもよいでしょう。
面で見ると、「北側の住宅街には強いが、南側の駅方面では競合に負けている」といった偏りが見えてきます。ここまで見えて、はじめて具体的な打ち手が決まります。
私たちが開発・運営しているaccess-meoも、この「面で見る」考え方をもとにしたツールです。順位チェックツールの選び方全般については、MEO順位チェックツールの選び方と比較ポイントで中立的に整理しています。
順位よりも先に見るべき数字があります
順位はあくまで途中経過の指標です。最終的に見たいのは、来店や問い合わせが増えたかどうかのはずです。
Googleビジネスプロフィールには、プロフィールの閲覧数、通話ボタンが押された回数、ルートの検索数などを確認できるパフォーマンスの画面があります。こちらは実際の行動が数字になっているぶん、順位より正直です。
なお通話数は、電話がつながった件数ではなく通話ボタンが押された回数を示す指標です。数字の意味を取り違えないようご注意ください。
順位が1つ下がっても電話が増えているなら、その月は成功です。詳しい見方はGoogleビジネスプロフィールのパフォーマンス(インサイト)の見方でご確認ください。
大きく落ちたときだけ原因を探せば十分です
1つ2つの上下は、これまで見てきたとおり測定条件のぶれで説明がついてしまいます。いちいち原因を探しても、時間の割に得るものが少ないのが実情です。
同じ条件で測っていて、複数の地点で同時に大きく下がった。このときだけ本腰を入れて調べれば十分です。
大きな変動が起きたときの向き合い方は、Googleマップ順位が急落?アップデートと変動への向き合い方にまとめています。
よくある質問(FAQ)

Q. スマホとパソコン、どちらの順位を信じればよいですか
お客様がどちらで検索しているかで決めるのがおすすめです。飲食店や美容室のように外出先で探される業種であれば、スマホでの見え方を主に追うのが実態に近くなります。
どちらか一方に決めたら、そちらで測り続けてください。両方を混ぜて記録すると、変化なのかぶれなのか判断できなくなります。
Q. シークレットモードで見れば正確な順位がわかりますか
検索履歴やログイン情報の影響は減らせますが、位置情報の影響は残ります。そのため「正確な順位」というより「条件をそろえやすい順位」と考えてください。
それでも、ログインしたまま測るよりは比較しやすくなります。使う価値は十分にあります。
Q. 店内で検索すると1位です。これは良い状態ですか
店内は自店からの距離がゼロなので、上位に出やすい条件です。良い状態かどうかの判断材料としては弱いとお考えください。
お客様が実際に検索しそうな地点、たとえば最寄り駅や商圏の反対側で確認してみてください。そこでの見え方が本当の課題を教えてくれます。
Q. 毎日順位を測ったほうがよいですか
毎日測る必要はありません。条件をそろえた週1回のほうが、条件がバラバラな毎日の記録よりも役に立ちます。
毎日見ていると、小さな上下が気になって本業に集中できなくなることもあります。無理なく続けられる頻度を選ぶのが長続きのコツです。
Q. 家族に検索してもらって確認するのは有効ですか
別の端末・別のアカウント・別の場所からの結果を見られるという意味では、参考になります。自分の画面だけを見ているより視野は広がります。
ただし条件が毎回変わるため、継続的な記録には向きません。あくまで補助的な確認方法として使うのがよいでしょう。
Q. 医院やクリニックでも同じ考え方でよいですか
順位のぶれ方や測り方の考え方は同じです。ただし医療分野は、掲載できる表現について厚生労働省の医療広告等ガイドラインなどの規制があります。内容は改正されることがあるため、必ず最新版をご確認ください。
プロフィールの記載内容や口コミへの返信文で判断に迷う場合は、必ず専門家にご相談ください。順位対策よりも、表現の適法性を優先していただくのが安全です。
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