「テイクアウトは何時まで受け付けていますか」という電話が、閉店間際にかかってくる。飲食店や小売店では、よくある場面ではないでしょうか。
店内の営業は21時まででも、テイクアウトの受付は19時で締めている。宅配は昼の時間帯だけ、という店もあります。
Googleビジネスプロフィールには、こうした「サービスごとに違う時間」を伝えるための項目が用意されています。それが「営業時間の詳細」です。
通常の営業時間だけを設定していると、お客様は「開いている時間なら全部のサービスが使える」と受け取ります。その結果、受付を締めたあとに来店されたり、確認の電話が増えたりします。
この記事では、「営業時間の詳細」がどういう項目なのか、通常の営業時間や特別営業時間と何が違うのか、どう設定してどう活かすのかを、店舗オーナーの方に向けて整理しました。設定そのものは10分ほどで終わる作業です。
「営業時間の詳細」とは何を伝える項目か

まずは、この項目が何のためにあるのかを押さえておきます。営業時間まわりの設定は3種類あり、混同されがちだからです。
通常の営業時間との違いは「誰のための時間か」
通常の営業時間は、お店そのものが開いている時間です。ドアが開いていて、スタッフがいて、お客様を迎えられる時間帯を指します。
これに対して「営業時間の詳細」は、店の中の特定のサービスだけが使える時間を表します。テイクアウト、宅配、ドライブスルー、店舗受け取りといったものです。
Googleビジネスプロフィールヘルプでも、この項目は「ビジネスで提供している特定のサービスの営業時間」を選べるものとして説明されています。店全体ではなく、サービス単位で時間を伝えるための枠だと考えるとわかりやすくなります。
公式ヘルプには、営業時間が午前6時から午後9時までの店で、ハッピーアワーを午後5時から午後8時、テイクアウトを午前10時から午後6時に設定する例が挙げられています。店が開いている大きな枠の中に、小さな枠がいくつか入るイメージです。
特別営業時間との違いは「くり返すかどうか」
もうひとつ混同されやすいのが、特別営業時間です。こちらは祝日やイベントの日など、特定の日だけ時間が変わるときに使います。
判断に迷ったら、「毎週くり返すのか、その日だけなのか」で分けてください。毎週決まって発生するサービス別の時間なら「営業時間の詳細」、その日限りの変更なら特別営業時間です。
なお特別営業時間は、一時的な変更と連続6日までの休業に使うものとされています。7日以上または期間未定で休む場合は、特別営業時間ではなく臨時休業のマークを使うのがGoogleのルールです。
通常の営業時間や特別営業時間そのものの設定手順は、別の記事で詳しくまとめています。基本の設定がまだの方は、そちらを先に済ませてください。
通常の営業時間を設定しないと表示されない
ここは見落としやすい前提です。営業時間の詳細は、通常の営業時間を設定するまで管理画面に出てきません。
「メニューを探したけれど見つからない」という相談の多くは、通常の営業時間が未設定か、「営業時間不定で営業している」の状態になっていることが原因です。まずは曜日ごとの営業時間を入れてから、詳細の設定に進んでください。
設定できるサービスの種類と、店によって項目が違う理由

「うちの管理画面には、記事に書いてある項目が出てこない」。これもよくある質問です。理由を知っておくと迷わずに済みます。
公式ヘルプに挙げられている4つ
Googleビジネスプロフィールヘルプが例として挙げているのは、宅配・テイクアウト・ドライブスルー・店舗受け取りの4つです。飲食店や小売店で使う場面が多い項目が並んでいます。
これらは「店は開いているが、そのサービスの受付時間は別」というケースを想定しています。仕込みや配達員の手配など、店側の事情で締め時間が前倒しになる業務が当てはまります。
業種によって選択肢が変わる
公式ヘルプには、このほかにハッピーアワーの設定例も載っています。さらに実際の管理画面では、業態に応じてランチやディナーなど別の項目が並ぶこともあります。
これは選んでいるカテゴリ(業種)によって、表示される項目が変わるためです。カフェと自動車整備工場で、必要な時間の種類が同じはずはありません。
つまり、他店の画面と自店の画面が違っていても異常ではありません。自分の管理画面に出ている選択肢の中から、実態に合うものを選ぶという考え方で問題ありません。
項目が見つからないときに確認すること
欲しい項目が出てこない場合は、次の順番で確認してみてください。まず通常の営業時間が入っているか、次にカテゴリの設定が実態と合っているかです。
たとえばテイクアウトを主力にしている店なのに、カテゴリが実態とずれていると、テイクアウトの項目が出ないことがあります。カテゴリは検索での見つかりやすさにも効く重要な設定なので、この機会に見直しておくと一石二鳥です。
それでも該当する項目がない場合は、無理に別の枠を流用しないでください。実態と違う種類に時間を入れると、お客様に誤解を与えます。代わりに、ビジネスの説明文や属性、最新情報の投稿で補うほうが安全です。
「営業時間の詳細」の設定手順

ここからは実際の操作です。管理画面の表示は随時変わりますが、流れ自体は変わりません。
設定の前に手元で決めておくこと
画面を開く前に、紙でもメモアプリでもよいので、サービスごとの時間を書き出しておきます。曜日によって違うなら、曜日ごとに書き出してください。
ここを曖昧にしたまま画面に向かうと、「だいたいこのくらい」で入力してしまいがちです。現場が実際に守れる時間だけを書き出すのがコツです。
あわせて、編集できる権限があるかも確認しておきましょう。営業時間の編集にはオーナーまたは管理者の権限が必要です。
管理画面での操作は4ステップ
公式ヘルプに沿うと、手順は次のとおりです。パソコンでもスマートフォンでも考え方は同じです。
- 自分のビジネスプロフィールを開く
- 「プロフィールを編集」から「営業時間」を選ぶ
- 「他の営業時間を追加」で、設定したい種類(テイクアウトなど)を選ぶ
- 種類ごとに曜日と時間帯を設定して「保存」を押す
難しい操作はありません。つまずくとすれば、3番目の「他の営業時間を追加」がどこにあるか分からない、という場面くらいです。
この項目は、通常の営業時間を入力する欄の下のほうに置かれています。画面を少し下にスクロールして探してみてください。
種類が複数あるときは1つずつ設定する
テイクアウトと宅配の両方を設定したい場合、まとめて入力することはできません。種類別に、それぞれ設定する必要があります。
面倒に感じるかもしれませんが、逆に言えばサービスごとに違う時間を正確に伝えられるということです。テイクアウトは19時まで、宅配は14時までといった書き分けができます。
なお、この機能はヘルプ上では「営業時間の詳細」と書かれている一方、管理画面のボタンは「他の営業時間を追加」というラベルになっています。呼び方が2通りありますが、指しているものは同じです。
設定でつまずきやすい3つのポイント

操作自体は簡単ですが、運用で失敗しやすい点があります。設定する前に目を通しておくと、やり直しが減ります。
営業時間の枠からはみ出す設定にしない
営業時間の詳細は、通常の営業時間の内側に収めるのが基本です。店が閉まっている時間帯にテイクアウトだけ受け付けている、という設定は不自然になります。
たとえば営業時間が9時から21時なら、テイクアウトは11時から20時のように大きな枠の中に小さな枠を置く形にします。8時から22時のようにはみ出す設定は避けてください。
もし本当に営業時間外にも受け渡しをしているなら、そもそも通常の営業時間の設定が実態と合っていない可能性があります。先に通常の営業時間を見直すほうが筋が通ります。
実態と違う時間を入れると、かえって信用を失う
「多めに書いておけば機会が増えるのでは」と考えたくなるかもしれません。しかし、これは逆効果になりやすい判断です。
お客様は表示された時間を見て来店します。行ってみたら受付が終わっていた、という体験は、その場の機会損失だけでなく口コミでの低評価につながります。
情報を整える目的は、来店前と来店後のギャップをなくすことです。少なめに、確実に守れる時間を書くほうが、結果として店の評判を守ります。
保存してもすぐには反映されない
保存を押したのに検索結果が変わらない、という相談は多いものです。編集内容は審査を経てから公開されるため、その場ですぐ反映されるとは限りません。
審査中は管理画面にその旨の案内が表示されます。案内が出ている間は保存自体は済んでいるので、同じ編集を何度もやり直す必要はありません。
連休前やキャンペーン前など、期日がある変更は余裕をもって設定しておくと安全です。反映に数日かかっても間に合います。
業種別に見る「営業時間の詳細」の使いどころ

同じ機能でも、業種によって効く場面は変わります。自店に近いところを読んでみてください。
飲食店:テイクアウトと宅配の締め時間
飲食店では、店内のラストオーダーとテイクアウトの受付終了が別になっている店が多くあります。調理の段取り上、持ち帰りだけ先に締めるという運用です。
この差は、店の外からはまったく見えません。営業時間の詳細に入れておけば、電話で確認しなくても分かる状態になります。
ランチとディナーで提供内容が変わる店なら、メニューの登録とあわせて整えると効果的です。「何が食べられる店か」と「いつ食べられるか」が揃います。
小売店:店舗受け取りの受付時間
ネットで注文して店舗で受け取る仕組みを持っている小売店では、受け取りカウンターの対応時間が店の営業時間より短いことがあります。担当者が常駐していない時間帯があるためです。
この時間を書いておくと、「閉店前に寄ったのに受け取れなかった」という事態を防げます。受け取りが絡む業態では、来店前の期待値を合わせる効果が大きい項目です。
クリニック・サロン:項目がないときの補い方
クリニックやサロンでは、診療・施術の受付終了が営業時間より前に設定されているのが普通です。ただし、業種によっては該当する選択肢が管理画面に出ないことがあります。
その場合は無理に別の種類を流用せず、ビジネスの説明文や最新情報の投稿、ホームページ側で補ってください。属性の設定も、来店前の不安を減らすのに役立ちます。
なお、医療・健康分野の情報発信には広告や表現に関する規制が関わることがあります。書き方に迷う場合は、所轄官庁の案内を確認するか、専門家にご相談ください。
設定したあとに確認しておきたいこと

入力して終わりにせず、見え方と運用の両方を確かめておきます。ここまでやって、はじめて設定が意味を持ちます。
自分の店の見え方を実際に確かめる
設定した内容は、サービスごとの営業時間としてプロフィール上に表示されます。ただし、どの位置にどう並ぶかはGoogleの仕様変更で変わることがあります。
設定した本人がスマートフォンで店名を検索し、お客様と同じ画面を見てみてください。入力した内容と表示が一致しているかを目で確認するのが確実です。
時間を変えたら、詳細も一緒に見直す
ありがちな事故が、通常の営業時間だけ変えて詳細を放置してしまうことです。閉店を1時間早めたのに、テイクアウトの受付時間が以前のままになっている、といった状態です。
営業時間を触るときは、詳細もセットで確認する習慣にしてください。季節で時間が変わる店や、年末年始に大きく動く店はとくに注意が必要です。
参考:年末年始の営業時間をGoogleマップにまとめて設定する段取り
現場のオペレーションと合わせておく
設定した内容は、スタッフ全員が知っている状態にしておきます。画面には19時までと書いてあるのに、現場が18時半で締めていては意味がありません。
朝礼で共有する、レジ横に控えを貼るなど、方法は何でも構いません。ネット上の情報と店頭の運用が一致していることが、いちばんの信頼になります。
複数店舗なら、書き方のルールを先に決める
店舗が複数ある場合は、店ごとに担当者が思い思いに設定すると、すぐにばらつきが出ます。A店はテイクアウトを閉店30分前で締め、B店は15分前で締める、といった具合です。
お客様から見れば同じ看板の店です。どのサービスをどう設定するかの基準を、本部や店主が先に決めておくほうが、後の手戻りが減ります。
決めるのは難しいことではありません。「テイクアウトの受付は閉店の30分前まで」「宅配は最終配達が20時まで」のように、言葉にして共有しておくだけで十分です。
そのうえで、季節の変わり目など年に数回、全店の設定を見比べる時間をつくってください。放置された古い時間が残っていないかを確認できます。
よくある質問

営業時間の詳細を設定すると、検索順位は上がりますか
この項目を入れたから順位が上がる、という単純な関係はありません。ただし、店舗情報が正確に埋まっている状態は、ユーザーにとっても検索エンジンにとっても好ましいものです。
順位そのものより、見つけてもらったあとに来店へつながるかが大事です。迷いを減らす情報は、その一歩を後押しします。
「営業時間の詳細」という項目が見つかりません
管理画面では「他の営業時間を追加」というラベルで表示されています。ヘルプ上の呼び名と画面上の呼び名が違うだけで、同じ機能です。
それでも見当たらない場合は、通常の営業時間が未設定である可能性が高いです。先に曜日ごとの営業時間を入れてください。
中抜け(昼休み)がある場合はどう設定しますか
中抜けは営業時間の詳細ではなく、通常の営業時間のほうで表します。同じ曜日に時間帯の違う2つの枠を作ると、休憩時間があることを伝えられます。
9時から14時と、17時から22時のように分けて入力する形です。営業時間の詳細と役割が違うので、混同しないようにしてください。
設定した内容はいつまでに反映されますか
Googleのヘルプでは、編集内容の審査は通常10分以内に終わるものの、最大で30日ほどかかる場合があると案内されています。内容や時期によって差が出ると考えてください。
期日がある変更は、直前ではなく数日前に設定しておくのが安全です。審査待ちの案内が出ている間は、保存自体は完了しています。
店舗情報の整え方でお困りの方へ
営業時間の詳細は、単体で見れば小さな設定です。しかし「行ってみたら受け付けていなかった」を防ぐという意味では、来店に直結する項目でもあります。
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