「MEO対策を始めたけれど、うまくいっているのかどうか分からない」。店舗のオーナーから、いちばん多くいただく相談のひとつです。
管理画面を開くと数字はたくさん並んでいますが、どれを見ればよいのか、どの数字が下がったら心配すべきなのかは、どこにも書かれていません。
結論からお伝えすると、MEOの分析で見る数字は「順位」「反応」「口コミ」の3つに整理できます。この3つをそれぞれ決まった道具で測り、組み合わせて読むことで、次に何をすべきかがはっきりします。
この記事では、3つの数字の意味と測り方、組み合わせの読み方、分析ツールの使い分け、月1回の分析の進め方までを順番に解説します。
執筆は、全日本SEO協会認定SEOコンサルタントとして中小企業のWeb制作やSEO・MEOの支援に携わり、Googleマップの順位をエリアごとに測るツール「access-meo」を開発・運営している三田健司です。2026年10月時点のGoogle公式情報をもとにお伝えします。
MEOの分析は「順位・反応・口コミ」の3つの数字で考える

MEOの成果は、お客様がお店を「見つける」、お店に「興味を持って行動する」、来店後に「評価を残す」という流れで生まれます。3つの数字は、この流れのそれぞれの段階に対応しています。
順位は「見つけてもらえているか」を表す
「地域名+業種」などで検索したときに、お店がGoogleマップや検索結果のどの位置に表示されるかが順位です。順位が低いと、そもそもお客様の目に入りません。
Googleは、ローカル検索の結果は主に「関連性」「距離」「知名度」の3つの要素で決まると説明しています(Googleのローカル検索結果のランキングを改善する方法(Googleビジネスプロフィール ヘルプ))。順位は、この3つの要素の結果としてあらわれる数字です。
反応は「選ばれて行動されているか」を表す
お店のプロフィールが表示されたあと、電話をかける、ルートを調べる、ウェブサイトを開くといった行動がどれだけあったかが反応です。順位が同じでも、反応の数はプロフィールの中身で大きく変わります。
写真が少ない、営業時間が古い、説明文が分かりにくいといったプロフィールは、表示されても素通りされやすくなります。
口コミは「信頼され、また来たいと思われているか」を表す
口コミの件数、星の平均、書かれている内容は、来店したお客様の満足度を映す数字です。Googleの公式ヘルプでも、クチコミ数が多く評価の高いビジネスはローカル検索のランキングが高くなると説明されています。
つまり口コミは、順位と反応の両方に影響する土台の数字でもあります。
1つの数字だけで判断しない
よくある失敗が、順位だけを見て一喜一憂することです。順位が上がっても電話やルート検索が増えていなければ、来店にはつながっていない可能性があります。
反対に、順位が少し下がっても反応が増えているなら、大きな問題はないかもしれません。3つの数字をセットで見ることが、MEO分析の基本です。
| 数字 | 分かること | 主な確認先 |
|---|---|---|
| 順位 | 検索したときに見つけてもらえているか | Googleマップでの検索、順位計測ツール |
| 反応 | 表示されたあとに行動されているか | Googleビジネスプロフィールのパフォーマンス |
| 口コミ | 来店後に満足され、信頼されているか | 口コミ一覧、口コミ管理ツール |
数字①順位:Googleマップでの見え方を測る

順位は3つの中でいちばん気になる数字ですが、実はいちばん測り方を間違えやすい数字でもあります。正しく測るためのポイントを押さえておきましょう。
順位は検索する場所によって変わる
ローカル検索では「距離」が順位の要素に含まれるため、同じキーワードでも、検索する人がどこにいるかで順位が変わります。お店の前で検索すると1位でも、2km離れた駅前では圏外ということは珍しくありません。
さらに、検索する人の履歴や端末によっても表示は変わります。そのため、オーナーが自分のスマホで検索した結果だけで「1位だから大丈夫」と判断するのは危険です。
「1地点」ではなく「エリア」で見る
お客様はお店の周りのさまざまな場所から検索しています。そこで、お店を中心に地図をマス目に区切り、各地点での順位を測る「グリッド計測」という方法があります。
結果をヒートマップ(色分けした地図)で表示すると、どの方面で強く、どの方面で弱いかがひと目で分かります。「どこで見つけてもらえていないか」が分かると、打ち手が具体的になります。
関連記事:MEOの順位計測ツール|1地点の計測と「面(グリッド)」の違い
キーワードは3〜5個に絞って定点観測する
順位を測るキーワードは、お客様が実際に使いそうな言葉を3〜5個に絞ります。たとえば美容室なら「〇〇駅 美容室」「〇〇市 美容院」「〇〇 カット」などです。
毎回同じキーワード、同じ地点、同じ間隔で測り続けることで、変化の意味が読み取れるようになります。測り方が毎回違うと、上がった・下がったの比較ができません。
順位の上下は短期間で判断しない
ローカル検索の順位は、日によって多少上下するのが普通です。1日や1週間の変動で慌てて設定を変えると、かえって原因が分からなくなります。
目安として、週1回程度の計測を続け、1か月単位の傾向で判断するのがおすすめです。大きく下がった状態が続く場合は、プロフィールの情報や停止の有無を確認しましょう。
数字②反応:パフォーマンスで来店につながる行動を見る

反応を測る基本の道具は、Googleビジネスプロフィールに無料で付いている「パフォーマンス」です。オーナー確認を済ませたお店であれば、誰でも確認できます。
パフォーマンスで確認できる主な指標
パフォーマンスでは、プロフィールの閲覧数、お店を見つけるために使われた検索語句、通話、ルート、ウェブサイトのクリックなどの数を確認できます(ビジネス プロフィールのパフォーマンスについて(Googleビジネスプロフィール ヘルプ))。予約やメニューのクリックなど、業種や設定によって表示される指標もあります。
公式ヘルプによると、表示されるのはそのビジネスに関連する指標のみです。たとえば電話番号を登録していないと、通話の数は記録されません。
| 指標 | 意味 | 見るポイント |
|---|---|---|
| 閲覧数 | 検索やマップでプロフィールを見たユーザーの数 | 露出が増えているか |
| 検索語句 | お店が表示された検索の言葉 | 狙った言葉で見つけられているか |
| 通話 | プロフィールから電話をかけた数 | 予約・問い合わせ型のお店で重要 |
| ルート | 経路を調べた数 | 来店意欲の強さを表す |
| ウェブサイトのクリック | ホームページへ移動した数 | リンク先の内容と合わせて確認 |
関連記事:Googleビジネスプロフィールのパフォーマンス(インサイト)の見方
閲覧数の数え方を知っておく
閲覧数は、プロフィールを見たユニークユーザー(重複を除いた人数)を数える指標です。公式ヘルプでは、同じ人が同じ日に何度見ても1回と数えると説明されています。
そのため、閲覧数は「何回表示されたか」ではなく「何人に見られたか」に近い数字です。メール通知などで届く「表示回数」とは数え方が異なるため、別の数字として扱いましょう。
検索語句は月単位で見る
検索語句のデータは毎月初めに更新され、反映までに5日ほどかかることがあると案内されています。月の途中で確認しても前月までの数字しか出ないため、月初めの定例作業にするとよいでしょう。
「店名」での検索が多いか、「地域名+業種」での検索が多いかを見ると、知名度で来ているのか、新規のお客様に見つけてもらえているのかが分かります。
「率」で見ると改善点が見えやすい
通話やルートの数そのものだけでなく、閲覧数に対してどれくらいの割合で行動されたかを計算してみましょう。たとえば閲覧数1,000人に対してルートが50件なら5%です。
閲覧数は増えたのに行動の割合が下がっているなら、プロフィールの写真や説明文、営業時間など「見た人が決める材料」を見直すタイミングです。
数字③口コミ:件数・評価・中身の3つで追う

口コミは、星の平均だけを見ていると変化に気づきにくい数字です。「件数」「評価」「中身」の3つに分けて追いかけましょう。
件数は「月に何件増えたか」で見る
口コミの合計件数は、少しずつしか増えないため変化が見えにくくなります。分析では、合計ではなく「今月何件増えたか」を記録するのがおすすめです。
月ごとの増加数が減ってきたら、口コミをお願いする声かけやQRコードの案内が止まっていないかを確認しましょう。
評価は平均と直近を分けて見る
星の平均は過去の口コミすべてを含むため、件数が多いお店ほど動きにくくなります。直近3か月の口コミだけで平均を出すと、最近のお客様の満足度がより正確に分かります。
全体の平均は良いのに直近の平均が下がっている場合は、早めに原因を探すべきサインです。
中身はテーマ別に数える
口コミの本文を「料理」「接客」「待ち時間」「価格」などのテーマに分け、良い声と不満の声を数えると、お店の強みと弱みが見えてきます。この作業は、数字だけでは分からない「理由」を教えてくれます。
具体的な手順は、自店の口コミの分析方法を解説した記事で詳しく紹介しています。
関連記事:Google口コミの分析方法|自店の口コミから改善点を見つける手順
返信の状況も記録しておく
口コミへの返信は、オーナーとしてお客様に向き合っていることを示す大切な行動です。Googleの公式ヘルプでも、ランキングを改善する方法のひとつとしてクチコミへの返信が挙げられています。
「今月の口コミのうち何件に返信したか」と「返信までに何日かかったか」を記録しておくと、運用が止まっていないかを確認できます。
3つの数字を組み合わせて読む:よくある5つのパターン

3つの数字がそろったら、組み合わせで状況を読み解きます。ここでは、支援の現場でよく見かけるパターンと、考えられる原因・打ち手を紹介します。
パターン1:順位は高いのに反応が少ない
見つけてもらえているのに選ばれていない状態です。写真が少ない、営業時間や定休日が実際と違う、説明文が分かりにくいなど、プロフィールの中身に原因があることが多いです。
特に1枚目に表示される写真や、営業時間の正確さは、反応に直結しやすいポイントです。まずはここから見直しましょう。
パターン2:反応は多いのに順位が低い
見てくれた人には選ばれているのに、見つけてもらえる範囲が狭い状態です。カテゴリの設定がお店の業種と合っているか、検索されやすい言葉がプロフィールに含まれているかを確認します。
エリア別の順位を見ると、お店の近くでは強いが少し離れると弱い、という傾向が分かることがあります。その場合は、口コミや知名度を高める取り組みが中心になります。
パターン3:順位も反応も良いのに来店が増えない
ルート検索は多いのに来店が増えない場合は、「着いてからの問題」を疑います。駐車場の場所が分かりにくい、入口が見つけにくい、実際の営業時間と表示が違うなどです。
この場合はGoogleの数字だけでは原因が分かりません。来店したお客様に「何で知りましたか」と聞くなど、店頭での声もあわせて確認しましょう。
パターン4:口コミの評価が下がり、反応も減っている
直近の口コミで不満が増え、それに続いて反応が減っている場合は、お店の体験そのものに問題が出ている可能性があります。口コミの中身をテーマ別に数え、同じ指摘が続いていないかを確認します。
この場合、MEOの設定をいじるよりも、接客や提供時間など、お店の改善を優先するほうが効果的です。
パターン5:すべての数字が急に下がった
順位も反応も一気に下がった場合は、プロフィールが停止されていないか、情報が勝手に書き換えられていないかを最初に確認します。Googleマップの検索の仕組みが変わったことによる変動の場合もあります。
急な変化のときほど、慌てて何かを変える前に「何が起きたか」を確かめることが大切です。
MEO分析ツールの種類と使い分け

3つの数字は、1つのツールですべてを完璧に測れるわけではありません。数字ごとに得意な道具を組み合わせるのが現実的です。
無料で使える基本の道具
反応はGoogleビジネスプロフィールのパフォーマンス、口コミはプロフィールの口コミ一覧で確認できます。どちらも無料で、オーナー確認を済ませれば使えます。
ホームページへの流入を詳しく見たい場合は、Googleアナリティクス(GA4)を使います。プロフィールに設定するウェブサイトのURLに計測用の印(UTMパラメータ)を付けると、プロフィール経由の訪問を分けて見られます。
順位は計測ツールを使うと手間が減る
順位は、自分で検索して確かめることもできますが、場所や履歴の影響を受けるため正確に測るのは難しい数字です。複数のキーワードを定期的に、決まった地点で測るなら、順位計測ツールを使うのが現実的です。
ツールには、1つの地点の順位を記録するタイプと、エリアをマス目に区切って面で測るタイプがあります。お店の商圏が広い場合や、方面ごとの強さを知りたい場合は面で測るタイプが向いています。
口コミが多いお店や多店舗は管理ツールを検討する
口コミが月に数十件以上あるお店や、複数の店舗を運営している場合は、口コミの通知・返信・集計をまとめてできる管理ツールが便利です。テーマ別の集計やAIによる要約ができるツールもあります。
ただし、AIの要約には読み違いが含まれることもあります。要約を見たら、元の口コミもいくつか必ず読んで確かめましょう。
ツール選びで確認したいこと
分析ツールを選ぶときは、高機能かどうかよりも、自店が見たい数字を無理なく続けて見られるかを基準にしましょう。次の点を確認しておくと失敗が減ります。
- 見たい数字(順位・反応・口コミ)のどれに対応しているか
- 順位の測り方(1地点か、エリア全体か)と計測の頻度
- 過去の数字と比べられる形で記録が残るか
- 月次の報告に使える形で書き出せるか
- 料金と、無料で試せる範囲があるか
関連記事:MEO対策ツールとは?4つの種類と目的別の選び方を解説
分析を続けるための「月1回・30分」の進め方

分析は一度やって終わりではなく、続けることで価値が出ます。忙しいお店でも続けられるよう、月1回・30分を目安にした進め方を紹介します。
毎月同じ日に、同じ順番で見る
検索語句のデータが更新される時期を考えると、毎月10日前後に分析日を決めておくと、前月分の数字がそろった状態で確認できます。見る順番は「順位→反応→口コミ」と決めておきましょう。
順番を決めておくと、毎回迷わずに済み、30分ほどで1か月分を確認できます。
記録は1枚の表にまとめる
毎月の数字は、表計算ソフトの1枚の表にまとめます。列は月、行は「主要キーワードの順位」「閲覧数」「通話」「ルート」「ウェブサイトのクリック」「口コミの増加数」「直近の平均評価」などにすると、変化がひと目で分かります。
あわせて「その月に行ったこと」(写真の追加、メニュー変更、キャンペーンなど)を1行メモしておくと、数字が動いた理由をあとから振り返れます。
前年同月とも比べる
飲食店や美容室などは、季節によってお客様の数が変わります。前の月とだけ比べると、季節の変動を「成果」や「悪化」と勘違いしてしまうことがあります。
1年以上データがたまったら、前年の同じ月とも比べてみましょう。季節の影響を除いて、取り組みの効果を判断しやすくなります。
分析のあとに「次の一手」を1つ決める
分析の最後には、必ず次の1か月でやることを1つだけ決めます。「写真を10枚追加する」「口コミのお願いをレジで声かけする」など、具体的な行動にするのがコツです。
やることを1つに絞ると、翌月にその効果を数字で確かめやすくなります。社内やお客様への報告が必要な場合は、月次レポートの形にまとめると便利です。
関連記事:MEO月次レポートの作り方|指標の選び方と書き方の手順
MEOの分析でよくある質問(FAQ)

Q1. 分析にはどれくらいの期間のデータが必要ですか?
まずは3か月分のデータがあると、傾向が見えやすくなります。始めたばかりの月は比べる相手がないため、記録を残すことを優先しましょう。
Q2. 順位が上がったのに電話が増えません。
順位が上がったキーワードが、実際に来店や問い合わせにつながる言葉かどうかを確認しましょう。
あわせて、プロフィールの写真や営業時間、電話番号が正しく表示されているかも見直してください。
Q3. 閲覧数が先月より減りました。問題でしょうか?
閲覧数は季節や天候、地域の行事などでも上下します。1か月だけの減少で判断せず、前年同月や数か月の流れで確認しましょう。
通話やルートなどの行動が減っていなければ、大きな心配はいらないことも多いです。
Q4. 分析ツールは必ず必要ですか?
必須ではありません。1店舗で口コミの数も少ないうちは、Googleビジネスプロフィールのパフォーマンスと表計算ソフトだけでも十分に分析できます。
順位をエリアごとに測りたい場合や、多店舗を運営している場合は、ツールを使うと手間を大きく減らせます。
Q5. 分析すれば必ず順位は上がりますか?
分析そのものが順位を上げるわけではなく、Googleはお金や依頼で順位を上げることはないと明言しています。分析で見つけた課題を一つずつ改善し、お客様に選ばれるお店になることが、結果として数字の改善につながります。
まずはお店の「今の順位」をエリアで確かめましょう
MEOの分析は、「順位」「反応」「口コミ」の3つの数字をセットで見ることから始まります。それぞれを決まった方法で測り、月1回の定点観測で組み合わせて読むことで、次に打つべき手がはっきりします。
中でも順位は、検索する場所によって結果が変わるため、正しく測るのがいちばん難しい数字です。
access-meoでは、お店の周り25地点のGoogleマップ順位を、登録不要・無料でチェックできます。
エリアごとの強さと弱さを色分けした地図で確認し、分析の第一歩にお役立てください。
MEOの分析や対策の進め方でお悩みのときも、お気軽にお問い合わせください。
