2階・地下の店で「入口がわからない」を防ぐ案内の作り方

2階と地下に入口がある店舗ビルと、地図ピンや矢印の案内を表したイラスト

「ホームページや地図を見て店の前まで来たのに、入口が見つからずに帰ってしまった」。ビルの2階や地下、あるいは建物の奥にお店を構えている方なら、こうした話を一度は耳にしたことがあるかもしれません。

入口がわかりにくい店では、お客様が店に着く前に迷い、あきらめてしまうことがあります。これは料理や接客の質とは関係のない、とてももったいない機会損失です。

この記事では、2階・地下・ビルの奥にある店舗が、Googleマップやホームページ、写真、店頭のサインを使って「迷わせない案内」をつくる方法を解説します。専門用語はできるだけ避け、今日から手を付けられる順番でまとめました。

執筆は、全日本SEO協会認定のSEOコンサルタントで、中小企業のWeb制作やSEO・MEO支援を行ってきた三田健司です。駐車場まわりの案内については「駐車場がわからない」で来店を逃さないアクセス情報の整え方で扱っているので、この記事は「建物の中での入口」に絞ってお伝えします。

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目次

入口がわかりにくい店が、来店前に逃しているもの

階段と矢印、地図ピンのある2階建て店舗ビルと来店客のイラスト

「店はあるのに入れない」で起きていること

お客様が店を探すとき、多くの人はスマートフォンの地図で場所を確認し、現地の様子を想像しながら向かいます。ところが2階や地下の店では、地図のピンが建物の真ん中に落ちているだけで、どこから入ればよいのかが分かりません。

建物の1階には別の店舗の看板が並び、自分の店の名前は小さな案内板にしか出ていない。そんな状況では、初めてのお客様はビルの前を何度も行き来することになります。

迷った時間が長いほど、「やっぱり別の店にしよう」と判断される可能性は高まります。入口でつまずくお客様は、口コミにも予約にも現れない見えない損失になりやすい点が、この問題の厄介なところです。

私の支援現場でも、店舗の実力は十分なのに、入口の案内が足りないだけで新規のお客様が定着しないケースを何度も見てきました。

入口の迷いが起きやすい3つの立地

代表的なのは、次の3つの立地です。ひとつ目は、ビルの2階以上にあり、1階からの階段やエレベーターが見つけにくい店です。

ふたつ目は、地下や半地下で、道路から店の存在そのものが見えない店です。

3つ目は、路地や建物の奥まった場所にあり、表の道から入口が見通せない店です。それぞれ迷う理由は違うため、案内の中身も変える必要があります。

まず自分の店を「初めての人の目」で歩いてみる

改善に入る前に、スタッフ以外の人に、最寄り駅や最寄りのバス停から店まで実際に歩いてもらってください。そのとき、地図アプリを見ながら、どこで迷ったかを記録してもらいます。

普段から通っている人には見えない「引っかかり」が必ず見つかります。迷った場所が分かれば、案内を足すべき場所も決まるので、この現地確認は最も費用対効果の高い作業です。

現状確認に使えるチェックの視点

チェックの視点は、難しいものではありません。最寄り駅や停留所の出口から店の建物が見えるか、建物の入口がすぐ分かるか、店の階数や店名が建物前で確認できるか、といった点です。

エレベーターや階段の位置、地下へ降りる入口、夜間の明るさ、雨の日の入りやすさも見ておくと、実際に来店するお客様の体験に近づけます。

「迷いやすさ」を数字と声で確かめる

Googleビジネスプロフィールのパフォーマンスでは、ルート検索や通話、ウェブサイトのクリックといった、お客様の行動を確認できます。ルート検索は多いのに来店が伸びていないと感じるなら、現地で迷っているお客様がいる可能性を疑ってみてください。

数字だけで断定はできないため、来店客に「ここまで迷わず来られましたか」と一言たずねる声かけも効果的です。数字と現場の声を組み合わせると、改善の優先順位が見えやすくなります。

Googleマップ上の住所・ピン・説明文を整える

矢印で入口へ案内する店舗と地図ピン、来店客のイラスト

住所に階数や部屋番号を入れてよいのか

Googleビジネスプロフィールのヘルプでは、住所に部屋番号や階数、建物の番号などを含めても差し支えないと案内されています。正式な住所だけでは所在地を特定しにくい場合に追加する、という位置づけです。

また、住所は「住所1」「住所2」のように入力欄が分かれており、住所2は部屋番号などを指定する必要がある場合に使えます。建物名と階数、部屋番号は、ここで過不足なく入力しておきましょう。

一方で、住所欄にURLやキーワードなどの不要な情報を入れることは認められていません。「入口は裏手です」といった案内文を住所欄に書き込むのは避け、後述する説明文や写真で補ってください。

店名や住所の表記を揃える基本は、NAP統一とは?店名・住所・電話番号を揃えるべき理由と手順で整理しています。階数の書き方がサイトごとにバラバラになっていないかも、あわせて確認しておくと安心です。

ピンの位置が入口からずれていないか確認する

ヘルプには、住所を正確に記載できない場合に、地図上でピンを使って所在地を直接指定できるという趣旨の記載があります。つまり、ピンの位置は店側が見直すことのできる項目です。

ピンが建物の中央や、別の道に面した側に落ちていると、お客様は地図の案内どおりに進んでも入口にたどり着けません。ピンは入口に最も近い位置に置くのが基本ですが、位置が動かせない場合は、次の説明文と写真で補いましょう。

ピンがずれる原因や直し方は、Googleマップのピン位置がずれる|原因と正しい直し方に詳しく書いています。編集してから反映されるまでは時間がかかることもあるため、修正したら数日後にもう一度確認してください。

ビジネスの説明文で「入口の場所」を伝える

ビジネスの説明文には、全角で最大375文字まで入力できます。ヘルプでは、商品やサービス、他社との差別化ポイント、事業年数などを書くよう案内されており、宣伝よりも事業の詳細を中心に書くことが求められています。

URLやHTMLコードは使えません。入口の案内をここに入れる場合は、「ビルの右手にある階段から2階へ」のように、事実だけを淡々と書くのがよいでしょう。

ただし、375文字の枠の大部分を道案内に使うと、店の紹介が薄くなります。説明文の冒頭は店の特徴に使い、末尾の一文で入口の目印を添える、くらいのバランスが現実的です。

説明文全体の書き方は、Googleビジネスプロフィール説明文の書き方|例文テンプレート付きも参考にしてください。

書き方の例と、避けたい書き方

たとえば「JR〇〇駅の東口から徒歩3分。〇〇ビルの1階奥にあるエレベーターで3階へお上がりください」のように、起点、目印、手段、階数をひとつの流れで伝えると、読み手は頭の中で道順を再現できます。

避けたいのは、「分かりにくい場所ですが探してみてください」のような、不安をあおるだけで情報のない書き方です。目印は、変わりにくい建物や設備の名前を使うと、長く使える案内になります。

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写真で「入口までの道のり」を見せる

店舗の入口へ続く階段と矢印のイラスト

文章より写真のほうが伝わる場面がある

入口の案内は、言葉で説明するより、写真で見せたほうが早い場面が多くあります。「ビルの左側の暗い通路」と書かれても、実際の暗さや幅は想像できません。

写真の基本的な撮り方は、スマホでできる店舗写真の撮り方|明るさ・構図・枚数のコツにまとめています。ここでは、入口案内に特化した撮影の順番をお伝えします。

撮るべき写真の順番(道のりを4枚で見せる)

おすすめは、お客様が歩く順番に沿って、少なくとも4か所を撮影することです。1枚目は、最寄り駅や大きな通りから見たビルの全景です。

2枚目はビルの入口まわりで、店名の案内板やテナント表示が写る位置から撮ります。

3枚目は、エレベーターや階段、地下へ降りる入口など、建物の中の移動手段。4枚目は、店のドアを開けた目線の写真です。

この順番で並べると、写真だけで「迷わないルート」が見えてきます。写真は、入口までの道のりを順番に見せることを意識して選ぶと、お客様の不安がぐっと減ります。

撮影するときは、できるだけ昼間の明るい時間帯を選び、人の顔が写り込まないよう注意してください。

写真の仕様と、反映までの時間

Googleのヘルプによると、写真はJPGまたはPNG形式で、サイズは10KBから5MBまでが目安です。推奨の解像度は720×720ピクセル、最小は250×250ピクセルとされています。

ピントが合って十分に明るい写真を使い、大きな加工や過度なフィルタは避けるよう案内されています。アップロードしてから検索やマップに表示されるまで、最長で24〜48時間ほどかかる場合があることも覚えておきましょう。

写真の並び順とカバー写真の考え方

アップロードした写真の表示順を、店側が完全に決められるわけではありません。順番の考え方はビジネスプロフィール写真の並び順は変えられる?仕組みと対策で整理しているので、あわせて確認してください。

そのうえで、カバー写真には入口の外観が分かる1枚を選ぶと、検索結果で見た人が「ここに入るのだな」とすぐに理解できます。

店内の様子まで見せたいときの選択肢

店内の雰囲気や入口からの動線を、より立体的に見せたい場合は、屋内のストリートビューという方法もあります。導入の流れは店舗のストリートビュー導入ガイド|屋内写真で不安をなくすにまとめています。

とくに地下や奥まった店では、「入ってみたら思ったより明るい」と事前に伝わるだけで、初めてのお客様の心理的な壁が下がります。

ホームページ・SNS・店頭サインで案内をそろえる

スマートフォンの地図とチェックリスト、道順、店舗のイラスト

ホームページには「アクセス」専用の案内をつくる

Googleマップを見たお客様が、次に開くのは、多くの場合ホームページのアクセスページです。そこに地図の埋め込みだけを置くのでは、入口の分かりにくさは解消されません。

駅の出口から店までの道順を、写真つきのステップで書き、所要時間の目安を添えてください。「この写真の看板が見えたら、あと30秒です」といった書き方が、迷っているお客様を助けます。

地図の埋め込み方は、Googleマップをホームページに埋め込む方法と店舗情報の見せ方で解説しています。アクセスページは、迷った人が最後にすがる場所だと考えて、丁寧に仕上げてください。

SNSやGoogleの投稿にも道案内を残す

Instagramなどで店を知ったお客様は、地図アプリを開かず、そのまま来店することもあります。プロフィール欄や固定投稿に、入口の目印を一言添えておくと効果的です。

Googleビジネスプロフィールの投稿に、入口の写真と短い道案内を載せるのも手です。ただし、投稿は時間が経つと流れていくため、重要な情報は説明文と写真に常設しておくのが基本です。

店頭サインと、予約・問い合わせ時の案内

建物の前に出す看板は、遠くからでも読めて、矢印と階数が入っていることが大切です。地下の店であれば、階段の上に「地下1階」と分かる立て看板を置くだけで、迷いは大きく減ります。

看板やチラシを入口の案内として使う際の考え方は、チラシ・看板とMEOをつなぐ導線設計|紙の反応を来店に変えるでも触れています。ビルの管理者やオーナーの許可が必要な設置物もあるため、事前に確認してください。

予約を受ける店では、予約確認のメッセージに入口の案内を一文入れておくと、当日の電話での問い合わせが減ります。電話で道を聞かれることが多い場合は、その内容を集めて、案内文に反映していくと改善が早まります。

同じ建物に複数の店がある場合の注意

同じビルに複数の店が入っている場合は、住所だけで場所を探すと、ほかの店と混同されることがあります。建物名や階数、入口の違いを、情報の表記で区別しておきましょう。

複数店舗が同じ建物に入る場合の設計は、同じ建物に複数店舗があるときのGBP設計|重複と誤解を防ぐに詳しくまとめています。

スタッフ全員が同じ道案内を言えるようにする

電話で道を聞かれたとき、スタッフによって説明が違うと、お客様はかえって混乱します。「駅の東口を出て、右手のコンビニの角を曲がり、2軒目のビルの奥のエレベーターで3階へ」のように、道案内の定型文を一つ決めておきましょう。

この定型文は、ホームページのアクセスページや予約確認のメッセージとも同じ表現にそろえると、どこで案内を受けても迷いにくくなります。入口の目印が変わったときは、その定型文を全員で更新するルールにしておくと安心です。

よくある質問

スマートフォンの地図ピンと吹き出し、店舗のイラスト

Q. 住所に「2階」や「B1F」と書いても大丈夫ですか?

Googleのヘルプでは、住所に階数や部屋番号を含めても差し支えないとされています。ただし、住所の入力欄は、ほかのサイトや名刺の表記と揃えることが大切です。

「2F」「2階」「二階」のように書き方が混在すると、同じ店と認識されにくくなる可能性があります。表記は1つに決め、全媒体で統一してください。

Q. 入口の写真は何枚くらい載せればよいですか?

枚数に公式の決まりはありませんが、駅や通りから店のドアまでを順に追える4〜5枚が、一つの目安です。枚数よりも、道のりが途切れずに伝わるかどうかを重視してください。

写真の品質や形式は、先ほど触れたGoogleのヘルプの仕様に沿っていれば問題ありません。

Q. ピンの位置を自分で動かせない場合は?

編集の提案が反映されない場合や、位置の変更が承認されない場合もあります。そのときは、説明文や写真、ホームページのアクセスページで補う方法が現実的です。

時間をおいてからもう一度確認し、それでも直らないときは、ヘルプのサポートに問い合わせる方法もあります。

Q. 「分かりにくい」とクチコミに書かれたら、どう返信すべきですか?

まずは、入口で迷わせてしまったことへのお詫びと、来店への感謝を簡潔に伝えます。そのうえで、「案内を見直しました」と改善内容を一文で添えると、ほかのお客様にも誠実さが伝わります。

言い訳や、お客様を責めるような言い方は避けましょう。返信の基本は、口コミ返信の記事も参考になります。

Q. MEOの効果として、入口の案内は順位に関係しますか?

入口の案内そのものが検索順位を直接押し上げる、という公式な説明は、Googleからは示されていません。ただし、来店前の迷いを減らすことは、お客様の満足度や口コミの内容に好影響を与えやすい取り組みです。

順位のためというより、せっかく見つけてくれたお客様を逃さないための整備だと考えるのがよいでしょう。

入口の案内は、店の「最初のおもてなし」です

2階や地下、ビルの奥にある店は、入口の案内さえ整えば、落ち着いた空間や隠れ家のような魅力として、むしろ強みに変わります。住所とピン、説明文、写真、ホームページ、店頭サインの順に、無理のない範囲で整えていきましょう。

まずは今日、スタッフ以外の人に店まで歩いてもらうところから始めてみてください。迷った場所が、次に手を入れるべき場所です。

「自分の店が地図でどう見えているのか分からない」「現状を確認しながら改善したい」という方は、access-meoの無料チェックで、Googleマップ上の見え方を確かめてみてはいかがでしょうか。

お問い合わせも、お気軽にaccess-meoのトップページからどうぞ。

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この記事を書いた人
三田健司
三田健司
access-meo 開発・運営/株式会社アクセス・リンク 代表取締役

全日本SEO協会認定SEOコンサルタント。Webサイト制作・SEOを10年以上、延べ1,000件以上支援してきた実績をもとに、Googleマップ・ローカル検索(MEO)での集客を可視化し、改善まで後押しする支援ツール「access-meo」を開発・運営しています。個人事業主や中小企業の店舗集客をサポートします。

(社)全日本SEO協会 認定SEOコンサルタント

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