「ホームページはあるけれど、お客様が何で検索して来てくれているのか分からない」。店舗のオーナーから、こうした声をよく伺います。
その答えのヒントが載っているのが、Googleが提供する無料ツール「Search Console(サーチコンソール)」です。名前は難しそうですが、店名や地域名の検索がどれくらい表示され、クリックされているかを確認できる、いわば「検索の成績表」です。
この記事では、専門知識がない経営者・店舗オーナーの方に向けて、登録の手順から、毎月どこを見ればよいかまでを、やさしく整理します。
執筆は、全日本SEO協会認定のSEOコンサルタントで、中小企業のWeb制作やSEO・MEO支援に携わってきた三田健司です。Googleマップ側の数字はGoogleビジネスプロフィールのパフォーマンス(インサイト)の見方で扱っているため、ここでは「ホームページの検索の数字」に絞って解説します。
Search Consoleとは?店舗オーナーが知っておきたい役割

Googleが提供する、サイトの「検索での見え方」を確認する無料ツール
Search Consoleは、Googleの検索結果にあなたのサイトがどのように表示されているかを把握し、改善に役立てるためのツールです。Googleのドキュメントでは、サイトに関わる人が検索での見え方を理解し、より価値のあるアクセスを増やすためのものと説明されています。
ホームページを持っている店舗であれば、規模に関係なく使えます。専門的な開発知識がなくても、基本の画面を見るだけで多くの発見があります。
GBPのインサイトや、GA4とは何が違うのか
似た名前のツールが多いため、まず役割を整理しておきましょう。Googleビジネスプロフィールのパフォーマンスは、地図や検索でのプロフィールの表示・操作を見るものです。
GA4(Googleアナリティクス)は、サイトに来た人がその後どう動いたかを見るものです。そしてSearch Consoleは、サイトに来る前、つまり「検索結果に表示されてクリックされるまで」を見るものです。
来る前のSearch Console、来た後のGA4、地図側のGBPと覚えておくと、迷いにくくなります。GA4とGBPを組み合わせた見方は、MEOの効果測定:GBPパフォーマンス×GA4で解説しています。
店舗にとって、見るメリットは何か
店舗サイトにとってのメリットは、お客様が使っている「言葉」が分かることです。店名で探されているのか、「地域名+業種」で探されているのかが分かれば、サイトに何を載せるべきかが見えてきます。
また、ページごとの表示回数やクリック数が分かるため、読まれているページと、そうでないページの差も確認できます。広告費をかけずに、自店の弱点を知る材料になります。
見るだけで売上が上がるわけではない
大切な前提として、Search Consoleは「状況を知るためのツール」であり、見るだけで順位や売上が上がるものではありません。数字から課題を見つけ、サイトや情報を直して初めて効果につながります。
また、この記事の内容は2026年10月時点のGoogleの公式情報をもとにしています。画面や仕様は変更されることがあるため、最新の状態は公式ヘルプでご確認ください。
登録と所有権の確認|最初にやること

「ドメイン」と「URLプレフィックス」、どちらで登録するか
Search Consoleには、プロパティ(登録の単位)の種類が2つあります。「ドメイン プロパティ」は、httpとhttps、サブドメインなどすべてのバリエーションのデータをまとめて扱います。
「URLプレフィックス プロパティ」は、指定したURLのデータだけを扱います。迷った場合は、DNSの設定ができるかどうかで決めるのが目安です。
所有権を確認する5つの方法
登録後は、そのサイトの持ち主であることを確認する手順があります。Googleのヘルプでは、HTMLファイルのアップロード、HTMLタグ、DNSレコード、Googleアナリティクス、Googleタグマネージャーの5つが案内されています。
このうち、ドメイン プロパティを確認できるのはDNSレコードだけです。それ以外の4つは、URLプレフィックス プロパティで使えます。
制作会社が管理している場合の進め方
小さなお店では、ホームページの管理を制作会社に任せているケースが多いはずです。その場合は、「Search Consoleの所有権確認をお願いしたい」と依頼するのが近道です。
確認方法は、制作会社が対応しやすいHTMLタグやGoogleアナリティクス経由で行うことが多くあります。お店のメールアドレスを、確認済みの所有者として登録してもらいましょう。
確認後に気をつけること
DNSレコードで確認した場合、確認後もそのレコードを削除しないよう、Googleのヘルプで求められています。サーバーの引っ越しやリニューアルの際に、うっかり消してしまうケースがあるため注意が必要です。
また、確認済みの所有者全員がアクセス権を失うと、誰もそのプロパティにアクセスできなくなります。担当者が退職しても困らないよう、複数人で管理しておくと安心です。
データが出るまでには少し時間がかかる
登録した直後は、画面がほとんど空の状態です。Googleのヘルプでは、新しく追加したサイトは、データが生成されるまで最長で1週間ほどかかることがあるとされています。
登録してすぐ数字が出なくても、焦らなくて大丈夫です。収集されたデータは通常、2〜3日以内に確認できるようになると説明されています。
検索パフォーマンスの4つの数字を理解する

クリック数・表示回数・CTR・平均掲載順位とは
Search Consoleで最もよく使うのが、「検索パフォーマンス」というレポートです。ここには4つの数字が並んでいます。
クリック数は、検索結果からサイトがクリックされた回数です。表示回数(インプレッション)は、検索結果にサイトが表示された回数を指します。
CTR(クリック率)は、クリック数を表示回数で割った値です。平均掲載順位は、そのクエリやページの検索結果での平均的な順位を表します。
4つの数字は「組み合わせて」読む
1つの数字だけを見ても、状況は判断できません。たとえば、表示回数が多いのにクリック数が少ない場合は、検索結果で目に留まっていない可能性があります。
逆に、表示回数は少なくてもCTRが高い場合は、検索する人の意図に合っているページだと考えられます。数字の組み合わせから、次の打ち手を考えていきます。
期間とデータの見方で注意したい点
画面を開いたときの既定の期間は、過去3か月です。期間は変更でき、過去16か月分まで表示できるとされています。
前年の同じ時期と比べたいときなどに役立ちます。比較の際は、季節による変動を意識して読みましょう。
グラフの合計と、表の合計がずれることがある
Googleのヘルプでは、グラフと表で集計の方法が異なると説明されています。グラフはプロパティごとに集計され、表のうちページ別などはページごとに集計されます。
そのため、グラフの合計と表の合計が一致しないことがあります。これは異常ではないため、あまり気にしすぎないようにしましょう。
最新のデータは暫定値
直近のデータは暫定値で、その後数時間で変動することがあります。グラフ上では点線で示されます。
直近の1〜2日の増減で、一喜一憂しないことが大切です。見直しは、週や月の単位で落ち着いて行いましょう。
店名・地域名の検索を読む|「クエリ」の見方

「クエリ」とは、お客様が実際に検索した言葉
検索パフォーマンスのレポートで「クエリ」を開くと、実際に検索された言葉の一覧が表示されます。ここが、店舗オーナーにとって最も価値のある部分です。
お客様が自店をどんな言葉で探しているのかを、推測ではなく実データで確認できます。
店名で検索されているか(指名検索)を確認する
まず見たいのは、店名そのものや、店名に関連する言葉で検索されているかどうかです。店名での表示やクリックが多いほど、お店の名前が知られていることを示します。
指名検索の育て方は、指名検索を増やして地域で選ばれる店にで詳しく解説しています。ここでは、まず現状を数字で把握するところから始めましょう。
「地域名+業種」で見つけられているかを確認する
次に、「渋谷 美容室」のように、地域名と業種を組み合わせた言葉での表示を探します。これらの言葉は、まだ店を知らない新規のお客様が使うことが多いものです。
表示回数はあるのにクリックが少ない場合は、ページのタイトルや説明文が、検索した人の期待とずれている可能性があります。逆に、その言葉でまったく表示されていないなら、サイトにその言葉を含む情報が足りないのかもしれません。
平均掲載順位を見るときの注意
平均掲載順位は便利な指標ですが、読み方に注意が必要です。Googleのヘルプでは、同じクエリでも、検索する時間、場所、デバイス、ユーザーの履歴によって結果が変わるため、表示されない場合もあると説明されています。
順位は、あくまで目安として読むようにしてください。地図側の順位とは測り方が異なる点も、あわせて意識しておきましょう。
表示されない検索語があるのは、なぜか
クエリの一覧に、すべての検索語が載っているわけではありません。Googleのヘルプでは、プライバシー保護のため、実行回数が非常に少ないクエリや、個人情報を含むクエリは表示されないことがあるとされています。
また、表に表示されるのは最大1,000行までです。小さなお店の場合は、そもそも数字が少なくても不思議ではありません。
見つけた言葉をサイトの改善につなげる
クエリの一覧から、お客様の言葉を拾い出したら、その言葉をサイトに反映させます。たとえば、よく検索されている地域名があるなら、アクセスのページや店舗紹介の文章に、その地域名を自然な形で入れてみましょう。
ただし、キーワードを不自然に詰め込む必要はありません。お客様に読みやすい文章を保つことが、結果的に検索でも評価されやすくなります。
ページ別の表示と、URL検査・サイトマップの使い方

「ページ」の一覧で、読まれているページを知る
クエリと同じ画面で、「ページ」のタブに切り替えると、ページごとの表示回数やクリック数が確認できます。トップページ、メニューや料金のページ、アクセスのページなど、どこが検索経由で見られているかが分かります。
クリックの多いページは、お客様が求めている情報が載っているページです。そのページの内容を充実させることで、さらに成果を伸ばせる可能性があります。
URL検査で、特定のページの状態を調べる
「URL検査」は、特定のページがGoogleにどう認識されているかを確認できるツールです。Googleのヘルプでは、インデックス登録の可否や、Googleが把握している状態を確認できると説明されています。
画面上部の検査バーに、現在のプロパティ内のURLを入力して使います。新しいメニューやお知らせのページを公開したときに、Googleに認識されているかを確かめるのに便利です。
インデックス登録のリクエストは、あくまで「お願い」
URL検査では、ページのインデックス登録(Googleの検索用データベースへの登録)をリクエストできます。ただし、Googleのヘルプでは、処理は通常1日程度ですが長くかかることもあり、リクエストしても検索結果に表示される保証はないとされています。
リクエストは、あくまでGoogleへのお願いと考えましょう。1日あたりの上限もあるため、多くのページはサイトマップの送信が向いているとされています。
公開URLテストで、修正後の確認をする
「公開URLテスト」を使うと、いま公開されているページをその場で取得して、登録できる状態かを確認できます。修正した後の確認に役立ちます。
結果が「登録できます」となっても、検索結果への掲載が保証されるわけではありません。重複ページや品質面など、テストされない項目があるためです。
サイトマップは、Googleにページの場所を伝える地図
サイトマップは、サイト内のページ一覧をGoogleに伝えるためのファイルです。Googleのドキュメントでは、サイトマップがなくてもGoogleはページを見つけられることがあるものの、送信することで見つけてもらいやすくなる場合があるとされています。
WordPressなどでサイトを作っている場合は、サイトマップが自動で作られているケースが多くあります。制作会社に確認して、Search Consoleに登録しておきましょう。
サイトを作り直すときは、事前に確認する
サイトのURLを変えるリニューアルの際は、Search Consoleの数字を事前に記録しておくと、変化を比較しやすくなります。数字の記録は、リニューアルの結果を確かめる大切な材料になります。
サイトとMEOの関係を全体で捉えたい場合は、ホームページとMEOを連携させて店舗集客を最大化する方法も参考にしてください。
毎月5分でできる、店舗のための見直しルーティン

Googleの案内は「月に1回程度」の確認
Googleの公式の概要ページでは、Search Consoleに毎日ログインする必要はないとされています。新しい問題があればGoogleからメールで通知が届き、確認の目安は月に1回程度、またはサイトの内容を変えた後と案内されています。
小さな店舗であれば、月に1回、5〜10分見るだけで十分に活用できます。続けやすい頻度を決めることが、いちばん大切です。
毎月見る3つのチェックポイント
私が支援の現場でおすすめしているのは、毎月次の3点を確認する方法です。1つ目は、店名で検索された表示回数とクリック数が、前月や前年の同じ時期と比べて増減しているかです。
2つ目は、「地域名+業種」の言葉で表示される回数が増えているかどうかです。3つ目は、メニューや料金、アクセスなど、来店に直結するページが検索経由で見られているかを確認することです。
数字をメモして、月次レポートにまとめる
毎月の数字は、見るだけでなく、簡単なメモとして残しておきましょう。表計算ソフトに、表示回数・クリック数・CTRを数行書いておくだけで構いません。
数字が溜まってくると、季節変動や施策の効果が見えてきます。月次の記録の作り方は、MEO月次レポートの作り方が参考になります。
見たあとの「次の一手」を1つだけ決める
数字を眺めて終わりにせず、毎月1つだけ、次の行動を決めます。たとえば、「よく検索されている地域名を、アクセスのページに追記する」「表示が多いページのタイトルを見直す」といった小さな改善です。
小さく直して、翌月に数字で確認する。この繰り返しが、地道ですが確実な改善につながります。
専門的な判断が必要なときは、相談する
数字の増減が大きい場合や、突然クリックが減った場合などは、原因の特定に専門知識が必要なこともあります。状況によって最適な対応は変わるため、制作会社や専門家に相談することも選択肢です。
無理に自己判断で大きな修正をせず、まずは数字を記録して、変化が起きた日付を整理しておくと、相談がスムーズに進みます。
よくある質問

Q1. Search Consoleは無料で使えますか?
はい、無料で使えるツールです。Googleアカウントがあれば登録でき、サイトの所有権を確認することで、データを閲覧できるようになります。
費用の心配なく、まずは試してみることをおすすめします。
Q2. 登録したのに、数字が表示されません。故障ですか?
故障とは限りません。Googleのヘルプでは、新しいサイトは、データが生成されるまで最長で1週間ほどかかることがあるとされています。
1週間以上たっても表示されない場合は、プロパティの種類やURLの入力ミス(httpとhttpsの違いなど)が原因になっていないかを確認してみましょう。
Q3. 店名で検索しても、自店のサイトが出てこないのですが?
Search Consoleの「URL検査」で、トップページのURLを入力して、Googleに登録されているかを確認してみましょう。登録されていない場合は、サイト側の設定や公開状態に原因がある可能性があります。
登録されているのに表示されにくい場合は、ページの内容や店名の表記を見直す必要があるかもしれません。状況に応じて、専門家にご相談ください。
Q4. クリック数が少なくても、意味はありますか?
小さな店舗では、クリック数が少なくても自然なことです。大切なのは、数の大きさよりも、前月や前年の同じ時期との変化を見ることです。
また、来店につながるページ(アクセスやメニューなど)がきちんと表示されているかを確認するほうが、実用的です。
Q5. Googleマップの順位も、Search Consoleで分かりますか?
Search Consoleは、ウェブの検索結果に表示されたサイトのページを対象にしたツールです。地図上でのビジネスプロフィールの表示や操作は、Googleビジネスプロフィール側のパフォーマンスで確認します。
両方を組み合わせて見ることで、「検索から地図、そしてサイト」までの流れが把握しやすくなります。
まずは無料で、自店のGoogleマップでの見え方を確認しませんか
サイトの数字を読む前に、地図上で自店がどう表示されているかを知っておくと、改善の優先順位がつけやすくなります。access-meoでは、あなたのお店のGoogleマップ順位を無料でチェックできます。
Search Consoleの見方に迷ったときや、数字をどう改善につなげるかお悩みのときも、お気軽にご相談ください。
