「Googleビジネスプロフィールのメッセージ機能の使い方を調べたのに、管理画面のどこを探しても見当たらない」。そんな経験はありませんか。
実はこれ、設定を見落としているわけでも、権限が足りないわけでもありません。Googleビジネスプロフィールのチャット機能(メッセージ機能)は、2024年7月31日をもって提供が終了しています。
同時に通話履歴の機能も使えなくなっており、いまから新しく有効にすることはできません。管理画面を何度リロードしても項目が出てこないのは、そういう理由です。
ただし、お客様が検索やマップからお店に連絡できなくなったわけではありません。残っている導線を正しく整えれば、問い合わせの数はむしろ増やすことができます。
この記事では、何が終了して何が残ったのかを整理したうえで、いま使える代替のチャットオプションと、問い合わせ導線を作り直す具体的な手順をお伝えします。専門知識がなくても順番に進められる形でまとめました。
Googleビジネスプロフィールのメッセージ機能は2024年7月31日に終了しました

終了したのは「チャット」と「通話履歴」
Googleは公式ヘルプで、2024年7月31日をもってビジネスプロフィールのチャット機能と通話履歴機能が利用できなくなったことを案内しています。ビジネスプロフィールからチャットでユーザーとやり取りしたり、ユーザーの通話履歴を確認したりすることは、現在できません。
新しくチャットを開始することも、過去の設定を復活させることもできません。管理画面に「メッセージ」の項目が見当たらないのは、操作ミスではなく仕様です。
終了したのはチャット本体だけではありません。チャット内で使えた「よくある質問」機能と、外部システム連携に使われていたGoogle Business Messages APIも、あわせて提供を終了しています。
終了は二段階で進みました。2024年7月15日から新しいチャットを開始できなくなり、同日にはチャットでやり取りしていたユーザーへ通知が出され、7月31日に機能そのものが使えなくなっています。
チャットボットを外部ツールで組んでいた店舗は、この時点で連携が切れています。もし当時のまま放置していると、動いていないボタンや案内文がサイトに残っている可能性があるので、一度見直してみてください。
「使い方」を解説した古い記事に注意
検索すると、いまだに「メッセージ機能の設定手順」を詳しく説明した記事が出てきます。その多くは2024年より前に書かれたもので、画面の説明も現在の管理画面とは一致しません。
手順どおりに操作しても項目が出てこないのは、記事の情報が古いからです。仕様変更が多い分野なので、更新日が書かれていない解説記事は一度疑ってみることをおすすめします。
私も日々Googleビジネスプロフィールの運用支援をしていますが、この件はとくに問い合わせが多かったテーマです。「機能が消えた=自分の店がペナルティを受けたのでは」と心配される方もいました。
結論としては、全ユーザー共通の変更なのでご安心ください。あなたの店だけに起きている現象ではありません。
過去のチャット履歴はもう取り出せない
Googleは、過去のチャットや通話履歴の記録をGoogleデータエクスポートからダウンロードできる期間を、2024年8月30日までと案内していました。つまり現時点では、当時のやり取りを後から取り出すことはできません。
顧客とのやり取りをGoogleの中だけに置いておくと、こうした仕様変更のたびに記録ごと失われます。誰がいつ何を相談してきたかという情報は、店舗にとって貴重な資産です。
この経験は、連絡手段を自社で管理できる仕組みに寄せるべき理由として覚えておく価値があります。記事の後半で、その具体的な寄せ方をお伝えします。
見積もりのリクエストも利用できなくなった
Googleは公式のよくある質問で、ユーザーがビジネスプロフィールから見積もりをリクエストすることはできなくなったと明記しています。チャット経由で使われていた機能だったため、チャットの終了とともに姿を消しました。
リフォーム、修理、清掃、外構工事など、見積もり相談から商談が始まる業種では影響が大きい変更です。「以前は勝手に問い合わせが来ていたのに、最近パタリと止まった」という感覚がある場合、この変更が原因のひとつかもしれません。
その代わりの受け口は、自社のフォームや電話に作り直す必要があります。ここを放置したままだと、見込み客が連絡する手段を見つけられずに離れていきます。
終了で何が変わり、何が残ったのか

お客様は今も検索とマップから連絡できる
Googleは公式に、ユーザーはこれまでどおりGoogle検索とGoogleマップでお店を見つけて問い合わせできると説明しています。ウェブサイトのリンク、ビジネスの説明、写真などを通じてお店の詳細を伝えられる点も変わっていません。
電話を受けることも、ウェブトラフィックやルート検索といったエンゲージメント指標を確認することも、これまでどおり可能です。失われたのは「チャットという一つの入口」であって、集客の仕組み全体ではありません。
ここを取り違えて「もうGoogleマップからの集客は終わった」と考えてしまうと、大きな機会損失になります。実際には、電話とウェブサイトという主要な導線はそのまま残っています。
通話ボタンの電話番号は自動で切り替わった
Googleの転送用電話番号を使っていた場合、通話ボタンの番号がどうなるのかを気にされる方がいます。Googleは、電話番号は販売者がビジネスプロフィールで指定した番号に自動的に更新されると案内しています。
つまり、店舗側で登録している本来の番号が表示される状態に戻っています。この処理は自動で行われているため、店舗側で追加の作業をする必要はありません。
ただし、そもそも登録している番号が古いままだと話は別です。この機会に、プロフィールに載っている電話番号が現在使っている番号かどうかを確認しておきましょう。
パフォーマンス指標から「会話数」が消えた
Google Business Profile APIを使って数値を取得している場合、BUSINESS_CONVERSATIONS(会話数)の指標がPerformance APIで使えなくなっています。自社でレポートを自動生成している方は、この項目を参照している箇所がないか確認してください。
管理画面のパフォーマンス画面でも、チャット由来の数値を追うことはできません。過去のレポートと現在のレポートを並べると数字が途切れて見えますが、これは異常ではなく仕様変更の結果です。
いま追える指標が何で、どう読めばよいのかは、Googleビジネスプロフィールのパフォーマンス(インサイト)の見方で詳しく解説しています。あわせて確認してみてください。
影響を受けるのはすべてのビジネス
「一部の国だけの変更ではないか」という質問もいただきますが、Googleは公式のよくある質問で、この変更はすべてのユーザーに影響すると明記しています。業種や規模、国を問わず共通の変更です。
そのため、競合店だけがチャットを使えて自店が不利になる、という状況は起きません。差がつくのは、空いた穴をどう埋め直したかという運用の部分です。
逆に言えば、いまは多くの店舗が導線を放置したままです。ここを丁寧に作り直せば、同じ商圏の中で一歩抜け出せるチャンスでもあります。
代わりに使える「チャット」はテキストメッセージとWhatsApp

連絡先に「チャットオプション」を追加できる
チャットという概念が完全になくなったわけではなく、形を変えた後継の仕組みがあります。Googleは、ビジネスプロフィールを申請してオーナー確認を完了しているビジネスは、連絡先情報にWhatsAppまたはテキストメッセージのオプションを追加できると案内しています。
これは以前のようにGoogleの中でチャットするのではなく、お客様のスマートフォンのSMSアプリやWhatsAppに直接つながる仕組みです。やり取りが自社の端末に残るため、Googleの仕様変更に左右されにくいという利点があります。
前提条件はオーナー確認の完了です。まだ確認が済んでいない場合は、先にGoogleビジネスプロフィールの登録とオーナー確認の手順を済ませてください。
チャットオプションの設定手順
Googleのヘルプに沿って手順を整理すると、次の流れになります。管理画面の見た目は随時変わるため、ボタンの位置ではなく項目名を手がかりに探すのがコツです。
- ビジネスプロフィールの管理画面にアクセスする
- 「プロフィールを編集」を開き、「連絡先」タブを選ぶ
- 「チャット」の横にある編集(鉛筆)アイコンをクリックする
- プルダウンから「WhatsApp」または「テキストメッセージ」を選ぶ
- WhatsAppのclick-to-chat用URL、またはテキストメッセージを受信できる電話番号を入力する
- 「保存」をクリックして完了
入力する電話番号は、SMSを受信して返信できる番号にしてください。固定電話の番号を入れてしまうと、お客様がメッセージを送っても誰にも届きません。
「チャット」の項目が出てこない場合
ここで多くの店舗がつまずきます。Googleは、チャットオプションは現在一部の地域でのみ利用でき、お客様のビジネスプロフィールでは利用できない場合があると明記しています。
つまり、項目が表示されないこと自体は異常ではありません。無理に探し回るより、このあと説明する電話・フォーム・予約リンクの導線を固めるほうが確実です。
日本のビジネスプロフィールでは、この項目が表示されないという声を多く聞きます。現時点では「使えたらラッキー」くらいに考えて、他の導線を主役に据えるのが安全です。
提供地域は今後変わる可能性があります。三か月に一度くらいの頻度で、連絡先の編集画面をのぞいてみるとよいでしょう。
設定するときに知っておきたい注意点
テキストメッセージとWhatsAppの両方を入力した場合、ユーザーに表示されるのはテキストメッセージのオプションだけになります。両方を同時に見せることはできないので、どちらを主要な窓口にするかを先に決めてください。
また、WhatsAppのリンクは複数のビジネスプロフィールで同じものを使い回すことができます。多店舗で本部が一括して問い合わせに対応する体制なら、この仕様は便利に働きます。
一方で、日本のお客様が中心の店舗では、SMSやWhatsAppでの問い合わせに慣れていない方も少なくありません。設定する場合も、電話やフォームといった従来の導線は必ず残しておいてください。
返信を担当する人が決まっていない状態で窓口だけ増やすのも危険です。届いたメッセージを何日も放置すると、かえって印象を悪くします。
メッセージ機能の穴を埋める、問い合わせ導線の作り直し

①電話番号を登録し、確実に表示させる
Googleは公式のよくある質問で、チャットが主な連絡方法だった場合には、ユーザーが連絡を取れるようビジネスプロフィールに電話番号を追加することをすすめています。番号を登録していない、あるいは非表示にしているなら、まずここを直してください。
登録する番号は、店舗の代表番号と一致させるのが基本です。ホームページや各種ポータルサイトの表記とズレていると、Googleが同一の店舗だと判断しにくくなります。
番号や住所の表記をあちこちで揃えておく作業は地味ですが、ローカル検索では確実に効いてきます。名刺やチラシ、予約サイトの表記もこの機会にそろえておきましょう。
営業時間外にかかってきた電話を取りこぼさない仕組みも用意しておきましょう。留守番電話に「翌営業日に折り返します」と一言入れておくだけでも、諦めて他店に流れる人を減らせます。
②ウェブサイトのリンクと問い合わせフォームを整える
チャットの代わりに一番働くのが、自社サイトの問い合わせフォームです。ビジネスプロフィールのウェブサイト欄からフォームまで、何回タップすればたどり着くかを実際に確かめてみてください。
スマートフォンで見たときに入力項目が多すぎると、そこで離脱します。氏名・連絡先・相談内容の三つ程度に絞るだけで、送信率は目に見えて変わります。
もうひとつ見落とされがちなのが、送信後の画面です。「送信しました」だけで終わらせず、いつ頃返信が来るのかを書いておくと、お客様は安心して待ってくれます。
サイトとビジネスプロフィールの役割分担については、ホームページとMEOを連携させて店舗集客を最大化する方法で具体的に解説しています。
③予約リンクで「相談」を「行動」に変える
チャットで受けていた予約相談は、予約リンクに置き換えるのが最も素直な方法です。ビジネスプロフィールには予約リンクを設定する欄があり、対応する予約システムを使っていれば検索結果から直接予約してもらえます。
チャットのやり取りを何往復もするより、空き枠を見せて自分で選んでもらうほうが早いケースは多いです。店舗側の対応時間も大きく減らせます。
設定方法はGoogleビジネスプロフィールの予約リンク設定で来店に直結にまとめました。まだ設定していない店舗は、優先度を高くして取り組む価値があります。
なお、Googleは一部の国や地域で「Googleで予約」というプラットフォームを提供しており、サービスの予約や支払いに対応できる場合があります。利用できるかどうかは、お使いの予約システムが対応しているかで決まります。
④「質問と回答」で先回りして答える
チャットで多かった質問は、たいてい同じ内容の繰り返しです。駐車場の有無、支払い方法、子ども連れの可否といった定番の疑問は、ビジネスプロフィールの「質問と回答」に先回りして掲載できます。
ここに答えが載っていれば、お客様は問い合わせをせずに来店を決められます。問い合わせ件数は減っても来店数は増える、という状態が理想です。
「最新情報(投稿)」も同じ役割を果たします。臨時の混雑状況やキャンペーンをこまめに出しておくと、電話で確認する手間を省けます。
週に一度でも構いません。更新が止まっているプロフィールより、動いているプロフィールのほうがお客様は安心して連絡してくれます。
⑤自社で持てるチャネルに誘導する
LINE公式アカウントやメールマガジンなど、自社で管理できるチャネルを持っておくと、今回のような仕様変更に強くなります。Googleの中だけで完結する連絡手段は、Googleの都合でいつでも変わり得るからです。
来店時に登録を案内したり、レシートやショップカードにQRコードを載せたりと、接点は店内にたくさんあります。一度つながっておけば、次の集客にかかるコストは大きく下がります。
ここで大事なのは、無理に囲い込もうとしないことです。「登録すると次回の空き状況が先に届く」といった、お客様側の得になる理由を用意してください。
問い合わせが増えないときに見直すポイント

「見られていない」のか「見られたが動かれない」のか
問い合わせが少ないとき、原因は大きく二つに分かれます。そもそも検索結果に表示されていないのか、表示されているのに行動されていないのかです。
パフォーマンス画面で、表示回数と、通話・ルート検索・ウェブサイトクリックの数を見比べてください。表示回数が少ないなら露出の問題、表示回数のわりに行動が少ないならプロフィールの中身の問題です。
この切り分けをせずに施策を打つと、時間もお金も無駄になります。写真を増やしても、そもそも誰にも見られていなければ数字は動きません。
表示回数そのものが伸びない場合は、地図上のどのエリアで見つけてもらえているのかを確認すると原因が絞れます。測り方はGoogleマップ順位の正しい測り方で解説しています。
「連絡していいお店か」が伝わっているか
お客様が連絡をためらう理由の多くは、情報不足による不安です。営業時間が古いまま、写真が数枚しかない、説明文が空欄、といった状態では、電話をかける前に手が止まります。
営業時間、写真、説明文、属性の四つは、最低限埋めておきたい項目です。とくに写真は、店内の雰囲気とスタッフの様子が伝わるものを入れておくと、初めての人の不安が下がります。
説明文は、何のお店で、誰の、どんな困りごとを解決するのかを簡潔に書けば十分です。書く内容が決まっていれば、10分ほどで用意できます。
口コミへの返信が放置されている場合も、印象を下げます。返信は投稿者だけでなく、それを読んでいる未来のお客様に向けたメッセージでもあると考えてください。
反応の速さを社内ルールにする
チャットが使えたころは即時返信が期待されていましたが、電話やフォームに移っても早さの価値は変わりません。フォームの返信は営業時間内なら何時間以内、という目安を決めておきましょう。
返信が翌日以降になると、多くのお客様はその間に他店へ問い合わせています。とくに予約が絡む業種では、この差がそのまま売上の差になります。
担当者が不在でも一次返信だけは出せるよう、短いテンプレートを用意しておくと安心です。「確認して本日中にご連絡します」の一文があるだけで、待ってもらえる確率は上がります。
仕様変更に振り回されないための習慣
今回のメッセージ機能終了のように、Googleの仕様は予告なく変わります。情報源をSNSの噂ではなく、Googleビジネスプロフィールヘルプなどの一次情報に置くことが、遠回りのようで一番早い方法です。
そのうえで、順位や表示回数を定点で記録しておくと、変化が起きたときに「いつから、どのくらい」を説明できます。記録がないと感覚だけで対策を打つことになり、判断を誤りやすくなります。
私が開発・運営しているaccess-meoも、こうした定点観測を手軽に行うために作ったツールです。店舗の周辺をエリアごとに区切って順位を可視化できるので、変化の兆しに早く気づけます。
ツールを使わない場合でも、月に一度スクリーンショットを残しておくだけで十分に役立ちます。大事なのは、比べられる記録を持っておくことです。
よくある質問(FAQ)

メッセージ機能はいつか復活しますか?
復活についてGoogleからの公式な案内は出ていません。現時点では、テキストメッセージやWhatsAppのチャットオプションが実質的な後継と考えるのが現実的です。
管理画面に「チャット」の項目がないのは設定ミスですか?
設定ミスではない可能性が高いです。Googleはチャットオプションが一部の地域でのみ利用できると明記しており、プロフィールによっては表示されません。
過去のチャット履歴を今から取り出せますか?
できません。Googleデータエクスポートからのダウンロード期限は2024年8月30日までと案内されていたため、現在は取得できない状態です。
見積もりのリクエストは使えますか?
使えません。Googleは公式のよくある質問で、ユーザーが見積もりをリクエストすることはできなくなったと明記しています。
自社サイトのフォームや電話で受ける形に切り替えてください。見積もり専用のフォームを用意しておくと、必要な情報を最初にそろえられます。
チャットが使えないと検索順位に不利になりますか?
チャットの有無が順位を直接左右するという公式の説明はありません。ただし、電話番号やウェブサイトなどの情報が欠けていると、お客様にとって使いにくいプロフィールになります。
SMSでの問い合わせに対応する人手がありません
無理に窓口を増やす必要はありません。返信できない窓口を開けておくより、電話とフォームに絞って確実に対応するほうが、結果として評判は良くなります。
医療機関や士業でも同じ対応でよいですか?
基本的な考え方は同じですが、医療広告ガイドラインをはじめ、業種ごとの規制や職業上のルールがあります。表現の可否について判断に迷う場合は、専門家にご相談ください。
お問い合わせ・ご相談
「自分の店の問い合わせ導線がこれで足りているのか分からない」「そもそもマップで見つけてもらえているのか知りたい」という場合は、お気軽にご相談ください。株式会社アクセス・リンクでは、Googleビジネスプロフィールの整備からホームページ制作、MEO・SEOの改善支援までを一貫してお手伝いしています。
まずは、いまお店が地図上でどう見えているのかを確かめるところから始めるのがおすすめです。現在地が分かれば、次にやるべきことは自然と決まります。
