「メニューはSNSやチラシで見たけど、注文は結局電話」――テイクアウトやデリバリーをやっているのに、こんなふうに注文までの距離が遠い店は少なくありません。実はGoogleビジネスプロフィールには、検索結果やGoogleマップの上から、そのまま注文ページへ進める「注文リンク」の仕組みが用意されています。
この記事では、Google公式ヘルプが案内している「ローカルビジネスリンク」と「オンライン注文」という2つの注文導線の違いから、実際の設定手順、業種別の使い方、そしてやってしまいがちなNG設定までを整理します。専門知識がなくても、今日からひとつずつ試せる内容にまとめました。
代表の三田健司は全日本SEO協会認定SEOコンサルタントとして、Web制作・MEO支援の現場で数多くの飲食店・小売店のGoogleビジネスプロフィール設定を支援してきました。そこで見えてきた「注文リンクの整え方ひとつで機会損失が減る」現実についても、具体的にお伝えしていきます。
テイクアウト・デリバリー対応、なぜ「注文リンク」が集客に直結するのか

検索結果とGoogleマップの目立つ位置に「注文する」導線が出る
Googleのヘルプでは、飲食店などのオンライン注文リンクが「Order online」ボタンとして表示される地域がある一方、検索結果やGoogleマップ上に「Place an order」という形で直接リンクが表示される場合もあると案内されています。つまりユーザーがわざわざ公式サイトを探さなくても、検索結果を見ているその場で注文まで進める導線ができるということです。
特に来店前に「営業しているか」「何が頼めるか」を確認してから行動する人にとって、地図アプリの中で注文まで完結できる体験は心理的なハードルを大きく下げます。これは、電話をかけて注文内容を伝える手間や、待たされる不安を減らすことにもつながります。
電話やSNSより「そのまま注文できる」ことの心理的ハードルの低さ
電話注文は、店が忙しい時間帯につながりにくかったり、聞き取りミスが起きたりするリスクがあります。SNSのDMも同様に、返信までに時間がかかれば注文自体をあきらめられてしまうことがあります。
一方、注文リンクを経由した注文は、メニューや金額をユーザー自身の画面で確認しながら進められるため、伝達ミスが起きにくいという利点があります。もちろん最終的な受注管理は使う注文システムに依存しますが、入り口の導線をGoogleビジネスプロフィール上に用意しておくこと自体に意味があります。
Googleが用意する2つの注文導線|「ローカルビジネスリンク」と「オンライン注文」の違い

ローカルビジネスリンクとは(手動で追加・カテゴリごとに上限あり)
ローカルビジネスリンクは、ビジネスプロフィールの編集画面から手動で追加するURLのことです。Google公式ヘルプによると、メニュー確認用や予約・注文などの「取引用」リンクといった種類があり、カテゴリごとに追加できる上限は10個までとされています。
追加は基本的に手動作業のみで、スプレッドシートや一括管理ツールからまとめて設定することはできません。複数のリンクを登録している場合は、どれを一番上に表示するか「優先リンク」として指定できる仕組みも用意されています。
オンライン注文(サードパーティ連携)とは
もうひとつの経路が「オンライン注文」です。こちらは提携しているフードデリバリーサービスなどのリンクが自動的にプロフィールへ表示される仕組みで、店舗側が「受け取り」「デリバリー」のどちらに対応しているかをサービスごとに設定できます。
注意したいのは、プロフィール側で「プロフィールでの注文受付」をオフにすると、追加していたサードパーティのリンクや注文導線がまとめて非表示になってしまう点です。表示を望まないサードパーティのリンクがある場合は削除を依頼できますが、対応には数営業日かかることも公式ヘルプで案内されています。
同じ「リンクを設定する」という操作でも、注文導線と予約導線では役割が異なります。予約リンクの基本的な設定方法はこちらの記事でも解説していますので、あわせてご参照ください。
今日からできる設定手順|属性のオン・オフから注文用リンクの追加まで

属性(テイクアウト・デリバリー・店内飲食)をオンにする
属性とは、テラス席の有無やWi-Fi対応など、ビジネスの詳細情報をユーザーに伝えるための項目です。Google公式ヘルプによれば、属性は「プロフィールを編集」から「その他」を選び、該当する項目の編集アイコンをタップして「はい」「いいえ」を選択、保存するという流れで変更できます。
テイクアウト・デリバリー・店内飲食に対応しているかどうかも、この属性から設定できます。ただし公式ヘルプは「一部の属性は特定の地域・国・業種に限って変更可能」と説明しており、業種によって表示される属性の項目自体が異なる点には注意が必要です。
注文用のローカルビジネスリンクを追加する
属性のオン・オフだけでは注文ページへのリンクは表示されません。自社の注文フォームや予約システムのURLをローカルビジネスリンクとして登録するには、Google検索またはGoogleマップ上で自分のビジネスプロフィールを開き、該当する取引の種類(注文・予約など)を選んでURLを入力し保存します。
この操作はビジネスプロフィールを直接編集する形で行うため、複数店舗を運営している場合は店舗ごとに個別の設定が必要になります。多店舗展開している場合の一括管理については、別記事もあわせてご覧ください。
「優先リンク」を設定して一番上に出したい注文先を選ぶ
複数の注文リンクや予約リンクを登録していると、どれが一番目立つ場所に表示されるか気になるところです。Googleは、優先的に表示したいリンクを「ビジネス優先」として指定できる仕組みを用意しています。
自社サイトからの注文を増やしたいのか、特定のデリバリーサービスを優先したいのか、店舗の方針に合わせてこの設定を見直しておくと、注文の流れをコントロールしやすくなります。設定直後は反映されないこともあるため、時間を置いてから表示を確認する習慣をつけましょう。
業種・業態別の設定例|カフェ・弁当店・居酒屋のテイクアウト&デリバリー

カフェ・喫茶店:モーニングのテイクアウト需要を取り込む
カフェの場合、モーニングやランチのピーク時間に「テイクアウトできるか」をその場で確認したい人が多くいます。属性でテイクアウトをオンにしたうえで、レジ横の受け取り用の注文フォームやモバイルオーダーのURLをローカルビジネスリンクに登録しておくと、行列を避けたい客の受け皿になります。
すでに飲食店のMEO基本チェックリストを実践している店舗であれば、そこに注文リンクの項目を一つ追加するだけで済みます。属性の設定漏れがないか、月に一度は見直しておくと安心です。
弁当・惣菜店:ピーク時間の電話対応を減らす
弁当店や惣菜店では、昼のピーク時間に電話が鳴り止まず、レジ対応が滞ってしまうという声をよく聞きます。事前注文用のフォームやSNSの注文リンクを登録しておけば、電話を取れない時間帯でも注文を受け付けられます。
メニュー自体の登録については飲食店のメニュー登録の記事で詳しく解説していますので、注文リンクとあわせて整えておくと、何が注文できる店なのかが伝わりやすくなります。写真付きでメニューを見せておくと、注文前の不安も減らせます。
居酒屋・レストラン:デリバリーとイートインの両立
居酒屋やレストランは、イートインの予約とデリバリーの注文を両方受け付けるケースが多く、リンクの使い分けが重要になります。属性では店内飲食・テイクアウト・デリバリーをそれぞれ個別にオン・オフできるため、実態に合わない項目がオンのままになっていないか確認しましょう。
商品・サービス欄を使って人気メニューや宴会コースを紹介しておくと、注文リンクへの導線と合わせて検討材料が増えます。詳しい登録方法は商品・サービス欄の設定記事を参考にしてください。
やってはいけないNG設定と見落としがちな注意点

「プロフィールでの注文受付」をオフにしたまま放置している
何らかの理由で一時的に「プロフィールでの注文受付」をオフにしたあと、再開を忘れてそのままになっているケースがあります。この設定がオフのままだと、苦労して登録したリンクや自動表示されていた注文導線までまとめて非表示になってしまいます。
繁忙期が終わったタイミングや担当者が変わったタイミングで、意図せずオフのままになっていないか、プロフィールの表示を定期的に見ておくことをおすすめします。特にオーナーが交代した直後は見落とされやすいポイントです。
実際は対応していないサービスの属性をオンにしている
デリバリーをやめたのに属性がオンのまま、あるいは季節限定のテイクアウトを通年対応と誤解されるような設定になっている店も見かけます。実態と違う情報は来店客の不満につながるだけでなく、口コミの評価にも影響しかねません。
サービス内容を変更したときは、属性の見直しをセットで行う習慣をつけておくと安心です。繁忙期・閑散期でサービス内容が変わる店は特に注意しておきたいポイントです。
削除依頼への対応期限を知らずに放置する
自動的に表示される第三者の注文リンクについて、表示をやめてほしいと依頼した場合、Google公式ヘルプでは提供事業者側が5営業日以内に対応するとされています。この期限を知らずに「消えない」と焦ってしまうケースもあるため、依頼後は数営業日待ってから再確認するとよいでしょう。
こうした細かい設定のズレは、一つひとつ見直していくことでしか防げません。次の章で紹介する月次の運用ルーティンに組み込んでおくと、忘れずに済みます。
設定後の運用ルーティン|反映確認・優先リンクの見直し・季節対応

設定後は数日〜最大30日かかることを踏まえて確認する
属性の変更などは、Google公式ヘルプによると審査に通常10分ほど、長い場合は最大30日ほどかかることがあるとされています。設定した直後に表示を確認して「反映されていない」と慌てないよう、数日おいてから見直す運用にしておくと安心です。
月1回、優先リンクと属性を見直す
季節メニューの終了やデリバリーサービスの契約変更など、店舗の状況は少しずつ変化していきます。月に一度、カレンダーに「注文リンク確認日」を入れておくだけでも、実態と食い違ったままの設定を防げます。
確認する項目は、属性のオン・オフ、登録しているリンクの有効性(リンク切れがないか)、優先リンクの設定の3点に絞ると、忙しい中でも続けやすくなります。チェックリスト化しておけば、担当者が変わっても引き継ぎやすくなります。
AIによる管理支援の広がりも踏まえておく
2026年6月には、Googleビジネスプロフィールの管理をGemini(生成AI)が支援する機能が発表され、順次展開が進んでいます。表示回数や通話数といったパフォーマンスの分析、口コミへの返信案の作成、営業時間や写真といったプロフィール更新の支援などが対象に含まれると案内されています。
こうしたAIによる支援が広がっても、属性やリンクの登録内容が実態と合っているかという土台の部分は、店舗側で整えておく必要があります。まずは今回紹介した注文リンクと属性の設定から、無理のない範囲で見直してみてください。
よくある質問
Q1. 注文リンクを設定すると必ず「注文する」ボタンが表示されますか?
表示のされ方は地域や検索結果の種類によって異なり、「注文する」ボタンとして出る場合もあれば、リンクという形でシンプルに表示される場合もあります。必ず同じ見た目になるとは限らない、という前提で運用するとよいでしょう。
Q2. 自社サイトの注文フォームをリンク先にしてもいいですか?
ローカルビジネスリンクは自社で用意したURLを登録できる仕組みなので、自社サイトの注文フォームや予約ページを設定して問題ありません。第三者のフードデリバリーサービスに依存したくない店舗にとっては、有効な選択肢の一つです。
Q3. デリバリー代行サービスのリンクを削除したいのですが?
自動的に表示されている第三者の注文リンクは、削除を依頼すると提供事業者側が対応する仕組みになっており、公式ヘルプでは5営業日以内の対応が案内されています。すぐに消えなくても、数営業日は様子を見てから再確認してみてください。
Q4. 属性の審査にはどれくらい時間がかかりますか?
公式ヘルプでは、通常であれば10分程度で反映される一方、内容によっては最大30日ほどかかる場合があると説明されています。繁忙期の直前など、急ぎで反映させたい変更は早めに済ませておくと安心です。
お店の「今の見え方」、まずは無料で確認しませんか
注文リンクや属性を整えても、そもそも自分の店がGoogleマップでどう表示され、何位に出ているのかを把握できていなければ、改善の効果を実感しにくいものです。access-meoでは、Googleマップでの順位や口コミの状況をまとめてチェックできます。
まずは無料で、現在地から見えている自店の状態を確認してみてください。
