Googleビジネスプロフィールを整えていて、意外と手が止まりやすいのが「電話番号」の欄です。店の固定電話にすべきか、いつも持っている携帯電話にすべきか、それともフリーダイヤルを載せるべきか。どれも「間違いではなさそう」に見えるだけに、判断がつかないまま最初に入れた番号のまま何年も放置されているケースは少なくありません。
しかし電話番号は、Googleマップを見たお客様が最後に押すボタンそのものです。ここを選び間違えると、せっかく検索で見つけてもらえても、電話がつながらない・誰も出ない・別の場所につながる、といった形で来店の機会を取りこぼしてしまいます。
さらにやっかいなのは、電話番号がGoogleのガイドラインで明確にルールが定められている項目だという点です。知らずに載せている番号が規定に触れていると、情報の修正が入ったり、最悪の場合はプロフィールの信頼性そのものに影響したりすることもあります。
この記事では、まずGoogleの公式ヘルプで明文化されているルールを確認したうえで、携帯・固定・0120といった番号タイプごとの向き不向き、そしてひとり店舗や出張型ビジネスなど体制別の選び方までを整理します。読み終えたときに「うちはこの番号でいく」と決めきれる状態を目指します。
なぜ「どの電話番号を載せるか」で結果が変わるのか

電話番号の話は、カテゴリや写真ほど「集客に効きそう」な印象がありません。ですが実務では、ここを直しただけで問い合わせ数が変わることがあります。
電話番号は「順位」ではなく「行動」に効く
Googleは、ローカル検索結果が主に関連性・距離・知名度に基づいて表示されると説明しており、アルゴリズムの詳細は公開していません。電話番号そのものが順位を直接押し上げる、という公式な説明もありません。
それでも電話番号が重要なのは、順位より手前ではなく、順位のすぐ後ろにある「行動」の入口だからです。地図で店を見つけたお客様の多くは、ウェブサイトを開くよりも先に通話ボタンを押します。
つまり電話番号は、集めた露出を成果に変換する最後の一段です。ここが詰まっていると、上位表示できていても手応えのない状態が続きます。
番号がバラバラだと、店の情報そのものが疑われる
店舗情報は、Googleビジネスプロフィールだけに存在しているわけではありません。自社サイト、ポータルサイト、SNS、地域のタウン情報サイトなど、いろいろな場所に同じ店の情報が散らばっています。
このとき、掲載されている電話番号が場所によって違うと、どれが本当の番号なのか判断しづらくなります。人にとって紛らわしい情報は、検索エンジンにとっても扱いにくい情報です。
店名・住所・電話番号の表記を揃える考え方はNAP統一と呼ばれ、ローカル集客の土台にあたります。詳しくは店名・住所・電話(NAP)を統一する重要性で解説しているので、あわせて確認してみてください。
一度決めた番号は、あとから変えるコストが高い
電話番号を変更するということは、ビジネスプロフィールを直せば終わり、という話ではありません。自社サイト、名刺、チラシ、看板、各種ポータルサイト、既存のお客様への案内と、直すべき場所が芋づる式に出てきます。
しかも直し漏れがあれば、そこから前述の「バラバラ問題」が発生します。だからこそ電話番号は「あとで直せばいい」ではなく、最初に腰を据えて決めるべき項目だと考えてください。
Googleの公式ルールで決まっていること

好みや使い勝手の話に入る前に、そもそも守らなければならないルールを確認しておきます。ここを外すと、どれだけ工夫しても土台が崩れてしまいます。
メインの番号に加えて、追加できるのは最大2件
Googleビジネスプロフィールのヘルプでは、ビジネスのメインの電話番号に加えて、最大2件の電話番号を追加できると案内されています。つまり1つのプロフィールに登録できる電話番号は、メイン1件と追加2件の合計3件までです。
追加できるのは携帯電話番号または固定電話番号で、FAX番号は追加できないとされています。「FAX番号も一応載せておこう」という運用はできない、という点は覚えておいてください。
設定はビジネスプロフィールの「プロフィールを編集」から「連絡先」を選び、電話番号の横の編集アイコンから行います。国を選んで番号を入力すれば自動で書式が整うため、国番号やハイフンを自分で入れる必要はありません。
大原則は「その拠点に直接つながる番号」
Googleの「ビジネス情報のガイドライン」では、個々のビジネス拠点に直接つながる電話番号を指定すること、そして可能であれば電話総合受付センターではなく個々の拠点の番号を使うことが示されています。ここが電話番号にまつわる考え方の中心です。
さらに、実際のビジネス拠点とは異なる場所へユーザーを「送る」ための電話番号やURLを指定することはできない、とも明記されています。お客様が地図で見ている店と、電話でつながる先が一致していることが求められている、と理解しておけば大きく外しません。
この考え方は、多店舗展開の企業ほど注意が必要です。全店舗の番号を本部の代表番号に統一したくなりますが、ガイドラインの意図とはずれてしまいます。
追加料金のかかる電話番号は使えない
同じガイドラインには、発信者に請求される料金に関係なく、追加料金のかかる電話番号は使用できないという規定があります。いわゆるプレミアムレート(割増料金)の番号を想定した規定です。
日本の環境で考えると、ダイヤルQ2のような有料情報サービス系の番号が典型例です。判断に迷いやすいのはナビダイヤル(0570)で、発信者側の通話料が通常と異なる料金体系になる場合があるため、メインの番号として使うのは避けておくのが無難だと考えています。
一方でフリーダイヤル(0120・0800)は発信者に料金が発生しない番号のため、この規定に直接ひっかかるものではありません。ただし別の観点で注意点があるため、次の章で改めて触れます。
店名欄に電話番号を入れるのは明確なNG
意外に多いのが、店名の欄に電話番号を書き足してしまっているケースです。Googleのガイドラインでは、ビジネス名に含めることができない情報の例として「電話番号またはウェブサイトのURL」がはっきり挙げられています。
ガイドラインの表では、フリーダイヤルを店名に付け足した例が「不可」として示されています。電話をかけてほしい気持ちはわかりますが、これは店名にキーワードを入れてはいけない理由と正しい書き方で解説している問題と同じ根っこを持つ違反です。
店名は店名、電話番号は電話番号の欄に入れる。この当たり前を守るだけで、プロフィール停止のリスクを1つ減らせます。
番号タイプ別の向き不向き(固定・携帯・050・0120)

ルールを踏まえたうえで、実際にどの種類の番号を選ぶかを整理します。ここでは「ガイドライン上の安全性」と「お客様から見た安心感」「店側の運用しやすさ」の3つの観点で見ていきます。
固定電話(市外局番あり)
店舗にスタッフが常駐しているなら、市外局番付きの固定電話がもっとも素直な選択です。番号自体が地域と結びついているため、お客様から見て「その土地に実在する店」という印象を持たれやすいという利点があります。
また、Googleがオーナー確認の方法として電話やSMSを案内する場合にも、店舗で確実に受けられる番号があると手続きがスムーズです。拠点に直接つながるという原則にもっとも自然に合致するのが固定電話だと考えてよいでしょう。
弱点は、営業時間外や不在時に取り逃がしが発生することです。この点は後述する追加番号や、留守番電話・転送の設定でカバーします。
携帯電話(090・080・070)
ヘルプで携帯電話番号の追加が認められている以上、携帯番号を載せること自体に問題はありません。ひとりで営業している店や、現場に出ていることが多い業種では、むしろ携帯のほうが確実につながります。
ただし、業種によっては携帯番号だけだと「本当に店舗があるのか」と受け取られることがあります。特に高額な商品やサービス、あるいは医療・法律といった信頼性が問われる分野では、この印象の差が問い合わせ率に響きます。
店舗があるのに固定電話を引いていない場合は、メインを携帯にしつつ、ウェブサイトや店頭表示と番号を完全に揃えておくのが現実的です。番号が揃っていれば、携帯番号でも十分に信頼は積み上がります。
IP電話(050)
050から始まるIP電話は、コストを抑えたい事業者によく使われます。ガイドライン上、050番号が名指しで禁止されているわけではありません。
注意したいのは、050番号が地域と結びつかないという性質です。市外局番のように「どの地域の店か」を番号から読み取ることができないため、地域密着を売りにする業種ではやや不利に働くことがあります。
もう1つ、050番号は緊急通報がかけられないなど回線としての制約もあります。事業用のメイン番号として使うなら、こうした特性を理解したうえで選んでください。
フリーダイヤル(0120・0800)とナビダイヤル(0570)
フリーダイヤルは発信者の負担がないため、お客様にとっては親切な番号です。全国展開しているサービスや、通話が長くなりがちな相談業務では効果を発揮します。
一方で、フリーダイヤルは多くの場合コールセンターや本部の代表窓口につながります。これはガイドラインが求める「個々の拠点に直接つながる番号」からは遠い運用です。
そのため、フリーダイヤルはメインではなく追加の電話番号として持たせるのが、ルールと利便性を両立させる考え方になります。ナビダイヤルについては前述のとおり、料金体系の観点からメインでの使用は避けておくのが安全です。
効果測定用の転送番号
「Googleからの電話が何件あったか測りたい」という理由で、計測用の転送番号を載せたくなることがあります。気持ちはわかりますが、ここは慎重に判断してください。
計測用の番号は、他の媒体に載せている番号と食い違うためNAPの一貫性を崩します。運用の仕方によっては、ガイドラインが禁じる「別の場所へ送る番号」に近づいてしまう可能性もあります。
どうしても計測したい場合の折り合いの付け方は、計測用の転送電話番号を使う時のNAPの注意点で詳しくまとめています。先にそちらを読んでから導入を判断することをおすすめします。
体制・業態別|あなたの店はどの番号を載せるべきか

番号の種類がわかったところで、次は自分の店に当てはめて考えます。ここでは代表的な5つのパターンに分けて、実務的な組み合わせを提案します。
スタッフが常駐する実店舗
飲食店、美容室、物販店など、営業時間中に必ず誰かが店にいる業態です。この場合は、メインを店舗の固定電話にするのがもっとも自然な形になります。
そのうえで、営業時間外の取りこぼしが気になるなら、追加の番号として代表者の携帯を登録しておく手もあります。ただし追加番号は主に情報として扱われるため、まずはメイン番号を確実に取れる体制を整えるほうが先です。
ひとり店舗・個人事業
施術中や接客中は電話に出られない、という店は珍しくありません。この場合、固定電話を鳴らし続けるより、確実に折り返せる携帯番号をメインにしたほうが機会損失は減ります。
大切なのは番号の種類そのものより、出られなかったときに必ず折り返す仕組みがあるかどうかです。留守番電話に「必ず折り返します」という一言を入れておくだけでも、切られてしまう率は変わります。
あわせて、営業時間の設定を実態に合わせておくことも忘れないでください。出られない時間帯まで営業中と表示されていると、お客様の不満につながります。
出張型・訪問型(サービス提供地域ビジネス)
水道工事、出張整体、ハウスクリーニングなど、お客様のところへ出向く業態です。事務所に人が常駐していないことが多いため、携帯番号をメインにするのが現実的な選択になります。
このタイプで気をつけたいのは、移動中に着信を逃すことです。作業中は出られない旨を留守番電話で伝え、対応可能な時間帯を営業時間の設定と揃えておくと、お客様の期待値がずれません。
多店舗・チェーン
複数の店舗を運営している場合、管理のしやすさから全店を本部代表番号やフリーダイヤルに統一したくなります。しかしガイドラインは、可能であれば総合受付センターではなく個々の拠点の番号を使うよう求めています。
したがって、メインは各店舗の直通番号、共通のフリーダイヤルは追加番号として持たせるのが基本形になります。予約センターで一括対応している業態でも、店舗側に直通の回線を1本残しておくと運用の自由度が高まります。
なお、店舗ごとに番号を管理すると、どの番号がどの店のものか分からなくなりがちです。ラベルや店舗コードを使った整理術は別記事で扱っているので、店舗数が増えてきたら参照してください。
予約が電話に偏っている業種
クリニック、整骨院、飲食店の個室予約など、いまだに電話予約が主流の業種があります。こうした店では、電話番号の選択がそのまま売上に直結します。
おすすめは、予約専用の回線をメインに据えることです。一般の問い合わせと予約が同じ番号に集中すると、話し中で予約を逃す時間帯が生まれてしまいます。
なお、医療機関の場合は広告表現に関する規制もあわせて確認が必要です。判断に迷う内容は、必ず専門家にご相談ください。
番号を変更・追加・非表示にするときの手順と落とし穴

方針が決まったら、実際に設定を変えていきます。ここでは手順と、現場でよく起きる失敗をあわせて整理します。
変更前にやっておくべき棚卸し
ビジネスプロフィールの番号を変える前に、いま自店の番号が載っている場所をすべて書き出してください。自社サイト、各種ポータル、SNSのプロフィール、地図アプリ、名刺、チラシ、看板といったところが対象になります。
この棚卸しをせずにビジネスプロフィールだけ変更すると、ウェブ上に新旧2つの番号が混在する状態が生まれます。これはNAPの一貫性を大きく損なうため、変更作業は「同じ週にまとめて全部直す」つもりで計画してください。
変更の手順そのものはシンプル
手順自体は難しくありません。ビジネスプロフィールにアクセスし、「プロフィールを編集」から「連絡先」を開き、電話番号の横の編集アイコンを選んで番号を入力し、保存するだけです。
別の番号を足したいときは、同じ画面で「電話番号を追加」を選びます。入力すると自動で書式が整うので、国番号やかっこ、ハイフンを手入力する必要はありません。
ただし、保存してもすぐには反映されず、審査待ちの状態になることがあります。数日たっても変わらない場合でも、慌てて何度も編集し直さず、まずは反映を待つのが基本です。
追加の電話番号の使いどころ
追加の電話番号は、メインの番号を補う役割で使います。予約専用ダイヤル、部門別の直通、全国共通のフリーダイヤルなどが典型的な使い方です。
逆に、使わないほうがよいのは「とりあえず持っている番号を全部入れる」という運用です。番号が3つ並んでいると、お客様はどこにかければよいのか迷ってしまいます。
枠が3つあるからといって埋める必要はありません。迷わせないことのほうが、情報量を増やすことより優先されます。
電話番号を非表示にするという選択
ヘルプでは、ビジネスプロフィール上で電話番号を非表示にすることもできると案内されています。電話対応を行っておらず、予約フォームやメッセージアプリに一本化している事業者向けの選択肢です。
ただし、非表示にする前に一度立ち止まってください。地図から店を探すお客様の多くは、いますぐ連絡を取りたい状態にあります。電話という最短ルートを閉じるなら、それに代わる導線を必ず用意しておく必要があります。
通話ボタンを活かして問い合わせを増やす具体的な工夫は、通話ボタンから問い合わせを増やす設定と導線にまとめています。非表示を検討する前に、まず改善余地がないか確認してみてください。
現場でよくある3つの失敗
1つ目は、代表者が退職・交代したあとも、その人の私用携帯が登録されたままになっているケースです。担当者が変わるタイミングは、電話番号を見直す絶好の機会です。
2つ目は、業者に依頼した際に、その業者が用意した番号がそのまま登録されているケースです。契約が終わったあとに番号が使えなくなり、プロフィール上の連絡先が死んでしまう事故が起こります。
3つ目は、番号は正しいのに誰も出ない、というケースです。設定の問題ではないため気づかれにくいのですが、成果への影響はもっとも大きい失敗です。
こうした落とし穴を含め、避けるべき運用はプロフィール停止を防ぐ:やりがちなガイドライン違反集で横断的に整理しています。年に一度は目を通しておくことをおすすめします。
よくある質問(FAQ)

携帯電話番号だけでも登録できますか
登録できます。ヘルプでも携帯電話番号または固定電話番号を追加できると案内されており、携帯番号が禁止されているわけではありません。
ただし業種によっては、固定電話がないことで信頼面の印象が変わることがあります。実店舗があり、かつ高単価・長検討の商材を扱っている場合は、固定電話の導入を検討する価値があります。
フリーダイヤルをメインに載せてもよいですか
禁止はされていませんが、おすすめはしていません。ガイドラインは可能であれば総合受付センターではなく個々の拠点の番号を使うよう求めており、フリーダイヤルは多くの場合その拠点直通にならないためです。
フリーダイヤルを見せたい場合は、追加の電話番号として登録するのが現実的な折り合いです。メインは店舗の直通番号にしておきましょう。
電話番号を変えると順位は下がりますか
電話番号の変更が順位を下げると、Googleが公表しているわけではありません。ただし変更後に情報がウェブ全体で食い違う状態が続くと、店舗情報の信頼性という点で不利に働く可能性はあります。
変更するなら、掲載箇所をまとめて短期間で統一してください。混在する期間を最小にすることが、実務上いちばん大切な対策です。
FAX番号は載せられますか
載せられません。ヘルプには、携帯電話番号または固定電話番号は追加できるが、FAX番号は追加できないと明記されています。
FAX番号を伝えたい場合は、自社サイトの店舗情報ページなど、別の場所に記載してください。ビジネスプロフィールの電話番号欄は、通話できる番号のためのものです。
1つのプロフィールに何件まで番号を登録できますか
メインの電話番号に加えて、最大2件を追加できます。合計で3件までという理解で問題ありません。
ただし前述のとおり、枠を埋めることが目的ではありません。お客様が迷わない構成を優先してください。
まとめ|「つながる番号」を素直に載せるのがいちばん強い

電話番号の選び方は、複雑に見えて原則はひとつです。その拠点に直接つながり、営業時間中に必ず人が出られる番号を、メインに据えること。
そのうえで、フリーダイヤルや予約専用ダイヤルなどは追加の枠で補います。合計3件という制限は、実務上ほとんどの店にとって十分な余裕があります。
最後にもう一度だけ確認してほしいのが、いま登録されている番号に実際にかけてみることです。数十秒で終わる確認ですが、これで見つかる不具合は驚くほど多いものです。
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