「お店のGoogleビジネスプロフィールを開いたら、いつもあった『質問と回答』の欄が見当たらない」。2026年に入ってから、そんな声を店舗オーナーの方から聞くようになりました。
結論からお伝えすると、これは不具合でも設定ミスでもありません。Googleは「質問と回答(Q&A)」機能そのものを段階的に終了させており、多くのビジネスプロフィールからすでに姿を消しています。
ただ、慌てる必要はありません。お客様が来店前に疑問を持つこと自体は何も変わらないので、答える場所を移し替えれば済む話だからです。
この記事では、実際に何がいつ起きたのかを一次情報にもとづいて整理したうえで、代わりに登場したAIによる回答の仕組みと、店舗が今日から取れる具体的な対応をお伝えします。専門用語はできるだけ避け、明日から手を動かせる形でまとめました。
Googleビジネスプロフィールの「質問と回答」に何が起きたのか

2025年11月3日、まず外部ツール向けのAPIが終了した
Google公式のデベロッパー向けドキュメント(Business Profile APIsの変更履歴)には、My Business Q&A APIが2025年11月3日に廃止されたと明記されています。この時点で、外部のツールから質問や回答を読み書きすることはできなくなりました。
あわせて、新しい質問や新しい回答を知らせる通知の種類も廃止されています。MEOツールや多店舗の一括管理ツールでQ&Aを見ていた方は、このタイミングでデータが取れなくなっているはずです。
Googleはこの変更を2025年9月15日に予告しており、その際「Q&Aの機能とユーザー体験を更新している最中である」と説明していました。つまり単なる機能停止ではなく、作り直しを前提とした終了だったということです。
2025年12月3日から、お客様に見える表示も段階的に消えた
APIの次に止まったのが、実際にお客様の目に触れる部分です。2025年12月3日、GoogleのヘルプフォーラムでQ&Aセクションを一般ユーザー向けに表示しなくなる方針が告知されました。
この告知以降、Googleマップや検索結果のビジネス情報から「質問と回答」のセクションは順次消えていきました。ただし、いつ全店舗で完了するのかという公式なスケジュールは示されていません。
そのため「知り合いの店ではまだ残っているのに、うちはもう消えている」という状態が、一時期あちこちで発生しました。本記事を執筆している2026年8月時点では、多くのビジネスプロフィールで一般のお客様から「質問と回答」の欄が見えなくなっています。
過去に投稿された質問と回答も、お客様の目には触れません。ただし削除されたわけではなく、Googleは公開済みのQ&Aを引き続き店舗の理解に役立てると説明しています。
「質問するボタンが出てこない」のは不具合ではありません
Googleビジネスプロフィールの公式コミュニティにも、この件についての案内が掲載されています。まず新しい質問を投稿できなくなり、その後、既存の質問に回答できるのはオーナーと管理者だけになりました。
つまり、機能が完全に消滅したわけではありません。2025年11月までに投稿された既存の質問には、管理者権限でログインすれば今も回答できる状態が続いています。
ですから「自分が設定を間違えたのでは」「ペナルティを受けたのでは」と心配する必要はありません。業種や地域にかかわらず、すべての店舗で同じことが起きているGoogle側の仕様変更です。
似た流れとして、ビジネスプロフィールのメッセージ機能もすでに終了しています。こちらの経緯と代替策はGoogleビジネスプロフィールのメッセージ機能は終了|代替策で詳しくまとめていますので、あわせてご確認ください。
なぜGoogleは「質問と回答」をやめたのか

「誰も答えない質問」とスパムが積み上がっていた
Q&Aはもともと、お客様が質問を投稿し、店舗や他の利用者がそれに答えるという仕組みでした。ところが実際には、質問だけが残って誰も答えないまま放置されるケースが非常に多かったのが実情です。
さらに、競合他社や業者による誘導目的の書き込み、同業への嫌がらせ、まったく無関係な宣伝なども入り込んでいました。放置されたQ&Aは、かえって店舗の印象を下げる要因になっていたのです。
私自身、クライアントのプロフィールを点検していて「3年前の質問に誰も答えていない」という状態に何度も出くわしました。日々の運用に手が回らない店舗ほど、この負債が溜まりやすい仕組みだったといえます。
AIがまとめて答える形に置き換わる
Googleは廃止の理由として「Q&Aの機能とユーザー体験を更新している」と説明しています。その置き換え先として用意されたのが、生成AIがその場で回答を組み立てる仕組みです。
誰かが答えてくれるのを何日も待つのではなく、AIが店舗の情報や口コミを読んで即座に答える。利用者から見れば、待ち時間ゼロで答えが返ってくるほうが便利なのは間違いありません。
この流れは、口コミのAI要約やAI検索の広がりと地続きです。ローカル検索全体が「一覧から自分で選ぶ」から「聞いたら答えてくれる」へ、静かに移りつつあります。
代わりに来たのは「マップに質問する」というAIの回答
Q&Aの直接の後継として、2025年12月に店舗の詳細ページへ、AIに質問できるボタンが追加されました。日本のGoogleマップアプリでは「この場所についてマップに質問する」という表記になっています。
「駐車場はありますか」「子ども連れでも大丈夫ですか」といった質問を入力すると、AIがその店に絞って答えを返してくれます。誰かが答えてくれるのを何日も待つ必要はありません。
これとは別に、Googleマップ全体を対話形式で使える「Ask Maps」という機能も発表されています。こちらは2026年3月12日の発表で、まず米国とインドから提供が始まりました。
Ask Mapsの日本での正式提供については、本記事の執筆時点で公式な発表は確認できていません。ただし、正式提供を待ってから動き出す必要はまったくありません。
AIが読み取る情報源は今すぐ整えられますし、その作業はそのまま通常のMEO対策としても効いてくるからです。
AIは、あなたの店の何を読んで答えているのか

Q&Aがなくなった今、店舗にとって大事なのは「AIが何を材料にして答えているのか」を知ることです。材料が正確にそろっていれば答えも正確になり、材料が欠けていれば答えられないか、誤った答えが出てしまいます。
情報源①:ビジネスプロフィールに登録された情報
AIが最初に見るのは、店舗自身が登録した情報です。営業時間、住所、電話番号、カテゴリ、属性、商品・サービス、説明文といった項目が土台になります。
ここが空欄だと、AIには答えようがありません。「テイクアウトはできますか」に答えてもらうには、属性欄でテイクアウトにチェックが入っている必要があるということです。
Q&Aが担っていた「細かい疑問に答える役割」は、この属性や商品・サービス欄に移ったと考えるとわかりやすいはずです。設定の具体的な手順は属性(バリアフリー・テイクアウト等)の設定漏れをなくすにまとめています。
情報源②:口コミと、オーナーからの返信
次に読まれるのが口コミです。お客様が書いた文章には、店側が公式に書いていない具体的な情報が驚くほど含まれています。
見落とされがちなのが、オーナー返信もあわせて読まれるという点です。「駐車場が停めにくかった」という口コミに「近隣にコインパーキングが3か所あります」と返信しておけば、それが答えの材料として残ります。
つまり口コミ返信は、お客様への礼儀であると同時に、店の情報を残す作業でもあるということです。書き方に迷う場合は良い口コミ・悪い口コミへの返信のコツ(例文付き)を参考にしてください。
情報源③:自社ホームページと外部の掲載情報
AIはビジネスプロフィールの中だけを見ているわけではありません。店舗の公式サイトや、各種ポータルサイトへの掲載情報も参照します。
だからこそ、自社サイトにFAQページを置く価値があります。プロフィールの項目に書き切れない細かい条件は、自社サイトに書いておくのがもっとも確実な方法です。
ここで大事になるのが情報の一致です。サイトとプロフィールで営業時間が違っていると、AIはどちらを信じてよいか判断できません。
Q&A廃止後に、今日からやるべき5つの対応

①これまでQ&Aに書いていた内容を回収する
まず、過去に自店のQ&Aへ書いていた内容を思い出してください。すでに表示が消えている場合、その情報はどこにも残っていない可能性があります。
手元にメモや控えがあるなら、それがそのままFAQの原案になります。なければ、スタッフに「お客様からよく聞かれることは何ですか」と尋ねるのがいちばんの早道です。
電話でよく受ける質問と、来店時にレジやカウンターで聞かれること。この2つを書き出すだけで、たいていの店舗では10個前後の質問が集まります。
②自社サイトにFAQページをつくる
集めた質問は、自社サイトのFAQページにまとめます。1ページに10〜20問、質問を見出しにして答えを本文に書く、という形が基本です。
答えは2〜4文程度で、あいまいな表現を避けて具体的に書きます。
「駐車場あり」ではなく「店舗前に3台分あります。満車の場合は徒歩1分のコインパーキングをご利用ください」と書くほうが、人にもAIにも正しく伝わります。
FAQページには、FAQPageの構造化データを入れておくと内容が読み取られやすくなります。ただし、構造化データを入れたからといって検索結果に必ずリッチな表示が出るわけではない点は理解しておいてください。
③ビジネスプロフィールの項目を埋め切る
FAQページと並行して、プロフィール側の空欄をゼロにします。カテゴリ、属性、商品・サービス、説明文、営業時間、特別営業時間まで、すべて埋めるのが目標です。
特に属性は取りこぼしが多い項目です。バリアフリー、支払い方法、Wi-Fi、子ども連れ、ペット可など、該当するものは残らずチェックしてください。
商品・サービス欄も有効に使えます。メニューや施術名を1件ずつ登録しておくと、それが「〇〇はできますか」への答えになります。
④口コミ返信を「答え」として残す
口コミへの返信を、単なるお礼で終わらせないようにします。質問めいた内容や誤解が含まれていたら、その場で正確な情報を書き添えるのがコツです。
「予約なしで入れるのか分からなかった」という口コミがあれば、「平日は当日でもご案内できることが多いですが、土日はご予約をおすすめしています」と返す。これで一つ、公開された答えが残ります。
過去の口コミにさかのぼって返信するのも有効です。古い口コミであっても、返信は今からでも追加できます。
⑤最新情報の投稿で、季節・臨時の疑問に先回りする
年末年始の営業、臨時休業、季節限定メニュー。こうした一時的な疑問までFAQに書いてしまうと、更新の手間が増えて続かなくなります。
そこで使うのが「最新情報」の投稿です。期間が限られる情報は投稿で流し、いつでも変わらない情報はFAQと属性に置く、という使い分けにすると管理がぐっと楽になります。
特別営業時間の設定も忘れずに行ってください。営業時間の表示が実態と違っていると、それだけで来店機会を失ってしまいます。
業種別・先回りして答えておきたい質問の例

何を書けばよいか思いつかないという場合のために、業種ごとに聞かれやすい質問を挙げておきます。自店に当てはまるものから埋めていってください。
飲食店
駐車場の有無と台数、個室の有無、予約の要否、席数、子ども連れの可否、アレルギー対応、支払い方法。この7つは業態を問わず、ほぼ必ず聞かれる項目です。
テイクアウトや宅配に対応しているなら、属性と商品欄の両方に反映させてください。ランチとディナーで内容や価格が違う場合は、その違いまで書いておくと問い合わせが減ります。
美容室・サロン
指名の可否、施術時間の目安、駐車場、当日予約の可否、キャンセル規定、初回来店時の流れ。このあたりが定番の質問です。
料金は幅を持たせてでも書いておくほうが親切です。「カット4,400円〜(ブロー込み)」のように、条件を添えて記載すると誤解が生じにくくなります。
クリニック・整骨院
保険適用の範囲、予約の要否、初診に必要なもの、診療時間、駐車場、対応できる症状の範囲。患者さんが事前に知りたい情報を並べていきます。
ただし、医療広告に関するルールがあるため表現には注意が必要です。効果を断定する表現や、他院と比較して優位性を示す表現は避けてください。
判断に迷う内容については、事前に専門家にご相談ください。業種ごとの詳しい注意点はクリニック・整骨院のMEOで気をつけたい点にまとめています。
小売店・サービス業
在庫の確認方法、取り寄せの可否、返品交換の条件、駐車場、営業時間、支払い方法。ここが埋まっていれば、来店前の疑問の大半はカバーできます。
修理や出張対応を行っている業種なら、対応エリアと概算の費用感も書いておきたいところです。事前に条件が分かっていると、問い合わせの質そのものが上がります。
AI時代のMEOでやってはいけないこと

情報の食い違いを放置しない
もっとも避けたいのが、自社サイト・ビジネスプロフィール・ポータルサイトで情報がバラバラな状態です。AIは複数の情報源を照らし合わせるため、食い違いがあると誤った答えが出る可能性が高まります。
営業時間を変えたら、すべての掲載先を同じ日に更新する。この習慣を持つだけで、誤答のリスクはかなり下がります。
AIの回答を無理にコントロールしようとしない
AIが出す回答文そのものを、店側が直接編集することはできません。できるのは、AIが読み取る材料を正確にそろえておくことだけです。
「AI対策」と称して不自然にキーワードを詰め込んだり、事実と違う魅力的な表現を書いたりするのは逆効果になります。ガイドライン違反と判断されれば、プロフィールの停止につながる恐れもあります。
効果は順位と行動指標の両方で見る
Q&Aがなくなったことで、どの施策が効いたのかは以前より見えにくくなりました。だからこそ、地図での表示順位と、ルート検索・通話・サイト訪問といった行動指標をセットで追う必要があります。
順位は検索する場所によって変わるため、1地点だけを見ても実態はつかめません。正しい測り方についてはGoogleマップ順位の正しい測り方(検索する場所で変わる理由)で詳しく解説しています。
よくある質問(FAQ)

Q. 過去に投稿された質問と回答は復活しますか?
本記事の執筆時点で、同じ形での復活は公表されていません。Googleは機能とユーザー体験の刷新を理由に挙げていますが、従来のQ&Aが一般ユーザー向けに戻るという案内は出ていない状況です。
ただし、投稿済みのQ&Aが削除されたわけではありません。オーナー・管理者であれば管理画面から既存の質問に回答できますが、お客様の目には触れないため、内容はFAQページなど別の場所へ移し替えておくのが現実的です。
Q. Q&Aがなくなると検索順位に影響しますか?
Q&Aの有無が直接の順位要因であるとGoogleが明言したことはありません。ただし、質問に答えていた情報が失われることで来店前の不安を解消できず、機会損失につながる可能性はあります。
対応としては、失われた情報をFAQページや属性へ移し替えることが最優先です。順位そのものより、情報の欠落を埋めるほうが効果を実感しやすいはずです。
Q. FAQページは何問くらい用意すればいいですか?
まずは10問を目標にしてください。電話とレジでよく聞かれることを書き出せば、この程度の数はすぐに集まります。
数を増やすことより、1問ごとの答えを具体的に書くほうが大切です。あいまいな答えは、読む人にもAIにも役立ちません。
Q. Ask Mapsは日本でも使えますか?
マップ全体を対話形式で使える「Ask Maps」は2026年3月12日に発表され、まず米国とインドで提供が開始されました。日本での正式提供について、本記事の執筆時点で公式な発表は確認できていません。
一方、Q&Aの後継にあたる「この場所についてマップに質問する」は、日本のGoogleマップアプリでも表示が確認されています。いずれにせよ、AIが読む情報を整える作業は今すぐ始められます。
Q. 情報を整えたら、どのくらいで効果が出ますか?
反映のスピードは項目によって異なります。営業時間や属性の変更は比較的早く反映されますが、検索順位や集客への波及にはもう少し時間がかかると考えてください。
一般的には、変更してから数週間から数か月の幅で見ていくのが現実的です。焦らず、月に一度は見直す運用に落とし込むことをおすすめします。
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情報を整えても、それが実際の検索結果にどう反映されているかは、店内から検索してみただけでは分かりません。検索する場所によって順位は変わるため、周辺エリア全体での見え方を確認する必要があります。
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