車で来る客と歩いて来る客|整えるべき店舗情報は違う

車で来店する人と徒歩で来店する人が店舗に向かうイメージ

Googleマップで自分のお店を見つけてもらえた。ここまでは、MEOに取り組んでいる店舗ならある程度の手応えを感じられる段階だと思います。

ところが、見つけてもらえた後に来店まで至るかどうかは、また別の話です。お客様は「行ってみようかな」と思った瞬間から、頭のなかで来店までの段取りを組み立て始めます。

このとき、車で向かおうとしている人と、歩いて向かおうとしている人では、確認したいことがまったく違います。車の人は「停められるのか」を気にし、歩きや電車の人は「どこから入るのか」「駅からどれくらいか」を気にしています。

同じ店舗情報を見ていても、必要としている答えが別物なのです。片方だけを整えていると、もう片方のお客様は最後の一歩で手を止めてしまいます。

この記事では、交通手段によって整えるべき店舗情報がどう変わるのかを、Google公式ヘルプで確認できる仕様を踏まえながら整理します。駐車場の情報、徒歩の導線、そして自店のお客様がどの手段で来ているかを確かめる方法まで、現場でそのまま使える形でお伝えします。

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目次

車で来る客と歩いて来る客は、来店直前に別々のことを調べている

車の客と徒歩の客で知りたい情報が違うことを表すイラスト

まず押さえておきたいのは、お店を探す段階と、お店へ向かう段階では、お客様が求めている情報の種類がはっきり変わるということです。検索の段階では「よさそうな店かどうか」を見ていますが、向かう段階では「無事にたどり着けるかどうか」が関心の中心になります。

車の客が最後に確認するのは「停められるかどうか」

車で向かおうとしているお客様が抱える最大の不安は、目的地に着いた後のことです。店の前まで行ったのに停める場所がわからず、そのまま通り過ぎてしまった経験は、多くの人が一度はしているはずです。

車の客にとっては、駐車場の有無そのものよりも「何台あるのか」「どこから入るのか」「無料なのか」という具体性のほうが重要です。「駐車場あり」とだけ書かれていても、満車だったらどうしようという不安は消えません。

特に幹線道路沿いや、中央分離帯のある道路に面した店舗では、進行方向によって入れるかどうかが変わります。この一点が書かれているかどうかで、初来店のハードルは大きく変わります。

徒歩・電車の客が最後に確認するのは「たどり着けるかどうか」

一方、歩いて向かうお客様が気にしているのは、地図上のピンにたどり着いた後、実際に店の入口を見つけられるかどうかです。ビルの上層階やテナントの奥にある店舗では、建物の前まで来ても入口がわからないという事態が起こります。

電車で向かう場合は、これに「どの駅のどの出口から出ればいいか」という判断が加わります。駅の反対側の出口に出てしまうと、数分で着くはずの店に十分以上かかることも珍しくありません。

徒歩客にとっての情報は、距離よりも「迷わない目印」のほうが価値があります。「◯◯銀行の角を曲がってすぐ」といった一文が、地図の何倍も役に立つ場面があります。

情報が欠けていると、来店のいちばん手前で離脱する

やっかいなのは、この段階での離脱がまったく数字に残らないことです。お客様は誰にも相談せず、静かに別の店を選び直します。

順位が上がり、プロフィールも見られているのに来店が伸びない、という相談をいただくことがあります。話を聞いていくと、駐車場や入口の情報がまったく出ていない、というケースが少なくありません。

順位対策とアクセス情報の整備は、別々の作業のように見えて、実際は同じ来店という結果につながる一本の線です。順位だけを追いかけていると、この最後の数十メートルの取りこぼしに気づけません。

アクセス情報の整え方そのものについては、「駐車場がわからない」で逃がさないアクセス情報の整え方でも基本を解説しています。あわせて確認してみてください。

Googleマップの経路案内は、移動手段ごとに別の答えを返している

Googleマップが移動手段ごとに別の経路を案内するイメージ

店舗側がやるべきことを考える前に、Googleマップが移動手段をどう扱っているかを知っておくと、打ち手の優先順位が決めやすくなります。ここはGoogle公式のヘルプで確認できる部分なので、推測ではなく仕様として押さえておきましょう。

マップが対応している移動手段は7種類

Googleマップのヘルプによると、経路を検索できる移動手段は、車・公共交通機関・徒歩・ライドシェアリング(配車)・自転車・飛行機・オートバイの7種類です。お客様は目的地を決めた後、このなかから自分の手段を選んで経路を表示しています。

ただし、7種類すべてが誰の画面にも並ぶわけではありません。オートバイの経路は一部の地域のモバイル端末でのみ利用できるとされているなど、地域や端末によって選べる手段は変わります。

それでも、ひとつの店舗ページに対して複数の異なる到達ルートが同時に存在している点は変わりません。店側が「うちは車の客が中心だから」と決めつけても、マップ上では徒歩の経路も同じように案内され続けます。

なお公共交通機関の乗換案内も、地域によっては利用できない場合があります。現地の交通機関がGoogleマップに路線情報を提供していることが前提になるためで、地方部では電車・バスの経路が出にくいこともあります。

表示される移動手段の順番は固定されていない

Googleのヘルプでは、移動手段のランク付けについても説明されています。移動時間、距離、価格、移動手段の設定、検索内容との関連性といった要素の組み合わせで順番が決まり、一般的には移動手段の設定・移動時間・料金が最も重要な要素とされています。

ここで注目したいのは「移動手段の設定」という項目が挙げられている点です。ユーザー側の状況によって、どの手段が上に来るかは変わりうる、と読み取れます。

店舗側がこの順番をコントロールすることはできません。だからこそ、どの手段で来るお客様にも通用する情報を、あらかじめ用意しておく必要があるわけです。

経路案内が向かうのは住所ではなく「ピンの位置」

ここからは公式の仕様ではなく、現場で何度も見てきた経験則としてお伝えします。意外と見落とされがちなのが、ナビの終点として使われるのは住所の文字列そのものではなく、地図上に打たれたピンの位置だという点です。

住所が正しく登録されていても、ピンが建物の裏側や隣のビルに乗っていると、お客様はそちらへ案内されてしまいます。実際、住所は合っているのに「たどり着けなかった」という相談は、ピンの位置が原因だったというケースが多く見られます。

この影響は、車の客と徒歩の客で出方が違います。車の場合は「ナビの終点が駐車場入口と別の場所」になり、徒歩の場合は「建物の反対側に出てしまう」という形で現れます。

ピンの位置がずれていると感じたら、早めに直しておくのが得策です。具体的な修正手順は住所は正しいのにピンの位置がずれている時の直し方にまとめてあります。

車で来店するお客様のために整える情報

店舗の駐車場に車が停まっているイラスト

ここからは具体的な整え方に入ります。まずは車で来店するお客様向けの情報からです。

駐車場の属性を「ある・ない」で終わらせない

Googleビジネスプロフィールには、店舗の設備や条件を伝えるための属性という項目があります。Googleのヘルプには、特定の属性を追加すると、その属性を持つ場所が検索された際に自店が結果に表示される可能性がある、と明記されています。

駐車場に関する属性も用意されており、無料か有料か、施設内か路上かといった区分で選べるようになっています。ただしこの選択肢の一覧は公式ヘルプには掲載されていないため、実際にご自分の管理画面を開いて、今どの項目が出ているかを確認してください。

ヘルプにも「一部の属性は特定の地域、国、業種に限って変更可能です」と書かれているとおり、選べる項目は業種や地域によって変わります。同業の店で見た項目が自店では出てこない、ということも起こります。

バリアフリー関連の属性もあわせて見ておきたいところです。ヘルプでは、車椅子対応の駐車場については、バリアフリーのニーズに対応した専用駐車スペースがある場合に「はい」を選ぶよう案内されています。

車椅子対応の入り口については、入り口の幅が1メートル(3フィート)以上あり、段差や階段がない場合に「はい」を選びます。階段が1段以上ある場合は、常設または取り外し可能なスロープがあることが条件とされています。

なお属性を編集した後、審査にかかる時間は通常10分ほどですが、場合によっては最大で30日かかるとされています。直前になって慌てないよう、余裕をもって設定しておきましょう。

属性全般の設定漏れを防ぐ考え方は、Googleビジネスプロフィールの属性設定|設定漏れをなくすコツで詳しく扱っています。駐車場以外の項目も含めて、一度まとめて棚卸ししておくと安心です。

写真で駐車場の入口と停め方を見せる

属性はあくまで「ある・ない」を伝える仕組みなので、細かなニュアンスは写真で補うのが現実的です。おすすめは、駐車場の入口を道路側から撮った写真を1枚用意しておくことです。

運転席から見える景色に近い高さ・角度で撮っておくと、初めて来る人でも「この看板が見えたら曲がればいい」と判断できます。店舗の正面写真よりも、入口が写った1枚のほうが来店の背中を押すことがあります。

台数が少ない店舗ほど、区画全体が写った写真が効きます。3台しかないことが先にわかっていれば、お客様は満車を想定して早めに出るか、近隣のコインパーキングを調べておくという準備ができます。

提携駐車場がある場合は、その入口も撮っておきましょう。「提携駐車場あり」という文字だけでは、どこにあるのかが伝わりません。

説明文と投稿で「わかりにくさ」を先回りして書く

ビジネスプロフィールの説明欄は、属性では表現できない条件を補う場所として使えます。進行方向の制約、時間帯による入りにくさ、大型車が入れるかどうかといった情報は、ここに文章で書いておくのが向いています。

書くべき内容を見つけるコツは、電話で聞かれたことをそのまま書くことです。お客様が電話で確認してくるということは、それが情報として出ていない証拠にほかなりません。

季節や時期で駐車場の事情が変わる店舗は、最新情報の投稿機能も使えます。週末は混み合うので少し早めにお越しください、といった案内は、投稿であれば気軽に出し入れできます。

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徒歩・電車・バスで来店するお客様のために整える情報

電車・バス・徒歩で来店する導線のイラスト

続いて、歩いて来るお客様への情報整備です。車と違って、こちらは「最後の数十メートル」をどう案内するかが勝負どころになります。

最寄り駅の「出口」と所要時間をセットで書く

駅からの案内で最も効くのは、駅名ではなく出口の指定です。「◯◯駅から徒歩5分」ではなく「◯◯駅の南口を出て徒歩5分」と書くだけで、迷う確率はぐっと下がります。

所要時間は、実際に歩いて計った数字を使ってください。地図アプリの表示より少し長めに書いておくと、お客様が焦らずに済みます。

複数の駅が使える立地なら、最も近い駅だけでなく、乗り換えなしで来られる駅も併記しておくと親切です。お客様は距離ではなく、乗り換えの手間で来店を決めていることがあります。

駅名や地名をどこまで店舗情報に含めるかについては、地名・駅名キーワードの選び方と使いどころで整理しています。過度な詰め込みは避けるべきなので、そちらもご確認ください。

入口までの目印を、写真と言葉の両方で示す

徒歩の客が最もつまずくのは、ビルに入ってからです。1階に別のテナントが入っている雑居ビルの2階や、地下にある店舗では、建物の前に立っても入口が見つからないことがあります。

対策としては、ビルの外観写真と、エントランス部分の写真を分けて用意するのが有効です。外観だけだと「この建物で合っているか」はわかっても、「どこから入るのか」までは伝わりません。

言葉での目印は、なるべく変わりにくいものを選びます。コンビニやテナントは入れ替わるので、目印にするなら銀行・郵便局・公園・橋・信号名など、数年単位で変わらないものが安全です。

エレベーターで上がる店舗なら、何階で降りるかまで書いておきましょう。細かいようですが、初めて来る人にとっては一つひとつが判断の材料になります。

バス・自転車で来る人も取りこぼさない

電車の路線が少ない地域では、バスで来店するお客様の比率が上がります。バス停は駅ほど有名ではないため、停留所名を書いておくだけでも役に立ちます。

自転車も無視できない手段です。Googleマップは自転車の経路にも対応していますが、店側で伝えるべきは経路ではなく、駐輪できる場所があるかどうかです。

駐輪スペースが店の裏手にある、隣の駐輪場を使ってほしい、といった情報は、お客様には推測できません。書かれていない設備は「無い」と受け取られやすい、と考えておくくらいがちょうどよいと思います。

自店のお客様がどの手段で来ているかを確かめる

来店客の交通手段を数字で確かめるダッシュボードのイラスト

車と徒歩の両方を整えるのが理想ですが、時間も手間も限られています。自店にとってどちらの比重が大きいかがわかれば、優先順位をつけられます。

パフォーマンスの「ルート」を手がかりにする

Googleビジネスプロフィールのパフォーマンス画面には、ルート検索の数を確認できる項目があります。これは、お店までの経路を調べたユーザーの数として集計されているものです。

残念ながら、この数値は移動手段ごとには分かれていません。ただ、ルート検索が多いのに来店が伸びていないとすれば、経路を調べた後に何かが起きている、という仮説は立てられます。

ルート検索そのものを増やす工夫については、「ルート検索」を増やして来店につなげる工夫で別途解説しています。数を増やす話と、増えた後の取りこぼしを防ぐ話は、セットで考えると効果が出やすくなります。

口コミと現場の声から手段を読み取る

数値でわからない部分は、お客様の声から拾うのが早道です。口コミに「駐車場が停めにくかった」「駅から思ったより遠かった」と書かれていれば、それがそのまま整備すべき情報を教えてくれています。

電話での問い合わせ内容も、同じくらい貴重な材料です。スタッフに「今週どんな質問が多かったか」を聞くだけで、情報の穴が見えてくることがあります。

来店したお客様に直接聞くのも有効です。「どうやって来られましたか」の一言で、想定と実態のズレに気づけることは珍しくありません。

商圏の広さから、優先すべき手段を推定する

データが十分に集まらないうちは、商圏の広さから逆算する方法もあります。あくまで目安ですが、半径500メートル程度から来店が中心なら徒歩の情報を、数キロ離れた地域から来ているなら車の情報を先に整える、という決め方です。

この距離の線引きに決まった正解はありません。自店の予約台帳や会員データに住所が残っているなら、そこから実際の分布を見るほうが確実です。

Googleマップでの見え方は、検索する場所によって変わります。同じキーワードでも、店の目の前と3キロ離れた地点では順位が違うのが普通です。

どのくらいの距離まで自店が表示されているかを面で確認できると、車の客をどこまで狙えるのかが見えてきます。私が開発・運営しているaccess-meoは、店舗の周辺をグリッド状に区切って順位を可視化するツールで、こうしたエリアごとの見え方を確認する目的で使えます。

よくある質問(FAQ)

交通手段別の情報整備に関するよくある質問のイラスト

駐車場がない店舗は、どう書けばいいですか

無いことをはっきり書くほうが、お客様にとっても店にとっても親切です。属性で「駐車場なし」に相当する設定ができる場合はそれを選び、説明欄で近隣のコインパーキングに触れておくとよいでしょう。

曖昧なままにしておくと、車で来たお客様が店の前で困ることになります。その体験は口コミに残ることもあるため、先回りして伝えておくほうが安全です。

属性を設定すれば、Googleマップの順位は上がりますか

属性の設定だけで順位が上がると断言することはできません。ただGoogleのヘルプには、特定の属性を追加すると、その属性を持つ場所が検索された際に表示される可能性がある、と書かれています。

順位が上がるかどうかというより、条件を絞って探しているお客様との接点が増える、と捉えるのが実態に近いと考えられます。

ホームページのアクセスページとの使い分けはどうしますか

ビジネスプロフィール側には、来店直前に必要な最小限の情報を置くのが基本です。駐車場の有無、台数、最寄り駅の出口、入口の場所といった、その場で判断できる内容です。

ホームページのアクセスページには、方面別のルート図や、バスの系統、駐車場の写真といった詳しい情報をまとめます。両方に同じ内容を書く必要はなく、プロフィールから自然に誘導できれば十分です。

情報を更新したのに、マップに反映されません

属性の編集については、審査にかかる時間は通常10分ほどで、場合によっては最大30日かかるとGoogleのヘルプに記載されています。すぐに反映されなくても、しばらく待ってみてください。

大型連休や年末年始の直前に慌てて変更すると、間に合わない可能性があります。営業体制が変わる予定があるなら、余裕をもって手を付けておくのが安全です。

まとめ:交通手段を想定するだけで、取りこぼしは減らせる

交通手段を想定して店舗情報を整えるまとめのイラスト

ここまでの内容を、実際の作業手順として整理しておきます。まずは自店に車で来る客と歩いて来る客のどちらが多いかを、ルート検索の数・口コミ・現場の声から見立てます。

次に、車の客向けには駐車場の属性・台数・入口の写真を、徒歩や電車の客向けには駅の出口・所要時間・入口の目印を用意します。どちらも、属性で表せる部分は属性で、表せない部分は説明欄と写真で補うのが基本の形です。

最後に、ピンの位置が実際の入口と大きくずれていないかを確認します。これが合っていないと、どれだけ情報を書いても最後の案内が狂ってしまいます。

順位を上げる施策と比べると地味な作業ですが、すでに「行きたい」と思ってくれた人を確実に迎え入れるための整備です。費用もほとんどかかりません。

1時間もあれば、駐車場の属性を見直し、入口の写真を1枚追加し、説明欄に駅の出口を書き足すところまでは終わります。今週のうちに、車と徒歩の両方の目線で自店のプロフィールを眺めてみてください。

自店のアクセス情報を見直したい方へ

「うちの店はどちらを優先すべきかわからない」「どこまで書けばいいのか判断がつかない」といったお悩みがあれば、お気軽にご相談ください。株式会社アクセス・リンクでは、Googleビジネスプロフィールの整備からMEOの運用支援、店舗ホームページの制作までを一貫してお手伝いしています。

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この記事を書いた人
三田健司
三田健司
access-meo 開発・運営/株式会社アクセス・リンク 代表取締役

全日本SEO協会認定SEOコンサルタント。Webサイト制作・SEOを10年以上、延べ1,000件以上支援してきた実績をもとに、Googleマップ・ローカル検索(MEO)での集客を可視化し、改善まで後押しする支援ツール「access-meo」を開発・運営しています。個人事業主や中小企業の店舗集客をサポートします。

(社)全日本SEO協会 認定SEOコンサルタント

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